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やっぱりヤバかったみたいです

思い立ったら吉日とばかりに俺は教会へと足を運んだ。


今までと同じようにシスターに聖堂へと案内してもらい、三女神の像の前で祈りを捧げる。


「お待ちしておりました。カズマ様。」


やはりと言うべきか、当然のように俺が来ることを見越していたかのように創神が声をかけてきた。


「ちょっと確認したいことがあったから、来させてもらったんだが構わなかったか?」


「暗黒魔法のこと、ですね?」


「ああ。」


「カズマ様。あの魔法は使わないようにお願いいたします。」


「だろうな。それほどまでにヤバいのか?」


「はい。あの魔法は神聖魔法でしか解呪できませんが、そもそも神聖魔法自体がカズマ様しか使えないのです。」


「ん?神聖魔法は光魔法の派生魔法だろ?光の適性があれば誰でも覚えられるんじゃないのか?」


「いえ、今の地上に神聖魔法を派生させられる種族は存在しません。」


「は?」


「ですので、カズマ様が暗黒魔法をお使いになられれば、カズマ様しか解呪できないのです。」


「ちょ、ちょっと待て。俺しか使えないって・・・。」


「カズマ様は前の世界の知識を持って神聖魔法を派生させました。しかし、この世界にはその知識が無いのです。もっと言えば身体の構造や夢を何故見るのかなど、身体や精神に関する知識がないのです。」


「確かに俺は前の世界で身体構造や精神に関する多少の知識を手には入れていたが、そこまで詳しくは無いぞ?」


「この世界においては誰も知らないのです。確かに心臓がどこにあるのか、などは知っておりますがカズマ様の居られた前の世界のように、各器官がどのような働きをしているかなどは誰も知りません。」


「な、なんたるちぁ~。」


「ですので、カズマ様には今回派生した魔法、特に暗黒魔法はお使いになっていただきたくないのです。」


「まあ、俺としても暗黒魔法はそうそう使うつもりはないからいいんだが、神聖魔法もか?」


「はい。先ほど申しました通り、今の世界には使えるものがおりません。そのような状態で神聖魔法をカズマ様が使えると知れば、心悪しきものがカズマ様を利用したり、危害を及ぼす恐れがあります。」


「まあそうなるわな。」


「そうなってしまえば、カズマ様はこの世界を楽しむことが出来なくなってしまうことを私たちは危惧しているのです。」


「そこまで過保護に考えなくてもいいぞ?売られた喧嘩は相手が誰であれ買う。俺のMPと魔力量に敵う奴なんかいないんだろ?」


「それは今のところ間違いありません。ですが、もしものことがあったらと考えてしまうのです。」


「今のところ、か。」


「はい。私たちでも未来に関しては予見できませんので・・・。」


「まあ、そうなったらそうなったで楽しむから気に病む必要は無いぞ?」


「ですが・・・。」


「ふぉふぉふぉ。相変わらずのようじゃのうカズマよ。」


「ん?魔神じゃねえか。久しぶりだな。元気してたか?」


「魔神様!?」


「ふぉふぉふぉ。創神よ、ちと邪魔するぞい?」


「は、はい。」


「ふむ。カズマよ、お主いろいろ厄介な魔法を派生させたもんじゃのう。」


「んなこと創神から聞いてわかってるよ。んで?なんで魔神がここに居るんだ?」


「ふぉふぉふぉ。まあ、そう焦るでない。お主にちと派生魔法について説明しようと思ってな。」


「説明?」


「うむ。お主派生魔法はいくつ存在すると思う?」


「いくつってそんなの基本属性の数だろ?」


「まあ、普通はそう思うじゃろうな。」


「普通はって違うのかよ。」


「うむ。派生魔法が存在するのは4属性のみ。火・水・風・土のみじゃ。」


「光と闇は存在しないってのか?じゃあなんで俺は光と闇を派生出来たんだ?」


「それはお主が前の世界の知識を持っておったからじゃよ。創神も言っておったじゃろ?身体や精神に関する知識がない、と。」


「知識が無いから派生魔法は生まれないってことか・・・。」


「うむ。4属性に関しては現象や物が目に入ることがあるので派生魔法が生まれるが、身体回復や精神汚染などは目に入ることは無いからのぉ~。」


「なら、ポーションはどうなるんだよ?あれも上のランクになれば身体回復するんだろ?」


「確かに最上のランクになればするものもあるが、王族とて頻繁に使うものではないからのぉ~。おそらく国庫に一つあれば多いくらいではないかの?その辺りはどうなんじゃ?創神よ。」


「は、はい。確かに身体欠損を回復できるようなポーションを所有している国は大国でも1~2国のみになり、数も1個のみです。それも使用されたことはここ数百年ありません。」


「というわけじゃ。大国の国庫に1本しかないようなポーションをむやみやたらに使うと思うか?となれば、身体回復の現象を見たものはこっちの世界にはいない。じゃから派生魔法も生まれないということになるのじゃ。精神汚染は言わずもがなじゃな。あれは目に映らんからのう。ただ単にそやつの気分次第でそうなっておると思われるじゃろうな。」


「うっわぁ~。ということは俺ってばとんでもない魔法を派生させちまったってことか・・・。」


「じゃから創神がそう言うたであろうが。」


「でも派生させたからには使えるものは使うぞ?特に神聖魔法は有用だからな。」


「分かっておるわい。お主ならそう言うと思っておったしの。じゃから、儂がここに来たのじゃ。」


「派生魔法の説明以外でか?」


「そうじゃ。創神よ、この世界に新たに神が誕生したと聖女に神託を下すのじゃ。儂がこの世界に誕生した新たな1柱となる。」


「は、はい。はい?は~い~!?!?」



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