MRI検査 前日
明日はいよいよMRI検査。
夫が休みだった。
仕事を退職して、治療に専念させて貰うつもりだと伝えると、そのほうがいいと夫も答えた。
お金や症状や色々不安は尽きないが、とりあえず明日職場に連絡しようと思う。
前日の夜に食べ損ねたタコライスを食べて、のんびり過ごした後、主人と車で買い物へ出かけた。
ペットのエサが無くなりそうだったからだ。例え私が病気でも、ペット達は健康そのものなので、エサもよく食べ、よく遊ぶ。
夫が、回転寿司を食べようと言ったので、久しぶりに外食をした。気を紛らわそうとしてくれているのかも知れない。
日中、余り動かないせいで、すっかり食が細くなっていた。元々少食ではあるが、たった4皿食べたところで箸が進まなくなった。
私が4皿食べてる間に、10皿以上平らげていた夫が、「もうお腹いっぱい?」と聞く。
私は「回転寿司での8~10貫は、大体茶碗1杯分に等しい」とどこかで聞きかじった雑学を披露した。つまりは、体調が悪いわけではない、何も心配いらないと分かったらしく、夫は呑気にデザートに抹茶モンブランを食べた。
「寿司の〆がケーキだなんて、江戸っ子はびっくりするだろうね」と夫がいう。
私は、答えた。「例え、フライドポテトで〆ようと、ケーキやプリンで〆ようと、むしろ粋だと思う懐の広さがあるのが、真の江戸っ子だと思う」
私は大好きな咄家、柳家小三治が寿司の〆にケーキを食べているところを想像する。
どう考えても粋だ。粋な人が食べれば、何だって粋なのだ。