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初めての異世界ネット

宿屋に帰り食事を取ろうと食堂に入ると、背後からいきなり声をかけられた。


「ああっ!?カズマやっと帰ってきたのね。もう少し遅かったら場所なくなるところだったじゃない。」


「ん?3人ともどうしたんだ?夕食は食ったのか?」


「どうしたんだ?じゃないわよ!後でって言ったでしょ。」


「そうですよ。みんなで一緒に食べようと思って待ってたんですよ?」


「そうだったのか。悪い悪い。じゃあ、早速席について食べようぜ。」


「あっ、ちょっと待ちなさいよ。」


「忙しないな。エレナ、私たちも行こう。」


「はい。」


俺たちは空いている席に腰かけ注文をお願いした。


夕食に俺が注文したのはフォレストボアのステーキセット、アンナ・エレナがジャンプラビットの香草焼きセット、アイナはアサルトディアの煮込みセットだ。


「今日はいいお肉が手に入ったから、ステーキにしてみたの。冷めないうちに食べてね。」


「フォレストボアって食えたんだな。こんなことなら、全部売るんじゃなくて一部持っとけばよかった。」


「次からは肉は返却してもらえばいいんじゃない?それより早速食べましょうよ。この匂いを嗅いだだけでお腹が余計に減ってきたわ。」


「そうだな。じゃあ早速いただくとするか。」


「ええ。それじゃあ、いただきます。」


「「「いただきます。」」」


俺たちは美味しい夕食に舌鼓を打ちつつ、会話を楽しんだ。


「さて、異世界ネットを試してみますか。」


夕食後、部屋に戻った俺は誰に言うでもなく、呟いた。


「まずはステータスを確認して、今のMPを把握しとかないとな。」


俺はステータスオープンと唱え、自分のステータスの確認を始めた。


Lv:11

名前:カズマ

性別:男

年齢:18

種族:人族

職業:Fランク冒険者


ステータス

HP:750  MP:4000

力:730  魔力:1060

防御力:680  敏捷:630

知能:1010  精神力:890

器用度:300  幸運:1230


スキル

剣術1、時空間魔法3、精神異常耐性1、鑑定2、氷魔法1、料理2、鍛冶1、錬金術1、農業1、裁縫1、建築1、木工細工1、火魔法2、水魔法2、風魔法1、土魔法3、光魔法1、闇魔法1、解体1


固有スキル

知識、言語、状態異常耐性、獲得経験値2倍、異世界ネット、習得、健全、フェロモン、ステータス上限開放、スキル上限開放、無詠唱


加護

魔神の祝福

愛神の寵愛

武神の加護

創神の加護

農神の加護

遊神の加護


「おっ、MPは4000まで増えてる。なら、半分の2000から2500くらいを目安に買い物したらいいな。バスタブがそれくらいで買えればいいんだが・・・。」


「とりあえず、使ってみますかね。」


俺は初めての異世界ネットに心躍らせながら詠唱した。


すると俺の目の前に半透明の画面と、同じく半透明のキーボードが現れた。


「これってどこぞのアニメのマッドサイエンティストが使ってるやつによく似てるな。確かあれも半透明の画面に半透明のキーボードなんだよな。そういやあれって第5期が始まったって聞いたんだけど、結局見れなかったな。続きが気になってたんだけど。

 おっと、今はこっちのことをしないとな。これは一部タッチパネルを使うが、大半はキーボードでの入力なのか。どちらかに統一してくれたほうが使いやすいんだがな。」


俺はそう言いつつも「バスタブ 販売」と入力し検索をかけた。


(検索サイトはヤ○ーで、販売サイトはア○ゾ○を意識してるのか?まあ、使い慣れてるから良いけどさ。)


使い慣れたサイト画面に懐かしさを感じながら、俺は求めるものを探し続けた。


「おっ、あったあった。一人用のバスタブ。え~っと、この安いのだとMPは500でこっちは3500か。んでもって、こいつは2500っと。色々種類あるんだな。さてさて、どれがいいものか・・・。」


おおよそ見ていて分かったことは、必要MPが低いものは水垢についての対策が悪いらしく、頻繁に掃除をしないといけないそうだ。


対して高いものは対策はきちんと取られているので、水で洗い流すだけでいつでもすべすべなバスタブとして使えるとのことだった。


(頻繁に掃除をしなきゃいけないのはちょっと考え物だな。こっちに無いものだから隠れて掃除しなきゃいけないって手間を考えると、ここは多少高くても掃除が楽な方を取るべきだろう。

 なら2500~3500の間で考えるべきなんだが、さてさてどいつがいいんだ?)


