冒険者
この話が抜けていました。21話は22話に移動しました
一行は変なモコ種の冒険者がいた、地下7階のワープステーションまで戻ってきた。
しかし、そこにモコ種冒険者の姿はなかった。
スカウト「ウザがられて立ち去ったか」
魔法使い「たぶんね」
魔剣「さて、どうやって戻れるんだろうか」
ワープステーションと書かれた部屋に入ったが何も起きなかった。
魔法使い「地下5階のワープみたいに魔方陣がないわね」
スカウトは壁を調査している。
スカウト「なんかスイッチがあるな」
スイッチを押すと、目の前は白い光に包まれ、何も見えなくなった。
そして徐々に光が失われ、視界が回復してきた。
そこはダンジョンの外だった・・・
僧侶「ダンジョン入口の近くですね。こんなとこに出るとは」
スカウト「とりあえず地上に出られることは確認できたな」
戦士「では早速大聖堂にいきますか」
大聖堂の大扉の前にはいつものように司祭が数人立っている。
司祭「何の御用ですかな?」
スカウト「全滅パーティーの情報を持ってきた」
司祭「おお、それはそれは」
そういうと近くにいた使用人を呼び寄せた。
使用人「ではこちらへどうぞ」
案内された先は前回と同じ部屋で、同じようにテーブルに司祭が着席していた。
司祭「おや、あなた方は以前も報告に来ましたね」
僧侶「ええ2回目になりまs」
司祭「ふむ。では場所を教えてもらえるかな」
そういうと司祭は片手を挙げて、壁際にいる騎士に合図をした。
騎士は合図をみて、司祭の元に寄ってきた。
スカウト「またシークレットの先で死んでいたぞ」
騎士「シークレット先はなかなかみつからないからな」
司祭「そうじゃのう。そうでなければ大体"ホーリーナイト"の連中がみつけるじゃろ」
スカウトは地図をみせて場所を指でさした。
僧侶「"ホーリーナイト"って以前、話にきいた大聖堂のクエストをこなしてる冒険者の一団ですね」
戦士「名前を憶えられてるのか」
魔剣「俺たちは出遅れてるからな、仕方ない」
司祭「報告ありがとうございました。では勲章授与をしますので、また冒険者証を出してもらえますかな」
一行は冒険者証をテーブルに並べた。すると司祭は魔法のスタンプで勲章を記していく。
魔剣「これで俺たちも勲章2つの冒険者ってワケか」
司祭「ほほっ。そうでございます。なかなかいるものではありませんよ」
スカウト「そうなのか?」
司祭「ええ。大聖堂の専用クエストは勲章があれば紹介されますし、死体の報告をしても褒章は多くはありません。名声を欲しがる者でなければ2回目は滅多に訪れませんな」
魔剣「なるほど、名声を求める冒険者と金を稼ぐ冒険者か」
司祭「そういうことでございます」
司祭はハッとした顔をして、こちらに再度顔を向けて話し始めた。
司祭「そういえば、あなた方は名声をお求めかな?そうであれば大聖堂から出ているお触れをご存じか?」
戦士「お触れ?」
司祭「宝珠の話なんじゃが」
僧侶「知りませんね」
司祭「ふむ。ある意味、大聖堂から出ているクエストになるのですが、、、」
そういうと近くにいた別の司祭が近寄ってきて、話に割り込んできた。
司祭2「私から説明しましょう。こちらへどうぞ」
そういうと別室に案内された。
司祭2「さて、これは勲章持ちでなくとも受けられるし、耳に入っていれば知っているクエストなのですが」
そう前置きすると、話を続けた。
司祭2「現在、この街のはずれにあるダンジョンの最下層には地下種の王がおり、闇の宝珠を守護していると言われています。そして、この闇の宝珠の回収をお願いしたいのです」
魔剣「地下深くだと、地下種も強力なのが多い、そんな中でさらに王となると護衛はとんでもなく強いのではないか?」
司祭2「そうですね、実際に王の兵隊である騎士たちが挑戦していますが、いまだに成功していません。力ある冒険者もそこで出土したり入手できる財宝で満足してしまい、宝珠に至っておりません」
戦士「そんなことが、、、」
司祭2「仕方ありません。命をかけて挑戦しているのですから、無理強いは出来ません」
僧侶「なぜ宝珠を回収したいのでしょうか」
司祭2「簡単なことです。この地上にある光の宝珠と対になっているもので、地下種の力の源になっているからです。それを回収することで地下種の力を削ぐのが目的です」
スカウト「なるほど、力を削いでしまえば安全に地下探索できるな」
司祭2「そうなのです。毎回苦労して強い地下種と戦わずとも、宝珠さえ回収してしまえば解決するのです」
魔法使い「回収した宝珠はどうするの?放っておくわけにいかないでしょう?」
司祭2「ほんとにお触れをご存じない様子。今話したことを含め書かれておるのですが、まあよいでしょう。回収した宝珠は、光の宝珠により浄化する予定でございます」
魔法使い「消えちゃうってこと?」
司祭2「そういうことでございます」
スカウト「確かに回収に成功すればすごいが、場所が場所だけにリスクが大きいな」
司祭2「そうなのです。そのため、この大聖堂の司祭頭である大司祭様の長年の悲願でもあるのですよ」
戦士「私たちはまだそんなところに行ける者ではありません、ただいずれ力を付けたら再度検討したいと思います」
司祭2「ぜひともお願いします」
そういうと大聖堂の出口まで見送られた。
スカウト「さて、名声入手の最大クエストって感じだが、まだ無理だな」
僧侶「そうですね。実力が不足しています」
魔剣「とりあえず今までとおり、探索を再開でいいな」
戦士「そうですね。なのでまた明日は休息日、明後日出発としましょう」
僧侶「ではまたあの店にいきましょう」
そういうといつも利用している食事処へ皆で向かった。