大地VSドイツ代表 メンコ・カスケード 〈監督の策略編〉
2回戦が終わり、タイミングよく、椅子で寝ていた大地が目を覚ました。
大地は3試合目に出場予定なのだ、2試合目が終わったことで大地は闘技場に向かおうとした。
それを空が笑って送りだす。
「大地・・・次はおまえの番だな・・・がんばれよ」
「・・・・・・・・・いってくる・・・あと、俺には応援はいらねェー・・俺は絶対負けねェーからな」
「ああ、わかった。応援してる」
「チッ・・・・・勝手にしろ」
そう大地が小声で悪態をつき、控室のドアノブに手をかけよとした時。
ドンドン。
「!」
ドアの外から強いノックがされる。
ガチャ
そしてすぐさま、控室のドアが開けられた。
現れた人物は。
「はーーい。日本チームのみなさーん・・・ごきげんよう」
長い金髪で、眉が少し太めの少女だった。
いきなり目の前に現れた少女に。大地が対応する。
「誰だ・・テメェーは?」
「わたしドイツ代表のメンコ・カスケードよ・・・」
「そのメンコか、メンマしか知らねェーが、ここに何のようだ?どけッ・・俺は次の試合に出るんだ」
金髪の少女は、大地を顔をまじまじと見た。
「へー・・あんたがね・・・ラッキー・・・・」
「ラッキー?・・だと」
「あんたの次の相手は、わたしだからね・・・」
「そうかい、それでなんだ?・・・対戦者の俺に挨拶にでもきたのか?」
「そんなわけないでしょ・・・あなたたちを褒めにきたの・・・」
「あ?」
「強かったわ・・・・・特に空・・・・あなたの戦いはビューティフルーよ・・惚れぼれしたわ・・・・このわたしと付き合いなさい!」
「えええええ!いきなり!告白!」
真琴はドイツ代表のメンコ・カスケードから告白に驚愕した。
「ん?オレと?」
「そうよ・・・あなたのカードバトルは、わけあってね・・・日本本代表を決める敗者復活戦から見ていたのよ・・・そこのドラゴン四天王のである、山田 大地を打ち倒す姿をね・・それから、ずっとずっと・・・気になっていたの」
(ドラゴン四天王?)
真琴はその聞き慣れ言葉に反応した。
「そうね・・・次の試合・・・そうだ、そこのドラゴン四天王である、その男をコテンパンにしてあ・げ・る。そうしたら付き合ってもらうわよ・・・いいわね、オケェーね、はい、決まり!じゃーねーバーイバーイ・・ウフフ」
そう言ってメンコ・カスケードは、笑いながら次の試合のために、闘技場へと向かった。
「な・・何なんでしょうか・・・あの人?・・い・・いきなり現れて、いきなりとんでもないこといって、いきなり去って行きましたよ・・・こちらに何もいわさずに・・・」
「ほっときなさいよ・・・ただの馬鹿でしょ・・・ああいうのとは、関わるだけ損よ・・・」
「そうどすな」
みかんの言葉に佐衛門も同意する。
「で・・でも・・・ご・・強引な人でしたね・・・どういう人なんでしょか?」
日本代表の監督であるマリアが、その疑問に答える。
「ドイツ代表 メンコ・カスケード・・・ドイツの実力NO2にして、ドラゴン四天王の1人だ・・・・・その男と同じでな」
マリアが視線だけを、大地に向けた。
「え?大地くんが・・・ドラゴン四天王!・・・・・・って、なんなんですか?」
「ドラゴン四天王というのは、ドラゴンデッキ使いの頂点に立つ・・4人の者たちのことだ・・」
「そ・・・そうだったんですか・・・・だ・・大地君が・・」
「そうだったのか大地?」
空かの質問に大地が答える。
「チツ・・・知らなねェーよ・・勝ってたら、勝手につけられただけだよ・・・めんどくせー」
「でも、カッコイイなー・・ドラゴン四天王かーオレも、スライム四天王とかいわれないかなー」
「そ・・それはなんか・・ドラゴンと比べると・・・威厳がないような・・」
「行ってくる・・」
大地は、次の試合のため、闘技場に向かおうとする。
「ああ・・・がんばれよ、大地」
「・・・・・だから、応援はいらねェー」
「ああ、応援してる」
「チッ」
闘技場の上で、メンコと大地が睨みあう。
「ふふーん・・・同じドラゴン四天王して決着つけましょう・・どっちが強いかね・・・」
「・・・・・・・・」
その、ドラゴン四天王の二人を見て、観客席では歓声が巻き起こる。
観客の一人が、その様子を見て、興奮したように隣の友人に話す。
「見ろ見ろ。ドラゴン四天王同士のカ―ドバトルが始まるぜ・・・見応えがありそうだぜ」
「そうかー・・大したカードバトルにならないと思うがねー」
「なんでだよ?ドラゴン四天王だぞ・・ドラゴン四天王!世界のトップクラスのカードバトラーの戦いだぜ」
「おれさー・・以前、ドラゴン四天王同士のカードバトルを、見たことあるんだよな」
「おっ!・・で?で?・・どうだった?すげぇかった?」
「ああ・・すげくて・・・・震えあがった・・・・」
「そうか・・・じゃあこのカードバトルも・・」
「いや・・それはないな」
「ない?・・なんで・・・」
「おれが見たのは、歴代のドラゴン四天王の中でも最強といわれる・・龍堂 龍也のカードバトルだ。相手のドラゴン四天王は、かわいそうだったぜ・・・その圧倒的力の前に蹂躙され、ボロボロにされ、あまりの実力の違いに、見ていられなかったぜ・・・・噂では負けたソイツ・・・酷い負け方をしたせいで、モンスタートランプを引退したらしい・・・」
「マジかよ・・・・そんなに強いのかよ・・・・」
「ああ・・・その戦いに比べれば、このカードバトル・・・見る価値もないショボい戦いになるだろうぜ」
闘技場の上のメンコは、大地を見下すように見た。
「ふふーん・・・あなたをコテンパンにして、空の恋人にさせてもらうわよ」
試合開始のアナウンスが流れた。
『それでは第一回戦、第一試合・・・』
「あーいいか・・」
大地が手をあげ、アナウンスが流れを止めた。
そして、とんでもないことを言った。
「俺の負けだ」
「!」
「俺の負けだ・・・このカードバトル・・・」
『え・・・・・ええええええええええええええええええええ!』
その宣言に控室、観客席から声があがった。