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モントラ  作者: ゆう
1章
48/49

一郎VSドイツ代表 ゲッドバッド③

一郎とゲッドバッドのまえに、バーチャル映像の初期手札5枚が現れる。


1ターン目

一郎 ライフ15 手札5

ゲッドバッド ライフ15 手札5 


一郎は、横にカードを引くモーションで、バーチャル映像のカードを引いた。


「僕のターンドロー!・・・僕は、場に骸骨剣士を召喚! 」


場に手のないアンデッ族モンスターが召喚された。


カード情報

骸骨剣士 レベル1 種族アンデッド族 属性土

超能力 骸骨剣士がバトルする時、サイコロを一つ振る、その出た目の数×2、この骸骨剣士のレベルを上昇させる。


「僕のターンは終わりだ」


一郎は、1ターン目にできることを終え、自分のターンを終わらせた。


「ゲへへッ・・・そのままターンだけじゃなく、カードバトルも終わらせてもいいんだぜ?俺が怖いだろ?・・・体が震えて・・まともにプレイできないだろ?みっともなく俺に犯されるまえに。サレンダ―しな・・・ゲへッ」

「ふん・・・この僕を誰だと思っている・・・日本チャンピオン、いっちゅう院・・・・・」


真琴「噛んだ!」


「噛んでない!噛んでやったんだ!」


「しかも世界放送ですごい、いい訳!」

「やばっ・・・同じチームなのが・・恥ずかしくなってきた・・・」


みかんは一郎の行為に、同じチームとして恥ずかしなり、赤面した。


「お・・おまえなんて・・・ぜ・・全然怖くないのだよ・・」


ガタガタ。

顔色は大分よくなったが、足の震えはまだ収まっていなかった。


「足・・・めちゃくちゃ震えています・・・・」

「コレ以上・・・恥の上塗りはしないでよね・・・・」

「強がりあそこまでいくと・・・おもろいなー」


控室から一郎に対して、散々な評価が下される。


2ターン目

一郎 ライフ15 手札5

ゲッドバッド ライフ15 手札5  


「ゲへへッ・・俺のターンドロー!俺はダブル召喚を使うぜぇ・・・」


ゲッドバッドは両手を交差し、掻き毟るようにカードを引くと、2枚のバーチャル映像の手札に触れる。


「俺は場に、ナイトキラーとバ―サ―クキラーをダブル召喚!」


ゲッドバッドの場に2体の戦士族モンスターが召喚された。


カード情報

ナイトキラー レベル5 種族戦士族 属性風 超能力????

バ―サ―クキラー レベル6 種族戦士族 属性火 超能力????


「俺はァ!2体のモンスターを合体させ・・ミッドナイトキラ―を合体召喚!」


ゲッドバッド場に、黒い喪服を着た、双剣の戦士族モンスターが合体召喚された


カード情報

ミッドナイトキラー レベル11 種族戦士族 属性土 超能力????

合体条件 キラーと名が付くモンスター2体


「レベル11か・・・」・


一郎は、あのモンスターなら、骸骨剣士の超能力で倒せるかもしれない。

そう判断した。


「俺はミッドナイトキラーで骸骨剣士を攻撃ィィィ!」


ミッドナイトキラーは骸骨剣士に向け走り出す。


「甘いわ!僕は骸骨剣士の超能力を発動!骸骨剣士はバトルするときサイコロを一つ振り、その出た目の数×2、このターン・・レベルを上昇させることができる!」

「甘ちゃんなのは・・テメェーだ!ゲへッ・・ミッドナイトキラーの超能力発動!このモスターとバトルするモンスターは、このターン、超能力を使用することはできない!」

「何ィ!」

「よってェ・・骸骨剣士ちゃんはレベル1のまま、サイコロを振ることはできない!」


骸骨剣士の超能力によって現れたサイコロは、振られる前に消えてしまった。


「いけェェェ!ミッドナイトキラー!ゴミ屑のように切り刻め!」


レベル1の骸骨剣士に、レベル11のミッドナイトキラーは双剣で襲いかかる、


「蹂躙双剣!」


グサッグザッグサッグサッグサッ。


「骸骨剣士を破壊ィィィィ!」

「くっ僕は・・・呪文発動!アンデット復活!このターンバトルで破壊された通常モンスター一体を、墓地から呪文召喚することができる。僕はいま破壊された、骸骨剣士を場に呪文召喚する!」


