これで完遂
2日後約束通り俺たちは朝にギルドを訪れていた。
「あら、来てくれたのね。」
「約束してたからな。それで今からどうするんだ?」
「昨日一日で集められるだけは集めたから、今からでも行きたいんだけど構わないかしら?」
「こっちは問題ない。それで?何人くらい集まったんだ?」
「全部で40人くらいかしらね。内訳知りたい?」
「いや、別にどうでもいい。準備が良いならそろそろ行かないか?」
「なら、早速行きましょう。はぁ~い、みんなぁ~。今から坑道に行くから着いてきてねぇ~。」
「あいよ、マスター。あの人たちに駆除をしてもらったんだ。後始末位は俺たちでやらないとな。」
「そうそう。楽な仕事しかしなくて心地悪いわよね。」
「まあ、それでも大変なんだろうがな。そのためのスコップなんだろ?」
「縦穴だと聞いたから滑車も用意しといたぜ。」
「俺たちは台車を用意したぜ。土を運ぶにしてもこいつがなけりゃ、キツイからな。」
「みんなにやる気があってあたしも嬉しいわ。さあ、いざゆかん坑道へ!」
「「「おお~。」」」
「(やけにやる気があるが、何かあるのか?)それじゃあ、行くか。」
こうして俺たちはやけにやる気のみなぎっている冒険者を連れて鉱山へと向かった。
「で?その場所がここなの?」
「ああ。あそこだけ少し土の色が違うだろ?」
「ええ。あそこが巣穴への入り口ってわけね。なら、さっさとやっちゃいましょう。」
「俺たちは手伝わなくてもいいんだよな?」
「そこまでしてもらわなくても構わないわよ。あなた達は駆除で活躍したんだから今回はゆっくりしてて頂戴。」
「なら、お言葉に甘えてそうさせてもらおうかな。」
「野郎ども!仕事だ!抜かるんじゃねえぞ!!」
「「「おお~!!!」」」
ギルマスからの一声がかかると冒険者たちは我先にと巣穴の入り口へと殺到した。
スコップを持ってるものが巣穴の土をほじくり返し、台車でスタンバイしていたものがそれを邪魔にならないところまで運ぶ。全員スコップは用意していたようで、仕事があぶれるという者は居なかった。
ただ、人数に対して入口が小さいので非常に混雑はしていたようだが・・・。
「なあ、俺たちってこれが完了するまでずっと居なきゃいけないのか?」
「えっ!?それもそうね・・・。なら、あたし達は一度ギルドに戻りましょうか?あたしも片づけなきゃいけない仕事もあるし、あなた達からの買取の手続きもしなきゃいけないしね。」
「そうしてもらえると有難いんだが?」
「みんなぁ~。あたし達はギルドへ戻るけどさぼっちゃ駄目よぉ~?さぼった奴はどうなるかわかってんだろうな?」
「「「イエス、マム!!!」」」
「うんうん。みんなきちんと理解してくれてるから、あたしも楽でいいわぁ~。それじゃあ、後お願いねぇ~。」
後は穴を掘って巣穴を確認していく単調作業のみということもあり、俺たちはギルドへ戻り蟻の買取をしてもらうことにした。
見てるだけでは退屈だというのが隠れた理由ではあるが、それを表立って言う必要はないだろう。
「それじゃあ、買取の打ち合わせをしましょうか。」
「こちらとしては全部を売る気はないぞ?」
「それはわかっているわ。ジェスの街でも売りたいんでしょ?」
「なんだわかってたのか。」
「うふふ。それくらいはね。それで?どのくらい売ってくれるのかしら?」
「兵隊を70、騎士を40は確定だな。女王はどうするか迷ってる。」
「あら、意外と多く売ってくれるのね。なら、騎士を15減らしていいから、女王をこっちに回してもらえないかしら?」
「15も減らしていいのか?」
「ええ。女王の死体は使い道が多いのよ。あくまでもここでは、だけどね。」
「そっちが数で不満がないなら、兵隊70騎士25女王1で手打ちで構わないぞ?」
「なら、決定ね。早速買取所に行きましょう。」
「ああ。」
打ち合わせがスムーズに終わり、買取の手続きも完了し、俺たちは解体所へと来ていた。
「おや?あんた達前にも来たね。それで?今回は何を持ってきたんだい?」
「ディグアントが70とディグアントナイトが25、ディグアントクイーンが1だな。」
「な、なんだって!?ディグアントをそんなに持ってくるだなんて、大規模駆除でもやったのかい?」
「いや、俺たちだけでやったが?」
「はっ?あんた達だけで?嘘を吐くんじゃないよ。」
「嘘じゃないのよそれが。今はうちの冒険者たちに巣穴の確認をさせてるところなの。」
「それにしても、ディグアントの数が少なすぎやしないか?」
「あたしもそこは気になってるところなんだけど・・・。ディグアントナイトの数からいって、ディグアントがもっと多くなかったらおかしいんだけど・・・。」
「何かの前触れなのか、それともディグアントの生態系がおかしくなってきているのか。要チェックだね。」
「ええ。それもあって、今回はヨっちゃん達だけで解体をお願いしたいのよ。」
「そりゃ、構わないが?数が数だから、時間がかかるぞ?」
「俺たちは構わないぞ?生態系も調べるとなると、素人の俺たちが下手に手伝うよりかはいいだろうし。」
「ってことなんだけど、お願いできるかしら?もちろん、時間のある時はあたしも手伝うから。」
「あんたが自分から手伝うなんて言うってことは余程のことなんだね。・・・わかった。解体は全部こっちでやらせてもらうよ。ただ、数が多いから保管場所がどうだか・・・。」
「保管場所が心配なら、あたしのマジックバックにでも入れとけば大丈夫じゃない?」
「あんたのマジックバックに?確かにあんたのなら、時間経過もそんなにしないだろうがいいのかい?」
「ええ。もし、ディグアントに変化があったのなら一大事だもの。それが調べられるなら、マジックバックを貸し出すことくらい何とも思わないわ。」
「なら、遠慮なく使わせてもらおう。とりあえず、カズマだっけ?ディグアントクイーンとディグアントナイトを2~3匹、ディグアントを10匹ほど出してもらえるかい?残りはリリーシアのマジックバックに入れといておくれ。解体が終わり次第、順次リリーシアから出してもらうから。」
「了解。」
ヨナシアに言われた数の蟻を出し、残りはリリーシアが用意していたマジックバックに入れて俺たちのディグアント駆除依頼はここに完遂したのだった。




