師弟関係
そういえばどうやってハデスに連絡取ろう...
「呼びました?」
「わぁぁぁ!?!?!?」
「驚かせてしまって申し訳ないです」
突然目の前に現れたハデスにクラスのみんなは唖然としていた。
それもそのはず、朝学院に来て去って行った者が突然として目の前に現れたんだ、そりゃそうなるだろ。
「し、師匠この人は?」
「申し遅れました。ハデスと申します。皆さんが言う四天王と呼ばれる一人です」
「四天王!?」
「本当に存在したんだ...」
そう、四天王はよっぽどの大事件がない限り表には出てこない存在なのである。
存在自体は国中に知れ渡っているがその正体は9割以上の人間は認知していないのだ。
騎士団長でも正体を明かさない程、格上の存在なのである。
「その四天王が何故ここに?そもそも一般国民の前に現れる時点で信用できないのですが。」
そう口にしたのは、いつも冷静で何を考えているのか分からないやつのレイだった。
クラスの中ではガイアに引けを取らない実力の持ち主である。
「我々は国民に正体を明かしてはいけないという決まりはありません。」
「そうですか。なら、本当に四天王ならその実力を手合わせで見せてほしいですね」
「僕からも頼むよ。できればこいつらに魔法や剣技を教えてやってほしいのだが」
レンがそう言うとハデスは少し考えると軽く了承してくれた。
「それではさっそく...と言いたいところですがしばしお待ちください。おそらく皆さんが学校が終わるころに戻ってきますので」
~放課後~
「お待たせいたしました。」
「お、来たな」
「この場ではあれなので移動しましょう」
そう言うとハデスは術式を展開しハデスに摑まると、瞬く間に空へと飛び立った。
着地するとそこは見たことのある景色だった。
「ここは?」
「ここなら、ちょうどよいでしょう」
「やりたい人からどうぞ。本気で掛かってきても構いません」
「なら俺から行こう!」
最初に出てきたのはガイアだった。ガイアはこのクラスの中では強さはトップクラスで勉学も学年1位常連の奴なのだが、考えることが単純なのである。
「本気でどうぞ?」
「怪我しても知らねーぞ!」
「くらえ!死ノ道」
ハデスに向かってガイアは魔法を放ったがハデスはそれを軽々と手で弾いた。
「煽るようで申し訳ないのですが、それで全力ですか?」
「なっ!?全力で撃ったはずなのに!?」
「良いですか?魔法で大切なのはランクではないのです」
「それはどういう事だ」
魔法には下からEDCBASの6段階のランクがある。
各魔法にその段階が区別されているが、古代魔法はSランクに分類されている。
ハデスが魔法はランクではないと言ったがその通りだ。
武器などはランク依存だが魔法に関してはまた違う
「魔法はランクによって火力が変わるように思われているがそれは半分当たっているが半分間違っているのです。強くなりたいのなら〈ランクによって火力は変わる〉その固定概念を無くしましょう。どんなにランクが高くても込めている魔力が少なければその程度の火力しか出ません」
「例えば火球」
シュ~~ン...ポコ
「そりゃ火球じゃそのくらいだろう」
「私は、その火球は弱い魔法という固定概念が間違っていると思うのです」
そう言うとハデスは火球の魔法陣を展開し100以上の層を重ねた。
重なった魔法陣はまるで小さな石ほどの大きさであった。通常、魔法陣を重ねるとどうしても大きくなってしまうが、ハデスはそれを小さくまとめた
「良いですか。魔法はランクが高ければ威力が高くなるわけではないのです。それに、魔法陣を大きくすることで強くなるわけでもないですし、増やせば良いだけでもないのです。大切なのは魔力の込め方なのです。しかし、ただ魔力量を増やしただけでは暴発して自爆するだけです」
「じゃあどうすれば?」
「魔法陣を書くときの式の量を増やして式密度を大きくすれば込められる魔力量が比例して増える。そうでしょ?」
突然そういったのは、マイだった。僕も最近知ったがマイは高度な魔法は使えないが基本的な魔法はマスターしていて高火力を出せるという案外化け物だ。普通はその人に向いている属性しか高い火力は出せないが、それを関係なしに高火力を出せるマイは珍しい。その事を知っていて学院長は特進クラスに入ることを許可したのか...
「よくわかりましたね」
「私が育った所では基本でした!」
「ほぅ...基本ですか、おそらく育ちはマクロスでしょうか?」
「すごい!何故わかったのですか?」
「あの町は昔から魔法技術はトップクラスですからね。いまでも王都でもその技術を取り入れているくらいです」
マイが育ったというマクロスという町は昔から有名らしい。なんせ古代魔法と呼ばれている魔法を作った賢者の一人はその町の出身だそうだ。
「お前マクロス出身なのか!?」
「そ、そうだけど...」
「なら編入初日に馬鹿にしてすまなかったな。あの町には俺の命の恩人が居るんだ」
「話しているところ悪いのですが続けて良いですか?」
「あぁ申し訳ない。続けてくれ」
ハデスは展開した魔法陣から放つとそれは一般人が放つ火球の火力ではないほどの破壊力だった、一般人がみるとSランク魔法を放ったように見える程の火力が出ていた。周囲の草木は全て灰と化し地面はえぐれていた。
「す、すげぇ」
「私でも、この火力は出せません!しかも単純に式を増やしただけでは到底不可能です」
「工夫をすればこの程度の火力は出せるようになります。しかし今の君たちの魔力量では式を増やした状態で重ねて層を作ると20層が限界というところでしょう」
「一層の魔法陣で先ほど以上の高火力を出そうとは考えないほうが良いですね。一層の魔法陣で高火力を出すのはこの私でも不可能に近いのですが、レン殿には可能なのでは?」
「僕?」
ハデスは僕なら出来ると言ったが魔法に関しての知識は正直ほとんどない、今までは適当に魔法選択で出してただけだから、魔法の名前を見てもどんな効果なのかもなんとなくしか分からないしなぁ...
スキル《無限図書館》を作成します。
報告 完了しました
『まじで突然発動するんだな』
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スキル 《無限図書館》
効果
元始から現在までのすべての事象、想念、感情を
記録を全て記してある情報を空想上で見ることが出来る。
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『これまたチートスキルだな...』
「レン殿?どうかなさいましたか?」
「準備するから少し待っててくれ」
「わかりました」
『無限図書館』
お探しの物は何でしょう。
『高火力の魔法を出す方法を知りたいんだ』
検索中...該当する項目が10万2835件見つかりました
『多いな...もう少し絞るか』
『火球を一層の魔法陣での火力の上げ方』
検索中...該当する項目が1275件見つかりました
『代表的な物を開示してくれ』
そうすると開示されたのは、込める魔力量を増やす、魔法陣に書く式の量を増やす、スキル《影響》を使用し、式に影響を与え火球の火力を上げる、スキル《無限膨張》を使用し無限に膨張させ火力を上げる方法。
これまたやばそうなスキルがあるな...とりあえず、最初の3つを混ぜて試してみるか。




