表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

164/185

大司祭の蘇生

大司祭の魂消滅を狙った蘇生作業が続いており、高位蘇生魔法は2度成功したが、3度目は無かった。


滅魂「無事に失敗しました・・・」


滅魂が団長を見ながら言うと、団長も頷いた。


団長「ついに悪の根源は断たれた。あとはこの遺体をダンジョン地下に移動させるか、土に埋めて1日放置すれば消滅する。手っ取り早いのは埋葬か」


そう、復活できない遺体には特殊な効果がかかり、団長が説明したようなことをすると遺体が消滅してしまうという現象が起こる。

復活できない遺体を、なおもどうにかしようとする団長の行動には理由があった。

これもまた冒険者たちの知恵で生み出された、発見された抜け道なのだが、呪いの武具の中には秘められた力を開放することで死んでしまうという恐ろしいものがあるのだが、復活できなくなった遺体や一回目の蘇生に失敗した遺体で、この呪いの武具の力を開放させると単なる死体に戻れる。つまりは蘇生魔法を1回も受けていない状態に戻れるという抜け道のようなルールがあった。

この方法を使われると、大司祭を復活させることが出来てしまうため、それを防ぐために完全消滅を狙った行動だったのだ。


「おいおい、随分エグいことしてくれるじゃあないか」


騎士たちが遺体を運び出そうとしたとき、突然発せられた声に驚き、その場の全員がその方向に目を向けた。

そこには黒いローブに黒いフードの人影がいつの間にか転移していた。


スフィン「徹底的に隠滅しますってか?まぁ理由は何にせよ、そいつにはまだやってもらうことがあるんでな」


そういうとスフィンの目が光った。

次の瞬間、その場にいた者は誰も動けなくなった。


スフィン「私は神の使いだ。聞いたことないか?」


スフィンがあたりを見まわたし、その場にいる人の反応をみていた。


スフィン「そうか。知らないか。浮遊大陸の奴らはやり取りがあったから知っていただけか。

ふむ。簡単にいうとこの世界を作った神の使いってことになるな。

そのジジイはさっきも言った通り、まだやってもらうことがある。それが終わるまで消えてもらっちゃ困るんだよ」


そう言うと、大司祭の遺体の前に来て、遺体に手を置いた。


スフィン「レイズデッド」


次の瞬間、大司祭の体が少し光り、わずかに動いた。


大司祭「う・・・ん?」


その場にいた騎士たちは我が目を疑った。

復活するはずのない状態にしたのに、復活したからだった。


大司祭「一体何事・・・私は殺されたはずでは・・・」


状況が分かっていない大司祭はあたりを見渡しながら呟いた。


スフィン「大司祭といったな?私は神の使いだ。我々の都合により蘇生させてもらった。

あんたはまだやらねばならぬこと、つまりは伝えねばならぬことがあるだろう?」


大司祭「神の・・・使い?長髪の男女ではないようだが、そうか他にもいるのか」


スフィン「ああ。そいつは私の仲間だ。お前ならあいつらを知っていて当然か」


大司祭は神の使いを知っている?なら何故、同じ大聖堂にいた我々騎士たちは知らないのだ?

騎士たちは大司祭と神の使いの会話が理解できずにいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