1/2
序章 緋色の夢
私は、同じ夢を見る。
紅く色鮮やかな景色。
景色と言い表すのは、少し違うかもしれない。
風が吹き、緋色の欠片が視界を真紅に染め上げ、意識が途切れる。
その夢からは、深い悲しみと大きな後悔の気持ちが伝わる。
とても、悲しい夢。
そして、自分を見つけて欲しいという切実な願いの声が聞こえる。
それはとても心地よくて、心が落ち着いていく。
けれど、そんな声も聞こえなくなる。
まず初めに身体の自由が利かなくなる。
次に瞳。
そして、声を出せずに、想いを伝えられない、
ーーーーーーーーーー自分がいた。