俺はサイト画面とにらめっこをしながら、色々なバスタブを閲覧していった。


結果、候補が2つまで絞れた。


(う~む、この2つのどちらにするかで悩むな。一つは寝そべっても十分な長さがある代わりに横幅が狭い。

 もう一つは寝そべると足が反対側に付くが、横幅が広く2人で入っても余裕があるか・・・。水垢対策はどちらも万全、さらに値段もほぼほぼ変わりなし。悩むな。)


俺がうんうんと悩んでいると扉がノックされ、声がかかった。


「カズマ、すまないがちょっといいか?」


「えっ!?」


俺は急に聞こえたアンナの声に慌てて、異世界ネットを急いで閉じた。その瞬間、強烈な立ちくらみを感じたのだが、一瞬だったため気にせずに扉に手をかけた。


「どうしたんだ?」


「いや、明日はどうするのかと思ってな。もしよければ私たちが街を案内しようかと思って、話をしに来たんだ。」


「そうだったのか。とりあえず、明日は一度ギルドに行って依頼を一つこなしてみようかと思ってる。恒常依頼なら期限もないことだし、打ってつけだと思ったんでな。」


「そうか、いらぬ世話だったかな。」


「いやいや、気にしてもらえてありがたいよ。わざわざすまないな。」


「いや、こちらが勝手にお節介を焼こうとしただけだ。気にしないでくれ。それじゃあ、失礼する。」


「ああ、おやすみ。」


「おやすみ。」


アンナとの会話を終わらせた俺は先ほどの立ちくらみが何だったのか気になり始めた。


(さっきの立ちくらみは何だったんだ?体から何か抜き取られるような感覚だったんだが・・・。)


(ん?抜き取られる?確か異世界ネットでの買い物の対価はMPだったよな・・・。それじゃあもしかして!?)


俺は急いで異世界ネットを詠唱し、先ほどの画面を開いた。


そこには購入画面が鎮座しており、先ほど悩んでいたバスタブではなく別のバスタブが購入済みとなっていた。


(ま、まじかよ・・・。せっかく候補を2つまで絞ったのに全然違うバスタブを購入しちまった。キャンセルは出来ないのか?)


俺は購入キャンセル出来ないか色々検索してみたが、結果として見つからなかった。


(くっそ。まじかよ。キャンセルできないなんてありえねえぞ。どうなってんだよこのサイトはよ!!)


俺は苛立ちを感じながら、バスタブの購入画面を睨みつけた。


(はぁ~。こんなことになるなら、アンナに少し待ってもらえばよかった。そしたら、こんなことにはならなかったのに・・・。)


(起こってしまったことを悔やんでも仕方ないのは分かっているが、口惜しさしかないな。)


口惜しさを感じながら、俺は購入したバスタブがどんなものかを確認するため、バスタブの説明欄へと目を走らせた。


するとそこには悩んでいたバスタブ2つの長所を足しても足らないほどの広さ、長さ、深さがあり更にプラスαが付いているという説明が書いてあった。


(おいおい、こんないいバスタブがあったのかよ。結果としてはうれしい誤算だが、さっき見ていた画面にはなかったよな?どういうことだ?)


俺が画面に目を向けていると、「お買い上げありがとうございます。アイテムボックスへの配達完了しました。」とポップアップが表示された。


(アイテムボックスへの配達?直にアイテムボックスへ送り込んだってことか?いったいどうやって?)


俺は不思議に思いながら、アイテムボックスの一覧を開き中身を確認した。


するとそこには確かにバスタブ×1と表示がしてあるではないか。


「マジで配達されてるやん・・・。と、とりあえず、一回取り出してみよう。」


俺はバスタブをアイテムボックスから取り出した。


取り出したバスタブは、説明に書いてあった通りの広さ、長さ、深さ、であり俺一人で使うには勿体なさ過ぎる物であった。


たった一点、浴槽内に手紙が張り付いている以外は・・・。


「手紙?」


その手紙には大きな文字で「カズマへ」と書かれており、俺宛なことは一目瞭然であった。


俺は訝しみながら、その手紙を拾い読み始めるのだった。



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