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経験値異世界転生  作者: ハイケーグ
第1章 元ゴブリン生息地
22/46

第22話 ミーティング1

間違い修正。エルフ東部軍→エルフ西部軍。

エルフの国から見て、ゴブリン生息地は西でした。すみません。

 翌朝、俺は目が覚めるとすぐに会議の場へと向かった。

 さすがに、リーダーが遅れちゃいけないよな。

 しかし、既にみんな会議の場に集まっていて、着いたのは俺が一番最後だった。


 「あれ?みんな早くない?」


 「ホシノがねぼすけなんだよ」

 

 ハシモトに悪態をつかれる。


 「くっそ~俺がオジジ様に代わって、これからみんなの指導者になるのに」


 「な~にが指導者だよ。ホシノはいいとこ、お(かしら)だよ」


 お頭って、それじゃ山賊かなんかみたいじゃん。かっこわりいぃ。


 「俺がお頭なら、ハシモト達は山賊の子分って感じになるじゃん」


 「ま、そんなもんだろ。俺たちゃゴブリンなんだから」


 ...確かに、それもそうか。

 なら、俺は山賊のお頭からいつか大国の指導者に成り上がってやる!


 俺は決意を新たに、いつもの場所に着席した。


 「お頭、あっちに座んないのかい?」


 言いつつ、ユージはオジジ様がいつも座っていた場所を指し示す。


 「お頭って言うな。...円卓なんだし、普段通りの場所に座っていいか?」


 「ホシノがそうしたいなら」


 「よし。それじゃあ会議を始めよう」


 俺がそう言うと、弛緩していた空気が一気に引き締まる。


 「じゃあまずは報告から。ユージ、固有魔法について頼む」


 「はい。俺は、オジジ様に止めを刺したことでとても強くなって、固有魔法が使えるようになった。

 内容は魔力の探知だ。魔力の流れが手に取るようにわかる」


 ユージが、自分の固有魔法の概要を簡潔に話す。


 「へぇ、どの程度の距離までわかるんだ?」


 イシカワが質問する。


 「昨日、力を得たばっかりだからまだ詳しくは自分でもわかってないが、感知するだけなら、集中すればあの岩ぐらいまではわかる」


 おぉー、なかなかの距離をいけるんだなぁ。

 ユージは大体100mくらい先の岩を指さした。


 「具体的に、どんな事が出来るん?」


 ロクダはこの魔法の活用法が知りたいようだ。


 「例えば、夜中に敵を発見しやすくなる。あと、林の中での戦闘で木の後ろの敵の位置もわかる」


 「おぉー確かに。そりゃ強そう」


 「他の使い方はまだ考えてる」


 まぁ、なんだかんだ色々と応用ができそうな魔法だよな。


 「魔力の消費量はどんなもんなんだ?結構長く使えるようだけど...」


 ヘンミはユージの事が少し心配みたいだ。

 確かに、オジジ様が魔法の代償に死んだ後だし不安になるよな。


 「大丈夫。集中するとそれに伴って消費量も増えるけど、普段使いするくらいなら微々たるものだよ」


 「そっか、ならよかった」


 そのヘンミの質問に答えると、質問が止んだ。


 「じゃあ、次の話に移るよ。とりあえず昨日のおさらいから。


 オジジ様は昨日、砂漠化魔法を使用した。そしてその代償に死亡した。

 使った理由はエルフ西部軍をこの地に孤立させるため。

 僕たちが生まれ育った村の中央から東に向けて放った。

 魔法は予め地中に埋めてあった魔石と反応して、村から東を砂漠に変えた。

 どこまで砂漠になっているのかはわからない。ただ、地平線まで砂漠になっていた。


 そして、目論見通りエルフ西部軍は孤立。退却も出来ず、補給も受けられない状態だ。

 ここまでで、何か質問は?」


 俺は一旦、話を区切って質問を促す。


 「さっき、ユージがオジジ様を殺したって言ってたけど?」


 ヌマダに指摘される。


 「オジジ様は死ぬ寸前まで生命力を魔力に変えて、止めだけユージに刺させたんだ。

 その方がユージが強くなるからって」


 平たく言うと、経験値を無駄にしないためだな。


 「なるほど、ありがとう」


 「その、地中の魔石ってもう取り出していいの?

 使えるなら、あったほうが良いと思う」


 ニイジマが提案する。


 「確かに、たぶんもう使い終わった後だから、取り出しても問題ないと思う。

 余裕があれば、掘りに行くか。ありがとう、ニイジマ」


 「いやいや...」


 ニイジマはみんなに注目されて照れているようだった。

 他には質問は無さそうかな?次行くか。


 「よし、じゃあ次の俺達の目標。今はエルフ西部軍が占拠しているあの町を占領する」


 「ホシノ、俺達、エルフ軍に勝てるのか?いくら孤立してて、補給が無いからって...」


 ヘンミは俺たちゴブリンがエルフ軍と戦って勝てるのかどうか不安みたいだ。


 「いや、たぶんエルフ軍と戦うことはない」


 というか、数千人もいるエルフ西部軍に100匹ぐらいのゴブリンで勝てるわけがない。


 「え?」


 ヘンミは間抜けな声を出す。


 「ヘンミ、この場所の地理、覚えてるか?」


 「そりゃ、そんくらい覚えてる。北に山脈があって、南は海。だから、東西に細長い地形になってるんだろ?

