〜魔王少女育成計画その1〜
状況を説明しよう。寝ていて目がさめるとボロい天井に魔法陣(?)的なものがあってそこから女の子が落ちて来た。その女の子は自分より2歳ほど下だと思う、とても綺麗な白髪ロングの黒がメインのゴスロリっぽい服を着た少女だ。顔はとても整っており目は涙を浮かべているせいかルビーのように赤い目が輝いていてまるで人形が動き出したのではないかと思うほどの美少女だ。
もちろん見覚えはない、だがその少女は会って5秒くらいしか経っていない初対面の男に匿わせてください!と言ってきた。……いや、どう反応したらいいんだよ……
そして少女は反応に困っている自分を見て、慌てたように説明してきた。
「あわわわ……!ごめんなさい、何も説明しないでこんなこと言ってしまって!は、はじめまして、私はクリス・ロマノフ5世と申します。魔王をしています。クリスとお呼びください。」
涙を拭き輝くような笑顔で自己紹介をしてきた。というか、さらっとこの子魔王って言ってなかったか?
「俺は佐藤蒼だ。それで、クリス、だっけ?なんで会って数秒しか経ってない俺に匿わせて欲しいって?」
「あっ、はい。実は話すと長くなるんですが……」
そこまで言いかけたところでクリスの方からかわいらしいお腹が鳴る音が聞こえてきた。顔を少し赤くしている。なんだろう、かわいい……
「分かったじゃあ少し待ってて、話は食べながら聞こう」
俺は、立ち上がると台所の棚にあったメロンパンを二袋と牛乳を冷蔵庫から取り出して簡単な朝食の準備をした。




