それで、僕らは歩き出した。歩くしかなかった。〜何でそこから?続きはどこ?シリーズ〜
「つまり、僕がその役目を果たせば良いということだろう?」
奥に座ってた、笹塚がいつものように横柄な態度でそう言ったことに私も含め、驚いて彼に注目した。
「今の話を聞くと、どう考えても僕のような知識があるものにしかできないとしか思えなかったから、発言したまでだ。僕は、誰かに命令されるのは嫌いだからね」
皆んなが理由を知りたがっているのを察して、笹塚は堂々と言い切ると、ニヤニヤしている涼さんの目の前に立った。
「必要なのは、ヘリコプターかな。それとも、ジェット機?」
「流石、笹塚家。教育が徹底してるねぇ。んー、そしたら両方でお願いしようかなぁ」
「僕を試すようなことを言っている暇があるなら、さっぱりわかってないこいつらの頭に合わせて、説明を続けたらどうだ?MAPkMAPkで置いておく。」
さっさと扉に向かっていく笹塚を見送ることなく、涼さんは私らに一枚の紙を手渡した。
「さ、それを全て覚えてね。一人一人への指示を細かーく書いておいたから。間違えたら人が死ぬからね?」
涼さんの言葉に、皆んなの顔がこわばるのを感じた。そうだ。これは、人の命に関わる話だ。
「君らが努力しなければ、誰かが死ぬかもしれない。そんな緊張と隣り合わせになってまで、誰かを救いたいと思うなんて、随分と変わってるよね君たち。」
心底不思議そうな顔をして、涼さんが私らの不安を煽る。
( そうだ、これからはこの不安が永遠につきまとうんだ…)
何をしていても、私らは心の片隅にこの眠れなく理由を起き続けるのだろう。
( それでも。やるしかないから…)
「まぁ、それぞれ理由はあると思うけど。お金は安定して手に入るし、失敗しなければ勝ち組扱いだよ。ふふふふ、じゃあ頑張って生き延びてね。」
涼さんは、白衣をなびかせて扉を開くと、締めることなく歩き出した。
私らは、緊張した身体でその背中を負うために一歩踏み出したのであった。
思いついて、ふと書くところがどこかの物語の途中というか、何といいますか。
前後を書いていることもなく、ふとここだけ浮かぶんです。モヤモヤした方はすいません。誤字脱字は何時ものことです…すいません。