一郎の場に、骸骨剣士が呪文召喚された。


「ゲへ~・・へっへっへ・・・生贄は粋がよくないとな・・犯しがいないぜ・・・」


一郎は震える足をおさえ、ゲッドバッドに言い返した。


「そ・・その台詞は、ぼ・・僕の台詞だね・・・たかが死刑囚ごときが・・・」

「アアッ!」

「ヒィィィィ!」


ゲッドバッドの、特殊メイクによる風貌からの一喝は、一郎をすくみあがらせた。


「ゲッヒッヒっヒッヒッヒ・・・怖がるなよ・・・お坊ちゃん」

「だ・・誰が!お坊ちゃんだ!」

「足掻けよ・・・足掻け足掻け足掻け足掻きまくれよ!そして最後に俺が・・・お坊ちゃんを犯してやるよぉぉ・・」

「うう・・・」


なんとか、恐怖を乗り越えようと耐えてきた一郎の表情が、また曇ってきた。


「だ・・ダメです・・・伊集院くんの表情が・・・また青ざめてきています!」


佐衛門はさきほどからゲッドバッドを見ていて、その演技のヘタさにあきれはてていた。


「それにしても・・・あのゲッドバッドというお方・・・演技がヘタどすな・・あれで騙せるのは伊集院くらいのもんやろ・・・・うちの演技とくらべたら月とすっぽんや」

「あんたはね・・・プロだし・・」・

「月とすっぽんか・・・ふっ・・・それは闘技場の二人にもいえるな・・・」


マリアは、いま闘技場の上にいる二人の関係を見て、そう思った。


「そうかもしれません・・でも・・・師匠ならきっとこう言います・・・すっぽんだって最後まだあきらめなければ・・・・月にだって勝てるって・・・・・」


その真琴の言葉に、他のメンバーも同意する。


「たしかにね・・・空なら」

「そうどすな・・空はんなら」

「そうだな・・・あの人なら」


だが、空をあまり知らない、医務室からちょうど戻ってきた、クルトだけは、その言葉に疑問を抱いてしまう。


「いや・・・すっぽんでどうやって勝つの?ビームとか出すように改造するの?」


闘技場の上の一郎は、気を落ち着かせるため、呼吸を整えていた。


「ふーふー・・・」

(落ち着け・・・落ち着け・・・エリートで天才のこの僕・・・・くっダメだ・・・震えが止まらない・・・くっそ・・・ここまできたら、認めよう・・・僕はヘタれだ・・・・なさけない男だ・・・・だが、ここで相手にビビってあきらめるような・・・クズにだけはなりたくない・・・・僕は・・・・)


「いじゅういーーーーーーーん!」

「!」


観客席で応援する空から、またドーム中に響くほどの声が聞こえる。


「声だせーーーーーーーーーーーーー!」

「?」

「大声だせ――――――――――――――!」


その言葉に、空が自分に対して、何を言おうとしているのかを気づく。


「・・・・・・・・・・ふぅ・・・・わかったよ・・・君を信じてあげるよ・・・感謝したまえよ・・・ふぅ・・・」


伊集院は、息を大きく吸い、それを大声に変え、吐きだした。


「うあああああああああああああああああああああああああああああ!」

「!」

「よしっいいぞ!伊集院!がんばれ!」


さすがのゲッドバッドも、その奇行には驚いてしまった。


「!・・な・・なんだ?い・・いきなり・・・頭がイカレタか・・・こいつ・?」


声を振り絞った後の一郎は、どこか晴れやかな顔になっていた。


「ふぅ・・・・・少しスッキリした・・・・・・」


一郎はキッと、ゲッドバッドを睨みつけ宣言した。


「僕はもう負けない!」

「ハァ・・?この俺にか?」

「いや。僕自身にだ!」

「ハァ・・?・・こいつ・・・ホントにビビって、頭おかしくなったようだな・・・」

「おかしいさ・・・・いまの僕は、いつもよりずっとおかしい・・・でも・・・とっても気分がいいんだ・・・最高だ!」

「ゲへッ・・・その最高の気分・・・犯して・・最悪にしてやるぜェ・・・俺のターンは終わりだ」



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