チートスキルの前に体でした。
第三話です
なかなか異世界にいきませんね。。
(さてさて、どんな種類のチートスキルがあるのかよく見ていくとしましょうか。)
(とりあえず気になるものを保留枠に移していくとしよう。)
俺は移し方がわからないことに気がついた。
「あの、これ気になったものを移す方法はどうしたら良いんでしょうか?」
「ん?おお、例えば知識が欲しいと思えば知識をタップしてそのまま横に動かせば動くぞ。そして動かし終わったなら離せばオーケーじゃ。」
「タップしたらいいのか。ん?俺、指ないからタップできねえじゃん!」
「おお!?そういえばそうじゃったな。ならばまず体を作ることから始めんといかんのう。」
「それって結構時間かかりますか?」
「いや時間はかからんぞ。お~い、愛神、武神。こやつの体作るからちと手伝ってくれんか?」
「はぁ~、ようやく受け入れたわけ?マジで決断遅くて嫌になるわ。」
「おっ、スキルを選ぶまでになってるじゃねえか。なら、どっちかには決めたんだな。魔神はやっぱ頼りになるぜ。」
「えっ!?体作ってもらったら転生か転移しなきゃならないんですか?」
「ん?何当たり前なこと言ってんだよ。もしかしてまだ迷ってんのか?かぁ~っ、男ならぐだぐだ言わずにびしっと決めろよ。」
「いや、しかしですね。」
「あ~、もうじれったいわね。何が不満なの?大盤振る舞いのチートスキルまでもらえてしかも新しい体も貰える。いったい何が不満なのよ!」
「うっ。そ、それはまだ心の準備というかなんというか整理が付かないというか。」
「それならもう朽ちちゃえば?あんたの心構えなんて今のままじゃ出来そうにないし、私も付き合うの飽きてきたところだし。」
「こりゃ愛神そんなことを言うでない。」
「いや、魔神よ俺も愛神に同意だぜ。ここまで大盤振る舞いを提示されてまだ迷っているようじゃ、向こうへ行ってもろくなことにならねえだろうからな。それならいっそここで朽ちさせてやるのが、こいつのためなんじゃないか?」
「そうよ、そうよ。」
(こ、こいつら好き勝手言いやがって!!もともとあんたらの仲間が起因で俺は死んだんだぞ!それをこの言い草はあまりじゃないのか!?くそ、なんか腹立ってきた。こうなりゃその異世界とやらに行ってやろうじゃないか。んでもって好きなように生きてやる!)
「わかったよ。行ってやろうじゃないか。ほら、さっさと俺の体作れよ。」
「おう、やっと腹をくくったか。おい魔神、愛神こいつの気が変らねえうちにとっとと作っちまおうぜ。」
「ふん、決めるのが遅いのよ。」
「ふぉふぉふぉふぉふぉ」
「さて、まず転移か転生かを決めてもらおうか。」
「その違いは?」
「転移はここで体を作ったうえでそれにお前に入ってもらって向こうへそのまま移動。転生はここでは仮の体を作りチートスキルを魂に刻み込んだ後にあっちの世界で新たに生まれてもらうってところだな。」
「ただし、転生の場合はこちらの記憶はなくなるわね。転移の場合は記憶は持ったままだけどね。」
「なら転移で頼む。」
「それではここで体を作り魂に入ってもらうことになるのう。年齢、性別、種族はどうするんじゃ?」
「種族?」
「うむ、あちらの世界では人族、エルフ族、ドワーフ族、獣人族、魔族と色々種類がおってのう。」
「なら人族で頼む。性別は男、年齢は18歳くらいで。ああ、あと体をここで作るって言ってたけど年はとるのか?」
「それは問題ないぞ。ここで作っただけで普通の人間と変わらんからな。年もとるし髪も伸びるし怪我もする。」
「怪我はするのか。」
「それはそうじゃろう。怪我や病気をせんかったらお主があちらでは化け物かと思われてしまうぞ?」
「それは困るな。わかった。それでやってくれ。ああ、あとあちらの種族割合を教えてくれないか?」
「人族がおよそ5割、エルフ・獣人・ドワーフが合わせて3.5割、その他が1.5割ってとこだな。」
「大半が人族ってわけか。差別とかはあるのか?」
「いや、差別とかはないな。ハーフでもきちんと人権が守られている。」
俺はそう聞くと安心したのだった。