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発見された地上勢力

防衛長官は地上勢力を発見したという報告を口にした監視員の方を見ると、その監視員の元に走った。

遅れて2人の長官も駆け付けた。


防衛長官「どこだ」


監視員「この建物。つまりは制御室のある建物です。地下部に反応があります」


防衛長官「すでに侵入済みだと?転移装置を使った形跡はない。どういうことだ。それに地下部にいるってことは地上階にいるときに何故映らなかったんだ?」


防衛長官の発言を聞いて、皆の頭にも同じ疑問が生じていた。


司書長官「裏口か?」


司書長官がボソりと呟いた。


防衛長官「裏口?普通の建物とは違うんだ。そんなものはない」


司書長官「そうか、そうか。そもそも入口が無いんだったな」


司書長官は自分で呟いていながらも、入口がないのに裏口という言葉が出たことを恥ずかしく感じてしまった。

事実は裏口が正解なのだが、それを知るものはここにはいなかった。


防衛長官「どうやって侵入したかは、今となってはどうでもよい。あとは奴らの動向を注視しておけ」


防衛長官は部下にそう言うと、顎に手を当てて考え込んでしまった。


法務長官「部外秘情報に制御室へ至る経路に関するモノは無いなぁ」


法務長官はそう言いながら2人の長官を見た。

司書長官は同じく首を横に振っていた。

防衛長官はそれを聞いて一旦思考をやめて、首を横に振って、また思考に入った。


法務長官「まさか自陣で敵に裏を掻かれるとはな」


法務長官は発言しながら失笑した。


遂に制御室のあるこの建物に地上勢力が侵入した。

もう彼らを止めるシステムは無い。防衛戦で勝利するか交渉で退いてもらう以外になかった。

防衛長官は地上勢力が天球操作で何をするつもりかわからなかったが、浮遊大陸側としては分離技術を用意する必要がある事に違いは無かったため、司書長官に天球長官と部外秘情報である”分離技術の本”の話を進めるように進言した。

それを受けて司書長官もこれ以上ここでやれることはないと判断し、了承した。


防衛長官はこれまでの経緯から、地上勢力が制御室に至るのもそう時間は掛からないと判断していた。

その為、待機中や休憩中の防衛部隊を呼び戻し、再配置を指示したのだった。

何やら焦った様子の防衛長官を見て、半分部外者感のある法務長官は冷静に事を考えることが出来ていた。


法務長官「防衛長官。地上勢力との戦闘で万が一にも戦力を全損に近い形で失うと、今後の浮遊大陸の治安維持に支障がでますぞ。

それに彼らに反撃を加えようにも、必要な時に戦力が無くては困るだろう?

全部隊ではなく、絞って出撃させたほうがよくないか?

専門外のことに口を出すのはどうかとも思ったが、君を見ていて少し心配になったんでね」


法務長官が優しく防衛長官に話しかけると、防衛長官はハッした。

そう、今指摘されたことに配慮できないくらいに視野が狭くなっていたことに気づかされたのだった。

危なかった。要人護衛失敗に続いてまたもや浮遊大陸文明を危機的状況に陥らせるところだったのだ。


防衛長官「ありがとうございます。

焦るあまり、視野が狭くなっていたようです。進言を受け、そのように対処します。

そのため部下と部隊配置について打合せをしますので、席を外させていただきます」


防衛長官は深々と礼をすると部下のいる方へと歩いて行った。



この防衛長官大丈夫か?

分離技術者損失の責任を取って、一連の事件終了後に長官辞任させられるとはいえ、その前に更にやらかしそうw

日本で尻拭いせずに、すぐ引責辞任させるのはある意味正解か?

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