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久々のダンジョン探索

戦士たちは空き時間を有効に使うべく、まずは浮遊大陸探索の実質的なパートナーとなっているフェアリーチームに報告に行くことにした。

宿に行ってみると、暗殺職のフェアリーやセイジ職のフェアリーに混じって、以前王の間に突撃したときに一緒にいた魔法使いのフェアリーが一緒にいた。

挨拶を交わし、アイテム収集のためダンジョン探索に行くことを告げると、退くか迷ったらスリッパで逃げるように言われた。

しばらく使ってないと存在を忘れそうになるが、緊急脱出アイテムは重要だ。

彼女らを探索に誘ってみたが、あちらのパーティー内での休憩日回しがあるため、断られた。

フェアリーチームは1パーティーが活動しているとき、予備要員は宿で休息している。

すぐに探索再開する場合も、メンバーの一部を入れ替えるだけですぐ探索できるようにするためだった。メンバーに魔法使いが多く、攻撃手段を魔法攻撃に頼っているため、魔力切れしたら前衛はそのまま続行して、後衛だけ入れ替えるという作戦を採用していた。

戦士たちとは違って、今も仲間が探索中のため、せっかくの休みなら仲間のサポートをしたいと考えていた。

戦士たちは、フェアリーチームに行先を伝えたし、万が一何かあればダンジョンを探索して死体を探してくれるだろうと思った。

全滅するつもりもなく、全滅の恐れも低いが、ゼロではない。

一同は気を引き締め、ダンジョン最下層へ飛んだ。

どのあたりの敵が持っているのか不明なため、最下層と1つ前の層も探索し、いくつかの戦利品を持ち帰った。


最近はメッキリ訪問することもなくなっていた鑑定屋。

そこで鑑定してもらうことにしたが、かつてのような鑑定代金不足の恐れは微塵もなく、順調に鑑定に入った。隣のカウンターでは資金不足なのか、アイテムを預けて鑑定してもらっているパーティーがいた。

昔は人質取られたり、同じようにアイテムを預けて鑑定してもらっていたなーなんて感傷に浸ってしまった。

無事に鑑定が済んだが、目当てのものは見つからなかった。


スカウト「さて、目的のブツは見つからなかったな。どうするんだ?」


戦士「5日のうち、昨日休息で1日使いました。今日探索で1日消費することになります」


戦士が状況を整理していく。


戦士「そして明日は休息日で3日目、次の探索は4日目で、5日目に休息ってパターンになりますね」


スカウト「となると、あと1回、大聖堂に呼び出される予定日までにダンジョン行けるな」


スカウトがそう言うと、魔法使いと僧侶の顔が明るくなった。


魔法使い「次こそ見つかってー」


僧侶「ほんとに運が悪いですねえ」


スカウト「最悪は武器屋で購入だな」


スカウトが自分の親指と人差し指をこすりながら言うと魔法使いが返答した。


魔法使い「昨日見てきたけど、売ってなかった。魔法使いとしては重要アイテムだもん。

売るはずないって」


スカウト「重要なら金になるが、そもそもそんなアイテムとれるパーティーなら金には困ってないか」


僧侶「そういうことでしょうねえ」


魔剣「僧侶さんよ、あんたの護符とやらも売ってないのか?」


僧侶「無いですねえ。理由は魔法使いの杖と一緒ですよ。さらには僧侶が欠けた時用に予備で所有する人もいますから」


戦士「自力で入手するしかないってことか・・・」


魔法使い「とりあえず今日はもう無理だから、次回に期待して帰ろ」


魔法使いの提案を受け、もう一度すぐに探索に行くという無謀なことはせずに、これまでと同様のルーティンに沿うことにした。

このノンビリルーティンこそが、このパーティーが疲労で探索失敗しない理由だった。

冒険者の中には、ムキになって再度探索に行ったり、翌日すぐに探索したり、ダンジョン内で数日過ごしたりと無理をしているものがいる。そういった行動は大抵、どこかで破綻して未帰還となってしまう原因となる。

彼らは自分たちの力量をきちんと測れていた。慎重すぎるくらいだったが、みんなで決めて納得したルールでもあったので、パーティー内で意見が分裂することもなかった。





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