クレイジーカウ
翌日、俺たちは早速ギルド内に設置されている図書館へと足を運びクレイジーカウのことについて調査を始めた。
調べて分かったことは
1.クレイジーカウは基本単体での行動 ただし、繁殖期になると番になり子も含めると3~4匹での行動になる
2.攻撃方法は突進がメインだが、自身が危なくなると火魔法を使ってくることもある
3.出没地域は平原 街から南へ馬車で4~5日程度かかる
4.性格は獰猛 敵と看做すとどこまでも追って来る
5.肉は極上で高価買取をされている
6.夜目は効かず、行動が鈍くなるので討伐するなら昼より夜がよい
7.食欲は旺盛 雑食で何でも食べる
といったところだ。
「へぇ~。結構分かるもんなんだな。」
「当たり前じゃない。今までの冒険者の経験が纏められてるのよ?これだけ纏めるためにどれだけの冒険者が血を流したと思ってるのよ。」
「そうだぞ。当たり前のように私たちは見ているが、これだけ調べるのに大変な労力があったことを忘れてはならない。」
「私たちも先人の皆さんに負けないように頑張らないといけませんね。」
「さて、それではこれらのことを踏まえて作戦を練るとするか。今回は別行動でも構わないとのことだが、カズマはどうする?」
「それなんだが、今回も一緒でいいか?」
「ふむ。その理由を聞いてもいいか?」
「ああ。まず、二手に分かれると言うことは10匹が最低ラインになるってことだろ?」
「そうなるわね。」
「それなら、1パーティーで10匹倒したほうが危険度が減ると思わないか?」
「それは確かね。3人よりも4人での討伐の方が安全なのは確かなんだし。」
「次に3人の属性魔法の修練もしたいしな。蟻の時は出来なかったからな。」
「そういえば、それもあったな。ふむ。そういうことなら、私に異存はないぞ。」
「あたしもいいわよ。」
「私もです。」
「なら、決まりだな。移動は俺のを使えば1日以内に着くだろうし、明日リリーシアさんに言って受けるとしよう。」
こうして、俺たちは新たな依頼、クレイジーカウの討伐を受けることにしたのだった。
翌日、依頼を受ける旨をリリーシアさんに伝えた俺たちはキャンピングカーに乗り込み早速移動を開始した。
当然のごとく到着するまでの間は属性魔法の訓練に充てて、少しの時間も無駄にしないよう有効活用する。
少しスピードを落としていたからか、出没地域に到着したのはその日の夜のことであった。
「ふう、属性魔法の鍛錬も久々にやるとキツイわね。」
「そうですね。少し勘を忘れているのかもしれませんね。」
「アンナの訓練はこの後やるからな?」
「わかっている。エレナの様子を見ていたが、少し時間が開いただけで以前と比べて、少し苦労していたように思えたから、私も気合を入れないとな。」
「まあ、気を張りすぎるなよ?時間はあるんだから、自分のペースでやればいいさ。ジェスの街に戻るまでに身につけないといけないとかではないんだからな。」
「それはそうなのだがな。やはり身につけるのならば早くしたいと思っても仕方ないだろ?」
「それは否定しないがな。」
「それより、今日はこれからやり始めるの?」
「いいや、対象の場所も何も分かってないからな。今日のところは動かないほうが賢明だと思うんだが、どうだ?」
「私もその意見に賛成だな。初めての場所で下手に夜に動き回るのは得策ではないだろう。」
「私もそう思います。」
「なら、さっさとご飯にしましょうよ。お腹減っちゃって我慢できないわ。」
「アイナ・・・。」
「アイナさん・・・。」
「しょ、しょうがないでしょ。久々の訓練で疲れちゃったのよ。」
「ふっ、それなら仕方ないな。カズマ、何か手伝うことはあるか?」
「いや、もう出来てるものがアイテムボックスに入っているから、手伝いはいらないぞ。」
「なら、せめて食器くらいは私たちが並べるとしよう。ほら、アイナ。」
「ええ。それくらいはやらせてもらうわよ。」
「なら、ちゃっちゃとやっちゃいましょう。」
アイテムボックスに入れていた出来立ての料理を楽しみ、アンナの訓練を終えて俺たちは翌日のクレイジーカウ探索のために就寝した。
翌日の朝
「さて、ここからの移動だが、どうする?」
「どうする?とは?」
「このままキャンピングカーで移動するか、徒歩で移動するか。」
「このままでいいんじゃない?見つけ次第降りて討伐のほうが訓練もできるし、何より無駄に歩き回らなくていいのが魅力よ。」
「ルームを使っての訓練は無理だぞ?流石に2人で討伐は厳しいだろ?」
「別にルームを使わなくてもいいわよ。ここででも出来るんだし。」
「エレナは?」
「私もこのままがいいと思います。」
「その理由は?」
「訓練もそうなのですが、これなら四方を4人で見張ることが出来るからです。」
「確かに前はカズマ、右を私、左をエレナ、後方をアイナと分けることはできるな。」
「はい。それにこれに乗って居る限り4人の移動速度も同じですから。」
「ああ。誰かが遅れるとかがないってことか。」
「そうです。」
「なら、これに乗ったまま探すとしますか。」
こうして、俺たちはクレイジーカウの探索にあたることにした。
移動速度はおよそ30キロ、これ以上早くすると外が見にくくなり探索の意味がなくなってしまうからだ。
繁殖期に入ると聞いていたので結構見つけやすいと思っていたのだが、宛てが外れたのかこの日は一匹も見つけられずに一日を終えた。
翌日も同じように移動の繰り返しで探索にあたった。
すると、1時間もしないうちにやっと今回のターゲットであるクレイジーカウを発見した。
「カズマ止まって!」
「見つけたのか?」
「ええ。左方向で1匹だけどね。」
「1匹か・・・。はぐれかそれとも番を見つけている最中か。」
「どっちでもいいじゃない。さっさと討伐しちゃいましょうよ。」
「このまま近づくのは得策じゃないな。降りて近づこう。」
「「了解。」」
俺たちはキャンピングカーから降り、クレイジーカウに向けて近づいて行った。
クレイジーカウも俺たちに気が付いたのか、後ろ足をかき鳴らし突進の態勢に入った。
「来るぞ!」
「意外と索敵範囲は広いようだな。」
「出鼻をくじく。エレナ、水玉をクレイジーカウの顔にぶつけられるか?」
「エレナだけじゃキツイだろう。俺もやる。」
「頼む。」
「エレナ、やるぞ!」
「はい。」
「「水玉」」
突進の体制に入り、今にも突進をしてこようとしているクレイジーカウの頭に俺とエレナの水玉は見事に命中
勢いをそがれたクレイジーカウはかぶりを振るい、もう一度突進の態勢に入ろうとした。
その隙を見逃すまいとアンナとアイナが一気に近づき、アンナが横殴り、アイナが袈裟切りを放った。
「ブモォー!」
「ちぃ、浅かった。」
「こちらもだ。」
「アンナさん、アイナさん離れてください!」
「火弾」
「ブフォッ」
「ナイスアシスト、カズマ!うりゃぁ~!」
「はぁぁぁぁ~っ!」
ゴッ!ザシュッ!
「ブボォ~!」
「今度は入った!このまま行くわよ!」
「了解だ!」
流石はBランク目前の2人
俺の一度のアシストだけで相手に攻撃をさせる隙を与えることなく、1匹目の討伐は完了した。
やっぱり戦闘描写は苦手です・・・。
お目汚しにならなければいいんですが・・・。