 そんで、東にエルフの国があって、そっから侵攻してきたエルフ軍の後方が砂漠になって通行不可能。だからエルフ軍は補給も撤退もできない」


 「よくわかってる。じゃあ、エルフ軍はこれからどうする?」


 「えーっと、船で海を渡って帰るとか?」


 「あの町にそんなに大きな船は無かった」


 「じゃあ...。っ!もう前進するしかない」


 「そう、エルフ軍は補給が無くなったらそのまま飢え死ぬか、前進して帝国の町から補給を奪うしかないんだ。

 前方には前進するしかないエルフ軍、後ろは砂漠。俺達は楽々あの町を奪えて、特に防衛の事も考えなくていいという訳」


 そう、実はもう戦略は、俺が考えるまでもなく決まっている。

 俺達はエルフの後に続いて西へと向かうだけ。それで町が楽々手に入る。

 砂漠は敵の補給と退路を断って、俺達を守ってくれる。

 さすが、20年間の努力は伊達じゃない。

 俺はオジジ様に改めて感謝する。


 「そうか、そのためにオジジ様は、命を懸けてまで砂漠化魔法を...!」


 「だから、恐らく次に俺達がまともに戦闘するのは帝国軍とエルフ軍が激突した時だ。

 今は先の戦で帝国軍は傷を負ったため、西へと逃げるだろう。

 エルフ軍も物資を求めて町から町へ、西へ移動する。

 しかし、どこかの拍子に必ず帝国軍は逃げないでエルフ軍と戦う必要がある。

 それは、大きな港がある町の前か、それとも奇襲又は防衛に適した場所か。

 その戦闘で弱ったところに俺達が襲い掛かる、という作戦だ。何か質問は?」


 「エルフと人間、どっちが勝つんだ?」


 リキイシが質問する。


 「恐らく人間。一つは人間が戦う場所を選べること。

 二つ目の理由は、人間は焦土作戦を取るだろうから、エルフ軍はあまり物資を得られないと思われるからだ」


 「なるほど。確かに」


 「町を占領するって、住民はどうするんだ?」


 ハシモトが発言する。


 「とりあえず反抗的な奴は殺して、何とか文字を使って意思疎通が出来ないか試す予定だ」


 「ふーむ。恐らく、町の住民は度重なる徴発により、疲弊して気が立っているだろう。

 それに、俺らはもう二回もあの町で破壊活動を行っている。そう簡単に事が運ぶとは思えないぞ」


 うーん、確かにそうかもしれない。


 「普通に支配するのは無理かな?」


 「ホシノは、ゴブリンの孕み袋にされるってわかっててわざわざ支配されるか?しかも助けも当分来ないと来た。俺なら自殺するね」


 そうする人も出てくるかもしれない。

 でも、住民全員がその選択を取るのか?

 ...取るかもなぁ。死にたくない奴も、無理心中に巻き込まれそうだ。


 「でも、ここで時間をかけるわけにはいかない。

 ゆっくり相手がわかってくれるまで対話を試みてる時間は無いぞ」


 「だから俺は、そもそも対話を試みる必要もないと思う。そもそも俺達はあまりに数が少ない。戦えるゴブリンの数は100匹ぐらいしかいなくて、残りのゴブリンもたったの25匹。この数で町を支配するのは無理だ。

 そうすると、取れる選択肢は俺らも適当に物資を奪って町を占領せずに前進、もしくは住民の皆殺ししかない」


 「どっちもやだなぁ...」


 住民を支配せずに放置なんかしたら、後ろを警戒しなくちゃいけない。

 作戦の遂行に危険が付きまとうことになるな...。

 でも、皆殺しは町の生産が一気に落ちるし、外交に不利に働きそうだし、禍根も残す。ゴブリンが他種族と交流する機会を自らの手で潰すようなものだ。


 「でも、それしかなくないか?他に町の占領について提案がある奴はいるか?」


 ハシモトが、みんなの顔を見渡す。

 しかし、誰からも提案はなかった。


 「...多数決を取ろう。それを参考にして、最終的な決定は俺が下す。異論は?」


 俺は、異論が無いことを確認する。

 そして、決を採り始めた。


 「町を放置して前進するほうが良いと思う者、挙手」


 挙手したのは、ユージ、ロクダ、ニイジマ、ヘンミ、トガワの5匹だった。

 てことは...


 「住民を皆殺しにするほうが良いと思う者、挙手」


 俺、イシカワ、ハシモト、チバ、リキイシ、ヌマダの6匹が挙手する。


 「...住民は、皆殺しにする方向で行こう」


 「ホシノ...」


 ユージが、意外そうな顔で俺の方を見る。

 俺も、前までの俺なら絶対に皆殺しなんて反対してたんだろうなと思う。

 でも、今のお頭の俺はみんなを俺の勝手で危険にさらすわけにはいかないんだ。


 「...この地は、元々ゴブリンが多数生息していた場所だ。侵略者に躊躇はいらない。殺そう」


 人間共を経験値に変えてやろう。


 「わかった。それなら、そうしよう」


 ハシモトは納得したようで、聞く姿勢に移っていた。


 「ただ、管理できるだけの人間のメス。それと、出来るだけ小さい子供は殺さずにいれないか?

 将来的に、帝国を支配しようと思った時、ゴブリンに育てられた子供の存在は大事な役割を担ってくれると思うんだ」


 「わかった。それでいい」

 

 話の流れで、ハシモトが了承する。


 「...他に質問は?」


 特に、誰からも意見はなかった。


 「よし、じゃあ次の行動はエルフ軍があの町から出撃したら始めよう。

 あの町に奇襲を仕掛ける。できるだけ女、子供は殺すな。男は殺せ。

 そのまま占領。町の占領が落ち着いたら、エルフ軍を追いかけて戦闘部隊は出撃。非戦闘員は町に残る。

 第八小隊は、町の占領には参加せずにエルフ軍を監視し続けてくれ。エルフ軍の状況を適宜報告。

 以上が今後の流れだ。改めて、何か質問は?...よし、それじゃあ解散!」

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