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寝るか。
第17都市『ローゼン』この星に作られた人類、十七個めの都市だ。
通称、花の都などと呼ばれており、人で賑わう町の中心では様々な木々や花に囲まれ、憩いの場として他の都市でも有名である。
そんな花の都の都心からやや離れた郊外に、この寮はある。
「おきろーーーー!レイ!バカ!アホ!チコク!」
ドアの向こう側では張り裂けるんじゃないかという声で大声を出している。
何度も何度もドアノブを押したり引いたりと繰返す音が、霞んできこえる。
ほんと何事なんだろうか。
「ねぇ!なんで、鍵がついてるの!バカ!さっさと起きて!出てきてよ!ねぇ!」
出られるような雰囲気ではないのだろうが。
この寮には一昨日、付いたばかりなのだが、何故かそいつはやたらと絡んでくる。
長く背まで伸びた髪は綺麗な金色に染まっていた。
青い瞳がこちらに向く度に、苦労が増えた。
名前は確か・・・。 確か・・・うん。
まぁ、とりあえず
「寝るか。」
「寝んなーーーー!」
ドッカーン!という爆音と共に真っ二つ折れたドアが吹っ飛んできた。