呪い
地上に戻った一行は、呪いをどうにかすべく、ギルドに向かった。
ギルド職員「どうされました?」
僧侶「仲間の様子がおかしくて。呪いだと思いますが、解呪の方法を知りたいんです」
職員「ははあ、なるほど。であれば武器屋か鑑定屋で解呪できますよ」
スカウト「鑑定屋に行こう。回収した武具の鑑定もついでにできる」
僧侶「そうですね。ではいつもの鑑定屋へ」
そういうと鑑定屋に移動を開始した。
鑑定屋
店員「呪いの解呪ですね。少々お待ちください」
解呪師「呪いと伺いましたが、どなたですかな」
皆は戦士とその斧を指さした。
解呪師「原因は武器ですね。料金はこの武器の相場の半額を頂きます。よろしいですか?」
スカウト「ああ、頼む」
解呪師「ああそうです、解呪の前にこの武器の鑑定はしなくてよいですか?」
スカウト「なんでだ?」
解呪師「今後どこかで名前を聞いて、呪物だとわかったほうがよろしいかと思いまして」
僧侶「言われてみれば」
スカウト「なら鑑定も頼む」
解呪師「鑑定料も発生しますが、よろしいですかね?」
スカウト「くそっ」
魔剣「仕方ない、今後のための投資だと思うしか・・・」
スカウト「わかった。やってくれ」
そう言うと鑑定人が呼ばれて、鑑定された。
”災いのオノ”
僧侶「ひどい名前ですね。モロじゃないですか」
解呪師「解呪も成功しました」
そういうと斧はスゥーッと薄くなり、消えてしまった。
スカウト「消えるのか、手元にも残らないから売れないし、ほんと災いしかねぇな」
僧侶は戦士の頬をぴしゃりと叩いたが、起きなかった。
僧侶「めんどくさいですね。状態異常快癒の魔法で起こしますか」
そういうと詠唱を開始した。
戦士「ん?あれ?ここはどこだ?」
スカウト「地上だ。鑑定屋だよ」
皆が横になる戦士の顔を覗き込んだ。
戦士「何が起きたんだ?」
僧侶「あなたが不意に拾った武器に呪われてしまったんですよ」
戦士「全然記憶にない・・・」
魔法使い「よくわからないこと口走って、大変だったんだから」
戦士「歩いて戻った記憶もないな。相当地下だっただろ?」
僧侶「スリッパで帰還したんですよ。あなたを背負って移動なんかできませんから」
戦士「そうだったのか。すまない」
魔剣「仕方ない、次からは安易に武器を装備するような仕草はしないことだ」
戦士「気を付けるよ」
さて、一行はまだ鑑定していない品物をカウンターに並べて、鑑定を依頼した。
鑑定人「まだあったんですね、ではいつものとおり鑑定料はよろしく」
そういうと鑑定を開始した。
”病めるメイス”
”あくまのつえ”
”呪いの鎖帷子”
”ささえのたて”
”宝石”
”炎2のスクロール”
”ライトポーション2つ”
”くろいこて”
鑑定人「以上でございます」
魔法使い「杖がぁー、杖がぁー」
スカウト「どれも呪いっぽいやつだな」
鑑定人「どちらも呪物ですね。地下種以外に用はないでしょう」
魔剣「籠手はともかく、盾が使えそうだな」
鑑定人「盾も籠手も呪物ですね」
スカウト「ひどい収穫物だな。宝石ってのはなんだ?」
鑑定人「マジックアイテムの類ではありませんので、私共には価値はわかりません。街の宝石商にでも伺うとよろしいでしょう」
僧侶「高級品だといいですね」
戦士「収穫はポーションとスクロールだけか」
魔法使い「杖ぇ」
僧侶「次の箱開けが楽しみになったじゃないですか」
僧侶は魔法使いに諭すように話しかけた。
スカウト「じゃあ、武具の売却と宝石商へいくか」
戦士「呪物を堂々と売却にいくのって気が引けるな」
僧侶「店は引き取りますかね?」
スカウト「地下種の冒険者が購入するんだろ?気にすんな」
一行は武具を売却した。
スカウト「宝石商か、どこかいいのか情報がないな」
魔法使い「私が見に行ってる店なんてどう?」
スカウト「何も知らないとこよりマシか」
宝石商
店員「あら、いらっしゃい」
少女ともいえる年齢の店員が出迎えてくれた。
どうやら店主は宝石を採掘すべく、各地を転々としていて、たまにしか店に戻らないらしい。
冒険者を兼業しているようだ。
魔法使い「今日は手に入れた宝石を売りに来たの。これよ」
そういうと宝石の原石を店員に手渡した。
店員「少々鑑定しますので、お待ちください」
そういうと宝石をいろいろな角度から見て、さらに何やら道具も使っているようだ。
スカウト「みな宝石の原石か。鈍く光る石にしかみえねえな」
戦士「こちらは装飾品になってますね。まあダンジョンには不要ですが」
魔法使い「夢が無い!」
僧侶「宝石と言えば、宝石のスリッパをまた購入しにいかないといけませんね」
魔剣「そうだった。この後いきましょうぞ」
店員「お待たせしました。このくらいの額でどうでしょうか」
紙に金額が書かれている。
スカウト「十分だな」
魔法使い「ええ、これでお願いするわ」
店員「かしこまりました」
そう言って頭を下げると、奥の金庫へ向かったようだ。
一行は金庫から戻った店員から金銭を受け取り、スリッパを購入するため魔法具店へ向かった。
魔法具店
店員「いらっしゃい」
僧侶「宝石のスリッパを購入したい。1つでいい」
店員「あいよ、じゃあこれだね」
そういうと店員はスリッパをカウンターに置いた。
僧侶「これで保険アイテムも入手しましたし、安心ですね」
スカウト「結果的に資金は増えたな。呪物があんなに高く売れるとはな」
戦士「鑑定代金みたときは、え?!ってなりましたが」
魔剣「皆が捨ててしまうから、市場に出回らないんだろうな」
僧侶「地下種の冒険者なんて、地上種の冒険者に比べたら少数ですもんね」
一行はいつもどおり、宿で荷物整理をし、いつもの食事処へ向かった。