敵は誰で、味方は誰なのか
「レン君おはよ!」
登校するとマイが元気に挨拶をしてくれた
「おはよ...」
「元気ないね...なにかあったの?」
「マイは僕の敵なの?味方なの?」
「私は何があってもレン君の味方だよ!」
「そっかならよかった」
正直今は誰も信じられない、皆がみんな犯人に見えるし。言ってることが全て嘘に聞こえる。
その言葉が本当にそう思ってるかも分からないし、本当は嘘かもしれない。
サラ...君ならこんな時どうするの?教えてよ...まだ教えてほしい事沢山あるのに...
なんで、僕を置いていくの...
「来たなチビ助!ビビって逃げたんじゃないかと思ってたぜ」
そう言ってきたのは昨日に喧嘩を売ってきた特進クラスの奴だった。
しかし、今のレンには敵か味方か。そうとしか見えてなかった
「黙れ...」
「あ?聞こえねーよ」
「貴様は僕の敵か?味方か?」
「はぁ?誰がてめぇみたいな奴の味方になるかよ!」
「敵なら...僕の邪魔だ」
「おいおい何だあれ?」
「朝から決闘か?」
「しかも見ろよ相手がガイアだぜ...」
「うわぁ...相手が悪いなあれは...」
こいつはガイアって言うのか...まぁこいつが誰かなんてどうでもいい...
僕の計画に干渉するなら、処分するだけ...
「くらえ!ファイアーボール」
ガイアが魔法陣を展開し魔法を放つ
ボッ...
「き...消えた?」
「その程度なのか?」
「そうか...これは使いたくなかったが一思いに一瞬で殺してやるよ」
「古代魔法・暗黒吸引!」
「古代魔法だって!?」
「古代魔法って最高位魔法レベルの強力な魔法でしょ!?」
「ここに居たら俺たちまで飲み込まれるぞ!」
「さぁどうする?今謝れば死なずに済むがどうする?」
「関係ない...早くしろ」
「なら!死ねぇぇ!!!」
次々と術式が展開されていき完成した術式を一つにまとめてレンに向かって放つ
普通の人間なら塵すら残らずにその魔法の深淵に引きずり込まれていくという魔法だが
魔法攻撃無効スキルがあるレンには水の中に水を入れる位、無意味なことだ。
シュゥウウウウ...
「それで終わりか?」
「え...あ...」
「なら次は僕の番だ」
レンはそう言うと術式を次々展開していき完成した魔法が完成する。
「古代魔法・世界の浄化」
レンは人が変わったようにその魔法を展開した。
この魔法はさっきガイアが放った暗黒吸引の上位互換、暗黒吸引はエネルギーが無くなれば自然消滅するがレンが放った魔法は全てを消すまで消滅しない魔法だった。
「お、おいそれでどうするつもりだ?俺を殺すつもりか?」
「この世界を消すつもりだ」
「お、おいやめろ!!」
サラが生きていない世界など存在する価値はない...全て消えてしまえばいい...そうすれば0からやり直せる...
「お前達!そこで何をしている!」
学院の先生が決闘の騒ぎをかぎつけて注意しに来た。
注意しに来た先生にレンこう一言。
「貴様は僕の敵か?味方か?」
「レン君やめて!」
「あ?」
「こんなことして何になるの?」
「何があったのか分からないけど。悩み事があるなら何でも話してよ!」
「邪魔をするのか?」
「違う!でも、こんなことをしてもレン君の大切な人は喜ばないよ!」
「サラはこんなことしても喜ばない...僕は...何を...」
レンはマイの説得のおかげで心を落ち着かせ、昨日あったことをマイに話した...
「そんなことがあったの...辛かったでしょう...」
「でも、もう大丈夫だ。ありがとうマイ」
「でも、僕にはサラが必要なんだ」
「そっか...ごめん、私用事思い出したから帰るね」
そのとき、マイは泣いてるように見えたけど。僕には何故泣いているのかが分からなかった。
ただ、世界を壊してもサラが喜ばないとしても、もう一度サラに会いたい...もう一度サラの笑った顔が見たい...サラとの最後の会話...何だったか...覚えてないや...
「おい、ガイアとか言ったか?」
「ひぃぃぃ!!!」
ガイアは先ほどの一件があったためか、レンに対して恐怖心を抱いていた。
それは生まれたての小鹿のように足を震わせ腰が抜けていた。
「質問がある」
「は、はい」
「死者を復活させる魔法知ってるか?」
「すみません。知らないです」
「そうか」
やっぱ、死んだ人を蘇らせる魔法ってのは存在しないのかな...
スキルがだめなら魔法なら...
「スキル発動」
「魔法作成」
魔法の詳細をお伝えください
「死者を蘇生できる魔法を作成」
報告 完了しました
「やった!これで!」
魔法の詳細を表示します
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《魔法名》
死者蘇生
《効果》
死者を蘇らせることが
できる。
《条件》
完全に死亡してから
10秒でスキルを
発動すれば障害なしで
蘇生することができる
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10秒...???
そう簡単にはいかないか...
レン様...ありがとう...
「ただいま...」
「レンよ」
「父さん..なぜここに?」
「あのサラが殺されたと聞いてな...」
こんな時私は、どんな顔をすればいいのだろうか...今まで辞めていく使用人は山ほど見てきたが殺されたものは初めてだからな...
「レンよ、辛いと思うが現実を受け止めろ」
「父さん...」
「無理だけはするなよ、私は息子まで失いたくはない」