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暗闇



スカウト「最初に通路だけを歩いてマッピングした範囲は、調査が終わった。次はその先の調査だな」


そういうと目の前のドアを開けた。


その先には長い通路が続いており、遠くで折れ曲がっていた。


戦士「両サイドからのふいうちは無さそうですね」


僧侶「シークレットや魔法の壁じゃなければですけどね」


戦士「ああ、魔法の壁か。あれだとこっちからは壁でも、向こうからは通路丸見えになるのか」


魔法使い「怖っ」


スカウト「魔法の壁だけは気づきようがないからなぁ」


通路の曲がり角までくると、ドアらしきものが並んでいた。


スカウト「どっちも真っ暗部屋だ」


僧侶「ランプがダメになりそうですね」


意を決してドアを通過すると、程なくしてランプが消えた。


僧侶「やっぱり・・・」


暗闇の空間は広くなく、すぐに違う広場に出た。


そして隣を見るとドアが並んでいる。


スカウト「構造的に、今のドアをくぐる前に並んでたドアとつながってるぞ」


魔法使い「じゃあ、私は今来た道を引き返すから、僧侶はそっちのドアから来てみて」


楽しそうに僧侶に話しかけると、ドアを開けて真っ暗部屋に入ってしまった。


戦士「敵がいたらどうすんだか」


僧侶がやれやれといった感じで、隣のドアから入っていった。


少しして二人仲良く同じドアから出てきた。


僧侶「予想通りの結果でしたよ」


魔法使いは僧侶の腕に自分の腕を絡ませて並んでいる。


僧侶「さあ、もういいでしょう。先へ進みましょう」


そう言うと僧侶は予備のランプを灯した。



スカウト「またドアが並んでる」


そう言ってから、見えるドア2つを覗いたスカウトが一言。


スカウト「どっちも真っ暗部屋だ」


戦士「またか」


僧侶「ランプが・・・」


全員が部屋に入るとランプが消えた。

真っ暗部屋は、単なる暗い部屋で何もなかった。


スカウト「クソッ」


僧侶「隣のドアも調べましょ」


スカウトを先頭に手探りで壁沿いに進んでいたが、不意に何かとぶつかった。


スカウト「いてっ」

魔法使い「いたっ」

スカウト「え?」

魔法使い「ん?」


2人は混乱している。


僧侶「どうしました?」


戦士「いてっ」

魔剣「うおっ」


スカウト「魔法使いと何故か衝突した」


戦士「こっちは魔剣さんとぶつかりました」


僧侶「いったん止まりましょう。どういうことでしょう」


魔法使いが地図魔法を唱えると、地図がぼんやり空間に出現した。


魔法使い「あれ?みんながバラバラの方角を向いてるよ」


スカウト「パーティーがバラけてるな」


スカウトの声を頼りに集合した一行は、部屋をあとにした。


スカウト「どうもあの空間のどこかで方向感覚を狂わされたようだな」


魔剣「ターンテーブル。回転床と言われてるやつかもしれん」


魔法使い「うーん」


戦士「暗闇でそれはひでぇな」


魔法使い「浮いちゃおうか。そうすれば床が回転しても意味ないし」


スカウト「精神に作用して方角をおかしくするんじゃないなら有効だな」


魔法使い「一回試してみよ」


そう言うと浮遊魔法を唱えた。皆の体が宙に浮いた。


戦士「浮いてるけど歩けるな。変な感じだ」


ドアから中に入った一行は、誰ともぶつかることなく、部屋を一周してドアから外に出た。


スカウト「作戦成功だな。ナイス判断だったぞ魔法使い」


魔法使い「へへー」


魔法使いは嬉しそうだった。


僧侶「ではこれからは浮遊も使って移動ですね」


そう言うとまた探索を再開した。




この辺りは通路の両脇にドアと部屋が並んでいた。


スカウト「ここも何も無しか」


そして次のドアを開けると、冒険者の一団がいた。


人間種の冒険者「お、お仲間か。お疲れさん。こちらは今休憩中だよ」


そう言う横には武器を構えた前衛が2人立っていた。


スカウト「そうだったか、邪魔したな」


獣人種の冒険者「そう言えばこの辺で変なパーティーに会わなかったか?」


戦士「変なパーティー?」


エルフ魔法使い「ええ。ポーターって呼ばれてるけど、ものすごく強い人がいるパーティー」


魔剣「あいつらか」


戦士「ああ、そのパーティーなら会いましたよ。部屋に入ってきた地下種の獣人たちを軽く一掃していなくなりました」


ドワーフ僧侶「ということは見間違えじゃないのか」


獣人種の冒険者「変なことを聞いたね。ちょっと気になってね。疲れて幻でも見たのかと思って確認させてもらったんだ」


スカウト「そういうことか」


互いに挨拶を交わすと一行は部屋を出た。


スカウト「さて、かなり戻って、別のルート探索だな。戻るために、またランプが無駄になることが確定した」


僧侶「まじですか。次のが最後です。あとは私のランプ魔法しかありません」


戦士「このまま探索するか、いったん戻るか」


スカウト「ランプ魔法は何回使える?」


僧侶「3回ですが、初期の回復魔法と合わせて3回です」


スカウト「初期のか。確か強化回復魔法使えるって言ったよな?」


僧侶「ええ、ですからランプに使っても平気だと思いますよ」


スカウト「じゃあもう少し探索続行だ」


そう言うと探索を再開した。



まっくらだ


スカウト「早速きたか」


真っ暗な通路を抜けた先は小部屋だった。


スカウト「シークレットがないか調査する」


戦士と魔剣が警戒に入った。




スカウト「何もねえな。次行こう」


またも小部屋にでた。


スカウトはまた調査を開始した。


するとスカウトは何かに気づいた。


スカウト「隠し通路?ドアみたく塞いでるな」


そこを抜けるとまた小部屋に出た。


戦士「冒険者が全員寝てるのか?」


僧侶「即席のドアを作って隠れて休息ですかね」


スカウトが寝ている冒険者の一団に近づいた。


スカウト「死んでるぜ」


またしても全滅だった。


戦士「またシークレットの奥で全滅ですか・・・」


全員が血を吐いているところを見ると、毒でやられたようだ。


僧侶「体を休めて毒からの回復を図ったんでしょうかね」


魔剣「体力が持たず、死亡・・・か」


魔法使い「また報告だね、これ」


スカウト「場所は記した。地上に戻るか」


魔剣は地図魔法を展開した。


魔剣「ここからならランプ魔法は消費1回で階段まで戻れるな」


スカウト「了解した」


魔法使い「ナイス確認!」


僧侶「ええ、ほんとに」


そういうと一行は地上目指して歩き始めた。



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