次なる依頼は?
お久しぶりです。
中々投稿できず申し訳ありませんでした。
リアルが忙しかったのもあるのですが、スランプに陥ったのか続きが書けなくて・・・
教会から戻り宿で一眠りした次の日、俺はギルドにて依頼を受けようとボードを眺めていた。
「さてさて、何か美味い依頼はないかなぁ〜。」
望んではいなかったがランクは上がった。なら、今まで受けたことのない依頼を受けるのも一興と考えたのだ。
「おや、カズマじゃないか。君も依頼を受けに来たのか?」
声のする方に振り向くとそこには薔薇の茨の面々が揃っていた。
「ああ。望んでなかったにしろランクが上がったからな。なら何か依頼を受けてみようかと思ったんだ。」
「望んで無かったってあんたねぇ~。ランクを一つ上げるのがどんなに大変なのか分かって言ってるの!?」
「そうですよ。私だってCランクに上がるまで大変だったんですよ。何回も何回も依頼をこなしてギルドに認められてようやくCランクに上がったんです。それなのに、望んで無かっただなんて・・・」
「わ、悪かった。俺が悪かったから泣きそうな顔をしないでくれ。」
「本当に悪かったと思ってますか?」
「思ってる、思ってる。」
「なら、お願い事聞いてくれますか?それなら許してあげます。」
「聞く、聞く。俺に出来る範囲のことならなんでも聞く。」
「なんでも、ですか?」
「ああ。」
「みなさん聞きましたか?」
「ああ。しっかりと聞いたぞ。」
「あたしも聞いたわよ。」
「えっ?はっ?」
「うふふ。それじゃあお願い事聞いてくださいね。」
「も、もしかして俺を嵌めたのか?」
「いえいえ、ショックを受けたのは事実ですよ。」
やられた。女の泣き顔には向こうの世界でも痛い目にあっていたのにこっちでも同じことをされるとは。
やはり女の泣き顔は男にとって最大の脅威だ。
「それでお願い事ですが、また一緒に依頼を受けて欲しいんです。私達でも問題ないと思うんですが、念には念を入れておきたくて。それに・・・」
「それに?」
「まだ訓練も完全には終わってませんから(コソッ)」
「あ、あ~ぁ。」
確かに訓練は終わってなかったな。ギルマスにも経過を報告しないといけないしな。
「はぁ~。分かったよ。それで?どんな依頼なんだ?」
「スーレの街の南で虫系の魔獣が増殖してるらしいのだ。それを偵察するのだが、ある程度は種類はわかっているのだ。しかし、どれくらいの数がいるのか不明なのだ。」
「偵察くらいで終わればいいんだけど、もしスタンピードの兆候があるなら急いでスーレの街やほかの街にも知らせないといけないから、あんたのあの馬車が使えたら便利なのよ。」
「なるほどな。それで、報酬の割合はどうするんだ?4分割か?それとも別パーティーとして2分割するのか?」
「カズマさえよければ臨時パーティーを組んで4分割したいんだが・・・。」
「了解。なら、俺は車を出すから食料品なんかはそっちに任せてもいいか?」
「構わないわよ。どれくらい用意したらいいのかしら?」
「日数はどのくらいかかるんだ?それにより量が変わるぞ?」
「普通の馬車で片道7日程度ね。途中にそこそこの街はあるから全部が全部用意しなくてもいいとは思うけど。」
「なら、念のために片道2日分。後は途中の街で補充をするってことでどうだ?ところで途中の街はスーレの街からどの位離れてるんだ?」
「確かスーレの街から馬車で2日位だったと記憶している。」
「それなら帰りの補充も問題ないな。」
「そうね。なら、ここでは2日分を4人分用意しておきましょ。」
「あと出発はいつにしましょうか?早めに行けば行くほど手遅れになりにくいと思うんですが・・・」
「確かにそうだな。カズマの都合はどうだ?」
「俺はいつでもいけるぞ。」
「なら、今日明日を使って必要な物の買い出しをして明後日出発というのはどうだ?」
「あたしは賛成よ。エレナはどう?」
「私もそれで良いと思います。」
「なら、チャッチャと準備をしに行きましょ。じゃあカズマまたね。」
「お、おいアイナ。そんなに急がなくてもだな・・・」
「そ、それじゃあカズマさんまた。」
アイナに手を引かれてギルドから出て行くアンナの声が遠ざかる。
「アイナのやつあんなに急いでどうしたんだ?」
俺がアイナの挙動を疑問に思っているとゾワリと寒気が走った。
「つっ」
俺がその寒気の正体を探ろうと周りを見渡すよりも先にそれは背後から俺の肩に手をかけてきた。
「カズマさん、少〜し私とお話ししませんか?」
そこには目が笑っていない笑顔のギルマスの姿があった。
俺は何故アイナがあんなにも急いでこの場を離れたのかをこの瞬間理解したのだった。