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未踏破地区

浮遊大陸下部から、謎の円柱形空間を吸い上げられて到達した場所に騎士団や戦士達はいた。

そこは円柱形の空間を横切るように何本もの通路があり、それは壁へと続いていた。

壁際へと続く通路に"着地"し、先行した騎士団に続いて、戦士達も移動した。

壁にあるドアの先は広場になっており、そこに騎士たちは集合していた。


スカウト「どうなるかと思ったが、とりあえず死なずには済んだようだ」


戦士「なんとも奇妙な体験でしたが、これがなかったら地上でつぶれて死んでいたでしょうね」


騎士たちも何やらこの奇妙な体験を思い思いに話していた。

その時、騎士団長が手を挙げて注目を集めた。


騎士団長「諸君、静粛に。大司祭様よりお話がある。静かに聞くように」


そう注意すると大司祭に場所を譲った。

大司祭が騎士団の前に出てくると、皆を見回して口を開いた。


大司祭「驚かせたようだな。当然かの。いろいろ聞きたいだろうが、まずは今の状況を説明しよう」


騎士たちは互いに顔を見合わせ、また大司祭を見た。


大司祭「まず、ここは浮遊大陸の地下部分になる。おそらく制御室のある建物に通じているはずだ。

そこで皆にやってもらいたいのが、現在地の確認だ。この建物に誰かが入ったことがあれば地図魔法に踏破記録が出るはずだ。それがないなら、あの入口のみつからなかった建物に侵入できた可能性が高い」


騎士団長「地図魔法で踏破記録を確認せよ」


騎士団長が指示をすると、魔法を習得している騎士たちが詠唱を始めた。


魔剣「どれどれ、、、踏破記録は無いな」


フェアリー「私もないね」


戦士「ということは我々の誰もこの建物に侵入してないってことだね」


騎士団長「誰か記録があったものはいるか?いるなら挙手せよ」


騎士団長がそう叫ぶとあたりを見回した。しかし誰も手を挙げた者はいなかった。


騎士団長「冒険者諸君はどうだ?」


騎士団にいないとわかり、戦士たちに聞いてきた。


戦士「我々も該当者がいませんでした」


簡単に報告すると騎士団長は頷いた。

すると大司祭がまた前に出てきた。


大司祭「ということは、先ほど言ったように当たりを引いた可能性があるな。

これからこの建物の探索を開始しよう」


そこまで言ったときに騎士団長が大司祭に尋ねた。


騎士団長「先ほどの飛び降りですが、あれも大司祭に代々伝わる文書に記録されていたものですか?

どうしてこんなことまで記録できているのでしょうか」


浮遊大陸探索に都合のいい情報が詰まった大司祭に伝わる文書。

騎士団長はそれが何なのかが気になっていた。


大司祭「その昔、地上において”夜”が出現したことがあった。

その時も浮遊大陸の者が大聖堂に来て、夜の除去を申し出てきた。

大聖堂の了承を得たことで、光の宝珠から闇の宝珠を分離し、”夜”の除去に成功した。

この時に浮遊大陸や宝珠について、彼らから聞いたことをまとめた文書なのだよ。

転移装置を使ったりドアを開けるためのカードキー、諸君がここ浮遊大陸で使っていた四角い板のことだ。あれの使い方もこの時に聞き出して手に入れた情報だ」


皆が静かに聞いていた。


大司祭「当時、浮遊大陸は昔話に出てくるもので、実在するとは思われていなかった。

まさか実在していたとは思いもよらなかったのであろう、驚きが隠せないとも書かれていたな。

さて、おしゃべりはここまでだ。

これより互いに援護できる距離を保ち、探索を開始する」


大司祭が方針を決めると騎士団長が隊列を指示していった。

戦士たちはこれまでと同じく、中衛で大司祭の近くにいることになった。


戦士「フェアリーは小さくて発見されにくい、先行探索に役立つし、警戒の意味でも先行探索させてもらえるよう、騎士団長に話してみる」


戦士はそういうと騎士団長の元に走った。


戦士「騎士団長様。我々のパーティーにいるフェアリーチームは小柄で、遠目からは発見困難です。

我々のパーティーでいつもやっていたことですが、先行探索をさせてもよろしいでしょうか?」


騎士団長は思いもよらぬ提案に、少し思案した。


騎士団長「なるほどな。冒険者らしい発想だ。やってみろ」


戦士「ありがとうございます」


騎士団長「そのフェアリーにはスカウト職はいるのか?」


戦士「はい。スカウト職と暗殺職がいるので、2パーティーまで分離可能です」


騎士団長「我ら本体とは別に、そのフェアリーチームが2つあるなら、かなり探索効率がよさそうだな。

そちらの指揮は任せた。何かわかったら私に報告しろ。いいな」


戦士は頷くと仲間の元に戻っていった。






遂に入口が見つからなかった建物に侵入しました。

次の目標は制御室を見つけ出すこと。そして、大司祭が天球制御をすれば目的達成です。

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