新たな依頼?
「それで?ギルマスからは複数依頼があると聞いていたんだが、この依頼で終わりなのか?」
「今回の依頼がメインだったから、他の依頼はそこまで急ぎじゃないのよ。」
「なら、今回のギルマスからの依頼は終了ってことでいいのか?」
「時間があるなら、他の依頼も片してくれてもいいのよ?」
「だそうだがどうする?」
「あたしは受けてもいいと思うわよ。」
「私も構わないと思います。」
「私も構わないぞ。」
「てなわけだが、適当な依頼はあるのか?」
「そうねぇ~。せっかくCランクがいるのだから、まず最初にクレイジーカウの討伐をお願いしようかしら?」
「クレイジーカウ?あの肉が美味いと言われている?」
「そうそう。肉は美味しいんだけど、何分凶暴でね。Dランクパーティーでも1匹なら何とかなるんだけど、複数となると流石に厳しくてね。それに今丁度繁殖期に入って、頭数が増えて来てるみたいで、そろそろ数を減らさないと後々厳しくなるのよ。」
「討伐した後の肉はこっちで貰えるのか?」
「こっちとしては討伐証明さえもらえれば構わないわよ。討伐証明部位は角、2本で1匹とカウントさせてもらうわね。討伐依頼数は5匹。どうかしら?」
「出現地域は?」
「ここから馬車で5日ほど行ったところの平原になるわね。平原に散らばって居るだろうから頑張ってね。討伐報酬は5頭で金貨7枚と銀貨5枚。そうそう、今回は薔薇の茨とカズマちゃんとは別で行動してもらっても構わないわよ。」
「そうなると私たちで5匹、カズマで5匹となるのですか?」
「そうなるわね。別にどちらかが受けて、もう一方は別の依頼を受けるのでもこちらは構わないのだけれど?」
「なるほど。こちらの都合もありますので、そこは少し話し合っても構いませんか?」
「もちろんよ。この依頼はそんなに急ぐものでもないから、今日中になんて言わないわ。でも決めるなら早めにしては欲しいけど。」
「わかりました。皆で話し合ってからお返事させてもらいます。」
「よろしくね。そうそうディグアントの駆除報酬なんだけど、ジェスのギルドからも出るでしょうけどこちらからも出させてもらうわね。とは言ってもそんなには出せなくて心苦んだけど。」
「そんな。ジェスのギルドから出してもらえるので構いませんよ?」
「そうはいかないわよ。あくまで正式にあなた達に依頼をしたのはこちらなんだから。それで報酬なんだけど、買取金額と合わせて1人につき白金貨1枚でもいいかしら?」
「そんなに貰えるんですか??」
「ええ。予定期間よりも短くしてもらえたし、ディグアント達の状態も良かったからね。これでも安いんじゃないかと思っちゃうくらいよ。」
「私たちとしては何の文句もありませんから、お任せします。」
「ありがとう。じゃあ、白金貨4枚を用意させてもらうわね。」
「ちょっと待ってください。白金貨は1枚で、残りは金貨で貰えませんか?」
「それは構わないけど、どうしてかしら?」
「私たちも手伝いましたが、駆除に関してはほとんどの成果はカズマのものです。それなのに私たちがカズマと同額を受け取るのは申し訳がなくて・・・。」
「なるほどねぇ~。でも臨時とはいえパーティーを組んでたんでしょ?依頼報酬は均等に分けるのが普通だと思うんだけど?」
「確かにそうでしょうけど、それでは私たちが納得できないと言うか・・・。」
「ってことらしいんだけど、カズマちゃんはどう思ってるの?」
「俺は均等に分けるべき思ってるんだがな。3人の協力がなければこんなに早くは終わらなかっただろうしな。」
「流石カズマちゃんね。そういうわけだから、あなた達は遠慮せずに受け取りなさいな。あなた達全員で完了した依頼なんだと自信を持つのも必要だと思うわよ?」
「そうでしょうか・・・?」
「そうよ。誰か一人でも欠けてたらこんなに早くは完了はできなかったってカズマちゃんも言ってるじゃない。遠慮することは大切だけど、自分を貶めるような遠慮はしちゃ駄目よ?」
「・・・わかりました。カズマ、遠慮せずに受け取るが構わないだな?」
「当たり前のことを言うなよ?俺だけじゃなくて、俺たちで依頼を完了出来たんだから受け取るべきだ。」
「ありがとう。リリーシアさん、先ほど言った金貨のことですが4枚とも白金貨でお願いします。」
「うふふ。わかったわ。それじゃあ、すぐに用意させるから少し待っててね。」
「「「はい。」」」
リリーシアは返事を聞くと同時に部屋を出て、報酬を用意するようにギルド員に話をしに行ったようだ。
「それじゃあ、駆除依頼の報酬を貰ったら一旦宿に戻って、次の依頼をどうするかを打合せするか?」
「ああ。そうしよう。」
「クレイジーカウとは戦ったことがないから、情報を集めるべきね。」
「そうですね。カウというくらいですから、突進には気を付けるべきなんでしょうか?」
「繁殖期ということも考慮するべきでしょうね。」
「雄1匹に雌1匹なのか、ハーレムなのかにもよって変わってくるわね。」
「知るべき情報が多いですね。」
「その辺りのことはギルド内の図書館に行って調べるとしよう。」
「そうね。それでも分からないことがあれば職員に聞くとしましょう。」
「ああ。」
「あら、職員に聞かなくてもあたしに聞いてくれれば教えられるわよ?」
「リリーシアさん!?」
「うふふ。急に声をかけてびっくりさせちゃったかしら?報酬の準備が出来たから先に渡しちゃうわね。これが、今回の駆除と買取を合わせた金額の白金貨4枚よ。それで?クレイジーカウの何が知りたいのかしら?」
「確かに受け取りました。」
「リリーシアさんに聞くのは確かに手早くていいんですが、今回はカズマに冒険者とは何なのかを教える目的もあるので、いつも通りの情報収集のやり方をやらせてもらっても構いませんか?」
「ああ。そういえば、リルテッドも言っていたわね。そういうことなら、あたしは口出ししないでおくわね。でも、どうしても分からないことがあればいつでも頼ってね。」
「はい。お心遣いいただきありがとうございます。その時は遠慮なく頼らせてもらいます。」
「ええ。あたしもあなた達のことが気に入ったから、出来るだけのことはさせてもらうわ。まあ、表立っては無理だけどね。」
「勿論です。ギルドマスターが一部の冒険者に肩入れするするのは望ましくありませんから。」
「クレイジーカウの他にもやってもらいたい依頼はそこそこあるから、どうするかを決めたら教えてね。」
「はい。おそらく今の調子だとクレイジーカウは受けることに決まるでしょうが、このまま臨時パーティーで受けるのか別々で受けるのかを決めてからお返事させてもらいます。」
「ええ。よろしくね。」
俺たちはディグアントの駆除報酬を受け取り、リリーシアの部屋を後にした。
宿に戻る最中にもアイナやエレナは白金貨を報酬で貰えたのが嬉しかったのか、何に使うかを2人して話し合い、話に夢中になりすぎて宿を通り過ぎるなどというオチを見せたくらいだった。




