神聖魔法の取り扱い方?
「習得方法は別途ですか・・・。」
「はい。私も読みましたが中々に難しかったです。ですが、教えることが無理と言うわけではありません。時間はかかるでしょうが、市民の皆が習得することも可能でしょう。それに癒神様が今回は特別ということで教会関係者で光魔法の適性がある者には神聖魔法を習得させてくださっています。」
「なっ!?」
「それは本当なのですか!?」
「はい。私も自分のステータスを確認しましたところ、習得しておりました。皆さまも光魔法の適性がおありの方は一度自分のステータスを確認されたらよろしいかと思います。」
聖女の一言で光魔法の適性を持つ者たちは我先にとステータスの確認を始めた。
「おおっ!私にもあったぞ!」
「私もだ!」
「おお!神よ!」
適性を持つ者たちが歓喜する中とある枢機卿が声を上げた。
「なっ!?」
「いかがいたしましたか?」
「どうかされたのですか?」
「そ、それが、私にもあるのです。」
「それは光魔法が使えるからでは?」
「皆様お忘れですか?私は水魔法しか使えないのですよ?なのに神聖魔法が与えられているのです。」
「おお、そういえばそうでしたな。はて、使えないのに与えられている?一体どう言うことなのでしょう?」
「おそらくですが、光魔法の適性がおありだからでしょう。」
「私に適性があると?」
「はい。適性のある者に与えると癒神様はおっしゃっておいででした。となれば、卿にも適性があると考えるのが妥当ではないですか?」
「そういえば、昔に光魔法の適性もあると言われたような・・・?そうだ!思い出した!適性が有ると言われたのに一向に覚えれなかったのだ!だから私は身につくのが早かった水魔法を懸命に練習したのだ!」
「まあまあ。そんなに熱くならずに少し落ち着きましょう。ある意味良かったのではないですか?身には付けられなかったが、適性があったおかげで神聖魔法が与えられたのですから。」
「それは確かにそうなのですが・・・」
「まあ、卿のことは後で話すとして、これをどのように市民に教えていくかを話し合いませんか?」
「その前に我ら教会の者が適切に使えるようになることの方が大事だと思うのですが?」
「確かに。市民に教えるにしても、教える側である我々が適切に使えなければ話になりませんからな。」
「ならば、ここは市民に教え始めるのはひと月後からとし、その間で我々教会で適正を持った者のみで訓練をするというのは如何でしょう?」
「流石にひと月では厳しくないですか?それに教会に所属し、この度神聖魔法の適性を授かった者を集めるのにも時間が掛かりますぞ?」
「確かに・・・。」
「皆、落ち着け。癒神様は時間の指定はしておらぬ。とりあえずは我らが適切に扱えるようになることを優先し、集めた者達の半数以上が扱えるようになってから、市民に教えるのはどうだ?」
教皇のこの一言により、教会の方針は決定したのだった。