事件発生
感情を抑制できず、感情のまま行動した護衛の騎士。その手に持った剣は大司祭の体を貫通した。
大司祭「ぐぅっ」
大司祭は膝から崩れた。
更に護衛の騎士が追撃を仕掛けたが、誰も止めなかった。
そして剣が振り下ろされた。
大司祭「ぐはっ」
大司祭は床に伏した・・・
戦士「どうしてこんなことに・・・」
スカウト「はははっ。俺たちは闇の宝珠を持ち帰った英雄から一気に大犯罪者だぜ・・・」
僧侶「なんてこと・・・」
天球長官は操作盤前に行き、文字を入力し始めた。
天球長官「よし、天球調整だけは出来るぞ。こっちの管理部分は問題ないようだ。
あとは夜の固定化解除だが、、、」
天球長官が収納ボックスから1冊の本を取り出した。
それを見ながらコードを入力するが、エラーではじかれてしまった。
天球長官「くそっ!やはりだめか」
スカウトが大司祭の横に出現した収納ボックスの鍵解除を始めた。
スカウト「よしっ!」
罠を解除し、1冊の本を手に入れた。さっきまで大司祭が見ていたものだった。
それを天球長官に手渡した。
スカウト「これならどうだい?」
天球長官がスカウトから本を受け取り、中身を読んでいる。
しばらくして、中身に書かれていたことを理解した天球長官は文字を入力し始めた。
だが、無駄だろうなとは思った。
先ほどモニターにはハッキリと、
”ルール改変コードの変更を受諾 500年変更不可”
とあったからだ。同じく管理コードは変更なしともあり、そちらは先ほど確認したとおり天球調整はできたからだった。
ブーーーーー
モニターから音が発せられた。
”?????????”
”そのコード入力は無効です”
天球長官「やはりだめか。500年・・・・待つしかないのだろうな」
長官の手から本がスルリと抜け落ち、床に転がった。
戦士「そんな・・・」
天球長官はゆっくりと立ち上がり、周りを見回してから団長に声を掛けた。
天球長官「一見するとあなたが大司祭とやらに続く地位の者と見受けられる。
さて、地上勢力の諸君。これからどうするね?」
団長「・・・正直どうしてよいやら。とりあえずは夜の対策が必要なこと、ここでの出来事を大聖堂に残る上級司祭に報告しようと思います。
先ほど大司祭さ・・・が言ってましたが、地下種との争いを考えると浮遊大陸への移住者が出るかもしれません。受け入れは出来るのでしょうか?」
天球長官「私の一存では決められないな。とりあえず長官会議か」
団長「そちらの事情もありましょう。我々はここにいてもできることはありません。いったん地上に戻ろうと思います」
天球長官「わかった。そうだ、今後我々とやり取りすることあるだろう。
ここ来るまでに”中央”を経由しただろう?あそこで今後は会合をすることにしよう。
地上種が侵入すれば我々はそれを知ることができる。中央に転移したらそこで待つといい。
迎えの者を行かせよう」
団長「ありがとうございます」
団長は騎士に大司祭の遺体を運ぶように指示すると部屋を出るよう促した。
地上勢力の面々は皆一言も発せず、制御室を後にした。
部屋の入口でずっと事を見守っていた防衛長官が天球長官に駆け寄ってきた。
防衛長官「とんでもないことになりましたな・・・500年か。
それだけあれば闇の宝珠の分離技術も確立できるでしょう。
その時に向けて我々は動かねばなりません」
天球長官「ああ、わかっている。
地上勢力も騙されていたとはな。すべてはあの大司祭一人の考えだったということか」
防衛長官「そのようですね・・・とりあえず長官会議を開催して報告しなければ」
防衛長官は天球長官と一緒に長官室へ歩いていった。