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さよなら、私の世界。  作者: 花山 ナイフ
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sayonara

いつもの電車。いつもの帰り道。好きな帰り道。まだ、匂いも温度も覚えてる。終電。目を瞑れば、優しい声をかけてくれる。私は泣いている。他のお客さんもいるのに、恥ずかしいわ。涙も鼻水も気持ちも、止まらない。他の人間なんてどうでもいいわ。世界のことなんて構っていられない。あぁ、これで終わりなんだわ。もう、ダメね。


さよなら。


『どうして?』

『嫌だ。』

着信。

着信。

着信。

『どうして無視するの?』

着信。

『わかったから、一旦話し合おう。』

着信。

『ごめんね。』

着信、着信、着信。


これでよかったのよ。このままでは、私も彼もダメになってしまうわ。私には彼を支えられるような広い心がないもの。彼にも私を支えられる余裕、ないもの。最初からわかっていたことだけれど、事実を目の前にすると、すごく、悲しいものね。


『好きよ。』


『うん。一年後の成人式には絶対に会ってほしい。連絡とか取らなくなったとしても。』


『そうね。』


『それから、いつか、また君に出会って、君に男がいなければ、プロポーズするよ。』


『きっとね。』


あぁ、さよなら。

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