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考える
日付が変わった頃、いつのまにか夫が帰ってきていた。
夫はこの間はごめんと言って、話を聞いてくれた。
「例え子供が出来なくなっても、嫌いになったりしないよ」と手を握ってくれた。
でも、ご両親はそうは思わないかも知れないじゃない。孫の顔、見せてあげられないかもしれないんだよ。
私はそう思ったけど、言わなかった。
ネガティブな憶測はトラブルのもとだ。
仕事のことも、先が見えない治療のことも、たくさんたくさん不安なことがあったけど、仕事で疲れている夫は寝てしまったので、仕方なくまた一人で泣いていた。
朝がきたら、また一人で考え込まなくてはいけない。
長い一日、ずっと悩み続ける。
仕事を退職すべきだろうか。
ずるずると休みを伸ばすよりは、すっぱり辞めてしまうほうが、迷惑がかからないのではないか。
こんなことばかり考えたら、治るものも治らないと言われそうだが、仕方ない。
収入もなく、社会に必要とされていないまま、布団の上で横になっているのが気持ち悪い。
のうのうと生きている気がして居たたまれない。