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アイナVSカズマの舌戦?

ジェスの街を出発し、俺たちの旅は順調だった。


途中ですれ違う馬車の人たちには吃驚されたりはしたが、魔物などに出会うこともなく一日目は無事終了。


馬車で1週間はかかると言われていたオーユの街だが、明日には着ける距離にまで1日できたことに3人は驚いていた。


「さっき通り過ぎた村って、確か馬車だと6日目くらいによる村じゃなかった?」


「間違いないです。その村を1日で通り過ぎるだなんて、このキャンピングカーはどれだけ速いんでしょうか・・・。」


「実際に移動してみてわかったが、これが王族や貴族にばれたらなんとしてでも手に入れようとするだろうな。」


「手に入れたところで、俺にしか動かせないんだから意味ないと思うんだが?」


「あんたごと手に入れるってことよ。いわゆる飼い殺しってやつね。」


「うへぇ~。それは勘弁してもらいたいな。まあ、そんなことになろうもんなら、別の国に逃げるけどな。」


「国から逃げられると思うの?兵隊がわんさかきて囲まれて終わりよ。」


「アイナこそ忘れてないか?俺には移動手段が他にもあること。」


「あっ!テレポート!」


「正解。囲まれたとしても、俺には予備の移動手段があるんだよ。」


「そう考えるとあんたを捕まえるのって、至難の業に思えてくるわね。」


「それより3人は魔法スキルのほうはどうなんだ?」


「まだまだ時間はかかりそうね。今はあたしとエレナが昼食前まで練習して、アンナとエレナが夕食前までやるってことで実践してるわ。」


「じゃあ、アンナと俺が夕食後から寝る前までって形でいいか?」


「ああ。私はそれで構わないぞ。」


「しかし、あの空間は反則よね。こっちでの1分があっちでは1時間なんて。」


「スキルのレベル上げには持って来いの空間ですよね。」


「まあな。そのためだけのスキルだからな。」


「しかし、今更だが私たちにこのことを教えてもよかったのか?ギルマスにも言ってないんだろ?」


「ああ。3人には悪いがいわゆる実験台になってもらってるんだ。」


「実験台ですって?あんた、あの空間に何したのよ!」


「違う違う。実験台ってのはスキルを覚えるまでの時間を計る、という意味でだ。」


「時間を計るですか?」


「ああ。ギルマスにはやり方は教えたが、本当にそれで覚えるのかは今の段階だと不明だろ?」


「そうね。」


「だが、3人が覚えたとなるとどうなる?」


「そうか!話に信憑性が出てくるな。」


「それにかかった時間までわかるとなると、それを目安にできますね。」


「そういうこと。まあ、時間のほうは俺のスキルってことをバラす必要があるが、それでも実例があると無いとではやる側の考え方も大きく変わってくると思う。」


「確かにそうですね。やっていても本当に覚えられるのか疑心暗鬼では集中できないでしょうし。」


「ってなわけで、実験台なわけ。」


「実験台ってのは気に食わないけど、あたし達へのメリットが大きいから、今回は我慢してあげるわ。」


「別に気に入らないなら、アイナは断ってくれてもいいんだぞ?エレナやアンナがいるからな。」


「なっ!?」


「ほらほら、カズマはアイナを揶揄うのをやめないか。アイナも心にもないことを言うからカズマに揶揄われるんだぞ?」


「あれ?アンナにはバレてた?」


「バレバレだな。カズマがアイナを揶揄うときは、必ずいやらしそうな笑顔を浮かべるから丸わかりだぞ?」


「結構、真面目な顔をしてたつもりだったんだがな。」


「あれで真面目な顔なわけないだろうに。とにかく、私たちへのメリットが大きいのは事実だから、実験には付き合おう。アイナもエレナもそれで構わないな?」


「はい。私的には願ったりなので問題ないです。」


「アイナは?」


