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皇帝陛下の絶盾  作者: 滝革患
皇帝陛下の絶盾
7/7

5-2

「この本面白いわね」


何気なく書斎の棚から手にして読んでみたもの、と言って読み終えたばかりでこちらに渡してくる。


「どんな話?」

「双子で生まれてすぐ別々に暮らすことになる兄妹のお話」

「ジュグでは双子は不吉だからね」

「エルジプスでは聞いたことないわ」


他愛ない国の習慣の話をして、いるとシアンが入っていいかとドアをノックしてきたのでルシーダが自室へ戻った。


「なあ、ファフ……」


シアンが考えながら話す準備をする。昔から快活のわりに、皇帝関係のときは考え込む癖があるんだよなあ……

おそらく、今回の敵について話したいのだろうと検討はつく。


「どうかした?」

「今更だが、ルシーダという女、信用して大丈夫か?」


その問いかけは、想像していなかった。

彼女が怪しいなんて最初からわかりきっていることで、どう答えるか考えつかない。


「え、それはほんとに今更だね。今回のことで気にかかることでも?」


妙に冷静になった。感情のない、定型文のような生返事をする事しかできなかった。


「まず正体がバレていない。……なんて、都合のいい選択肢は無くして考えていいぞ。ルシーダが傍にいたから、お前の正体がバレたんだろう?」

「……つまり、皇帝を守りに来たのが真実であろうとなかろうと、より危険になったということだよね」

「……わかってるんじゃないか。てっきり篭絡されて完全に信用しているかとばかり」

「僕は彼女がどう動こうと殺されるつもりはないから」

「ちゃんと皇帝らしい言葉も言えるようになったか……補佐としては安心したよ」

「そっか、じゃあまだ納得いってない事ある?」

「無い事もないが……流石に今から本人に問いただすわけにもいかないだろう」

「それもそうだね」

「確認なんだが……万が一、奴が裏切っていたらどうする?」

「別に、向こうに戻れなくすればいいと思うけど?」



「まだ話してるか……」


エギーユは、次のイベントについて二人に話をしたかったが、ドア付近からピリついていて、とても入れる雰囲気ではなかった。

このままこっそりと部屋から離れたところを見計らって、ドアが開いた後に改めて二人のところへ偶然を装っていく。


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