表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/19

向き合う


 MRI検査まであと3日。

 今日はとても天気が良かったので、近くのドラッグストアへ買い物がてら、散歩をしようと思った。

 久しぶりの外出は、本当にいい天気で、病気でいるのは勿体ないと思った。

 体を冷やさないように、温かい飲み物を積極的に摂るようにと、ネットで見た。

 白桃ルイボスティーと、コーンスープ、冷凍食品のたこ焼きと、ごみ袋を買った。

 お会計を済ませ、外に出た瞬間、下腹部にまた違和感を感じた。

 またか。不安に思ったが、もう泣きはしなかった。

 家に着いたら、ますます痛みが強くなって、呻きながら痛み止を飲んだ。

 やかんでお湯を沸かし、無理矢理コーンスープを飲んで、体を内側から温めようとした。

 なかなか薬が効かず、コーンスープを戻してしまいそうだったが、グッと堪えた。

 しばらくすると、スッと痛みが引いて、なぜか猛烈に空腹を覚え、たこ焼きを食べた。



 夫が、近々転勤になるかもしれないという。病院を変えたばかりに、所謂ハズレの病院に通う羽目になるよりは、夫が単身赴任をと考えてくれているらしい。

 私は私で、休職するだけして、転勤しますさようならと言うのも無責任で嫌だと思った。

 それなら、1ヶ月なんとか働き、退職してから治療に専念すべきなのではと思った矢先にこれである。

 近所へ散歩に出かけたくらいで、体調が崩れることが、本当に残念でならない。

 ただ怠けているだけのようで後ろめたかったのが、今この瞬間に、私は本当に病気なのだと、改めて思い知られる。

 ストレスや不安を感じると、生殖器に影響が出ることがあると、これもネットで得た知識だ。

 人の顔色を伺うあまり、自分の体のことは疎かになっていたのかもしれないと思った。

 初めて症状を感じてから、実に3ヶ月。

 私はようやく自分の体調を受け入れ、向き合うことにしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