「あ、あたしも構わないわよ?ただ、カズマに揶揄われたっていうのは腹が立つけど。」


「そういうわけで、私たちは納得したから問題ないぞ?」


「そりゃ助かる。断られたらどうしようかと、冷や冷やしたぜ。」


「そんな風には見えなかったがな。それで?これからの方針は?」


「方針と言っても、3人には魔法系スキルを覚えて貰うまで、頑張ってもらうしかないんだがな。」


「何よそれ。こっちに丸投げなわけ?それなら、覚えたら報酬をもらってもいいわよね?」


「報酬?」


「ええ。これはある意味、依頼みたいなものでしょ?なら、報酬があってもいいと思うのよね。」


「おいおい。マジで言ってるのか?」


「マジもマジ。大マジよ。」


「はぁ~。アイナは何を言っているんだ?」


「アンナこそ、何を言ってるのよ。これは覚えてくれっていう依頼じゃないの。なら、報酬を貰って然るべきじゃない。」


「場所や時間を提供してもらってるじゃないか。」


「それは依頼に必要なものだから、依頼人が用意したんでしょ?あたし達が頼んだことじゃないわよね?」


「それは確かにそうですが・・・。」


「わかった、わかった。で?何が望みなんだ?出来る限りはするが、無理なものは無理だぞ?」


「流石カズマね。話が早いわ。あたしが望む報酬は、そうねぇ~あんたの故郷の料理でどう?」


「俺の故郷の料理?」


「ええ。前に食べさせてもらったマヨネーズみたいに、あんたの故郷の料理を作ってほしいのよ。」


「それはマヨネーズを食べさせろってことじゃないのか?」


「マヨネーズは当然使ってもらうわよ?それ以外にも美味しいものはあるんでしょ?」


「そりゃ、あるにはあるが?」


「なら、それを作ってよ。」


「今からか?」


「もちろん。今から。」


「アイナ。それは無理がないか?材料のことだってあるんだぞ?」


「今ある食材で出来るもので構わないわよ?ルームの中だと同じものばかりで飽きちゃったのよ。」


「確かにルームの中に持っていく食材では、作れる物が決まってしまいますから、わからないではないですが・・・。」


「でしょ?だから、美味しいものを期待してるわね。時間のかかる料理でもルームの中に入っちゃえば問題ないでしょ?」


「なあなあ、アンナ。アイナってひょっとして食いしん坊キャラなのか?」


「いや、そんなことはなかったはずなんだが?」


「でも、ポッテサラダを食べて以降、一人で屋台巡りをすることが多くなったみたいですよ?」


「そうなのか?私は知らないぞ?」


「買い出しに行った時にやってるみたいなんですよ。私も知り合いのおばちゃんに教えて貰うまでは知りませんでしたけど。」


「マジかよ!?意外だな。あのアイナが食いしん坊キャラになったなんて。」


「ちょっと、聞こえてるわよ!あたしは別に食いしん坊キャラなんかじゃないからね!」


「あれ?聞こえてたのか?いやぁ~失敗失敗。」


「なにが、失敗失敗よ!」


「落ち着けアイナ。すぐムキになるからカズマに揶揄われるんだぞ?カズマも揶揄ったら話が進まないからやめてくれ。」


「むぅ~。」


「悪い悪い。アイナの反応が楽しくてな、つい。」


「それで?アイナが報酬などと言っていたがカズマは構わないのか?」


「仕方ないだろ?出来ることはするって言っちまったんだから。」


「やった~!」


「アンナとエレナは何か望むものはあるのか?」


「私もアイナさんと同じでいいですよ?実はカズマさんの故郷の料理を食べてみたかったですし。」


「私も同じで構わないぞ。」


「あいよ。なら、車のキッチンとルームを駆使した料理を作ってやろうじゃないか。」


「「「やったぁ~。」」」


俺は3人が喜びの声を挙げているのを尻目に、何を作ろうかと頭をフル回転させていた。



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