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ある会話  作者: 志賀飛介
7/8

妄想会話劇⑤~ロボットくんの日常~

「そういや坂山くんってさ、中学の時ロボットって呼ばれてたらしいよ」


「なんで?」


「真面目だし、喋らないし、笑わないから」


「そうなんだ。でもそれ、ちょっとひどくない?」


「でも実際そうでしょ?」


「まあそうだけど」


「ほんと、何考えてんのか全然分かんないよね~。って、もう五時半だし!あたし今日見たいテレビあるから早く帰らないとだ。さくは?」


「…………」


「咲?」


「忘れてた……」


「なにを?」


「美化委員。今日うちのクラスだ」


「校舎裏の掃除だっけ?あんたともう一人いたよね?」


「……坂山くんだ」







「あ、あの~」


「あ、添田そえださん。もう帰っちゃったかと思った」


「ごめん!あたし今日掃除当番だってすっかり忘れてて……」


「大丈夫」


「ほんとごめんね?残りはあたしやるから」


「大丈夫」


「あ……その……ありがとう」


「…………」


「…………」


(気まずい……、この沈黙は気まずい……。坂山くん、怒ってるのかな。なんかすごい、黙々と落ち葉集めてるけど)


「あ」


「どうしたの?坂山くん」


「猫」


「ねこ?」


「いやその……、あそこの茂みに猫がいたから」


「うそ、どこどこ?」


「もういなくなっちゃった」


「なんだ、残念」


「かわいかった」


(あれ……?坂山くん、心なしか笑ってるような……?気のせいかな……?)


「坂山くんは猫好きなの?」


「うん……まあ……」


(あれ、そうでもなかったのかな?ほんと坂山くんって何考えてるか分かりにくい……)





~黙々と落ち葉集め~





「やっと終わったぁ~」


「よいしょっと……」


「あ!坂山くん、それあたしが持って行くよ!遅刻しちゃったし」


「いや、いいよ。結構重いから」


(う~、やっぱ怒ってるのかなぁ)


「あの……ごめんね?ありがとう」


コクコク


(行っちゃった。なんかすごい頷いてたけど、そんなに怒ってないのかな?それとも落ち葉集め好き……とか?そんなわけないか。結局最後まで何考えてるのか分からなかったな)


「……あれ?」


(坂山くん、急に立ち止まってどうしたんだろう。…………あ、猫がいる!坂山くんめっちゃ猫見てる!猫好きなのは合ってたんだ。あ、猫逃げた。なんか、坂山くんの背中が心なしか寂しそうに見える……)


「なんだろう……この感じ。悪い人ではない、のかな?やっぱりよく分かんないや」






(はぁ、緊張した……。添田さん、今日はやたらと話しかけてきたなぁ……。こんなに女子と話したのいつ以来だろう。嬉しいけど、やっぱり女子と会話するのは心臓に悪い……)


「まあでも、猫に会えたのはラッキーだったかな」

落ち葉集めるの楽しいよね。竹ぼうきでね。

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