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落下

浮遊大陸外円部から外に飛び出した地上勢力のメンバーたち。

空中に出て最初に感じたのは地上方向への重力だった。

そうして落下していった。

戦士は浮遊大陸の土がむき出しになった地表というか側面というか、とにかく浮遊大陸の下部を見ながら落下していた。


「!?」


戦士は落下しながら違和感を感じ始めた。

加速していた落下速度が急に一定になり、今度は浮遊大陸側に吸い寄せられる力を感じ始めた。

重力により下に引っ張られる感覚と、浮遊大陸に引っ張られる感覚、その2つが同時に襲ってきた。


戦士「何だこれ」


魔剣「浮遊大陸に吸われている!?」


放物線を描いて落下していたことと、浮遊大陸の下部が円錐の形状だったため、浮遊大陸から5m以上離れて落下していたが、その距離がだんだん詰まってきた。


スカウト「このままじゃ浮遊大陸の土にすりおろされちまうぞ」


そう言ってから先に落下した騎士団たちをみると、すりおろされていなかった。

そして浮遊大陸から1mほど離れたところで、浮遊大陸側への吸い寄せは止まっていた。

奇妙な感覚だが、丸みを帯びた円錐形の浮遊大陸地表に沿って落下を続けていた。

頭からダイブしていたため、浮遊大陸の下部に近づくにつれ、重力で引っ張られる方向が地上がある進行方向から背中に移っていった。完全に地上に背を向けて浮遊大陸に張り付く形で、浮遊大陸の地表を”飛行”しているようだった。


戦士「浮遊大陸に沿って飛んでる?」


スカウト「ああ、そんな感じだな。落下の勢いで前進してるってとこか?」


戦士たちより先行した騎士団は、前方を同じように浮遊大陸から1m程離れて”飛行”していた。

すると浮遊大陸の底に到着したようで、背中側には重力で引っ張られる感覚が、そして腹側は浮遊大陸に引っ張られる感覚がある状態で飛行を続けていた。

そのときだった。前方を飛んでいた騎士団が視界から消えていった。


スカウト「ん?」


前方に100mはあろうかという”穴”が見えてきた。

浮遊大陸の底にあるのは、巨大な穴だった。


戦士「みんなあの穴に吸い込まれたのか!」


逃げようにも制御できないため、なすすべなく戦士たちも穴に吸い込まれていった。

巨大な穴に到達すると、直径100mの円柱形の空間が現れた。

そして今度は重力とは逆方向、上向きに吸われる感覚が始まった。円柱形の空間に吸い寄せられていた。


円柱形の空間の壁は真っ黒な石で覆われ、所々が少し光っていた。

どうやら意図的に点灯させているようで、浮遊大陸の建物の天井で使われていたものと同じようだった。その光る部分は一直線に並んでいた。滑走路の誘導灯のように。


円柱形の空間を上昇していたが、段々とスピードが落ちてきた。

そして終点なのだろうか、なにやら円柱形の空間を横切る通路が見えてきた。

減速は続き、円柱形の空間の壁と壁をつなぐように設置された通路の上に着地した。

先に到着した騎士団たちは、壁に向かって通路を移動していた。


戦士「ここは浮遊大陸の中?」


スカウト「移動してきた構造を考えると、地中って表現が正しいだろうな」


戦士たちも騎士団に続いて壁に向かって移動を開始した。




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