新神誕生!
「魔神様ぁ~。」
「ん?おお、お主らか。神託の内容は決まったかの?」
「い、いえ。それが魔神様のご意見も聞くべきことがありまして、それを聞いてからとなりました。」
「ふむ。それで儂は何を答えたらよいのかの?」
「は、はい。まずは癒神様が男性型となるのか女性型となるのか。それにともない容姿はどうするのか。あと年齢は若いのか年老いているのか。の3点は決めなくてはならないのでお答えいただければと。」
「男性型か女性型か・・・。癒神は分体とはいえ儂であるには違いないが別に性別も一緒にする必要もないかのぉ~。よし、女性型とし、年齢はお主らと同じくらい、容姿は・・・そうじゃ!カズマのイメージを使わせてもらうとしようかの。」
「はぁ~?俺のイメージって何だよ?」
「いやなに。おぬしが癒しを与えてくれる女性とははどんな感じなのか思い浮かべた姿を使わせてもらおうかと思ってな。」
「へっ?俺が思い浮かべた?いつ俺がそんなの思い浮かべたよ?」
「癒神として分体を残すと決めたときにイメージが流れ込んできたぞ?」
「マジで!?ってか俺が意識してないのになんで魔神にイメージが流れるんだよ!俺の考えはここに来たら全部お前らに流れるのか?てか前から流れてたのか?」
「いや今回が初めてじゃの。以前は多くても三神の力しかその場に無かったが、今回はここには姿を現してはおらぬが他の神の力も集まっておる。それが影響したのかも知れぬな。心配せずともイメージが流れ込んできてからは儂の方から受け入れを拒否しておるから流れ込んできてはおらぬぞ。」
「魔神は大丈夫でも農神たちにはながれるんじゃ?」
「儂に流れてきたのはお主の体に儂の力も一部ではあるが関係しておるからだと思うぞ。じゃから創神や農神、遊神には流れておらぬはずじゃ。どうじゃ創神?あの時イメージは流れたかの?」
「いえ。これといって何も感じませんでした。」
「の?」
「の?じゃねえよ。ったく。それで?俺から流れたイメージってのは、どんなんだ?」
「髪はロング、体型は普通。ほんわかとして優しそうな顔じゃな。よし、これにするぞ。創神、農神、遊神。お主らにイメージを伝えるから後は頼むぞい?」
「は、はい。確かにイメージを受け取りました。では聖女にはこれで神託を下ろすこととします。このイメージは神託で聖女に下ろしても?」
「神託でイメージまで下ろせたかの?」
「いえ、イメージで下ろすのではなく絵を見せようかと。」
「ということは夢での神託にするということじゃな。」
「はい。それであれば聖女に魔神様が作られた原案も持たせることができますので。」
「うむ。その辺りはお主たちにまかせる。儂は分体の作成に入るから後のことはよろしく頼むぞ?」
「はい!お任せください。」
「ではカズマよ。しばし儂は集中する必要があるでな、相手を出来んがかまわんかの?」
「そりゃ俺は構わねえけど、どれくらい時間がかかるもんなんだ?出来たら早く向こうに戻してもらいたいんだが?」
「時間にするとほんの数分ってとこじゃよ。ただ、話しかけられても何も答えられんし、動くことも出来んからあらかじめ断っただけじゃ。」
「そういうことか。ならさっさとして俺を向こうに返してくれよ。神界はなんだか落ちつかねえんだ。」
「ふぉふぉふぉふぉ。わかった、わかった。では始めるぞ。」
魔神がそう発したかと思うと、魔神の体は光の玉に包まれた。
「なあ、神託の内容はもう決まってるのか?」
「おおよそは。神託と言っても癒神様の性別や容姿などを伝えてどのようなことを司るのかを伝えるだけなのです。今回は夢を使いますので姿かたちは絵で渡せますし、魔神様の原案なども渡せるので楽なほうですよ。」
「言葉だけでの神託は詳しく伝えないといけないから結構しんどいんだよね。少しの間違えが大きく違ってくる場合も有るから気を使うんだよ。」
「ふ~ん。結構面倒なんだな。そういや習得方法の原案は俺は見てないけど構わないのか?」
「魔神様が構わないと判断されたのだと思いますよ。おそらくそんな無茶な方法ではないでしょうし、カズマ様のように異世界の知識が必要などではなく、こちらの世界用に上手く落とし込んでくださっているのでしょう。」
「まぁ魔神なら問題ないだろうしな。」
「はい。」
「あっ、そろそろ癒神様が誕生されるようですよ。」
農神がそういうと魔神を包んでいた光が薄れていき、その中から魔神と一人の女性が出てきた。
「ふぅぃ~ぃぃ。久しぶりにやったが、コツを忘れ取るのぉ~。思ったより時間がかかってしもうたわい。」
「上手くいったのか?」
「うむ!隣におるこやつこそ、新たな神である癒神じゃ!分体ではあるが、儂とは別だと思うてもろて構わん。よろしく頼むぞ。」
こうして世界に新しく神が誕生した。