みかん&佐衛門VSドイツ代表 バーゲンダ&グッド
ワールドカップ第一回戦、第一試合先鋒戦を日本チームが制し、二試合目次鋒戦が始まる。
控室で空は尋ねた。
「次の試合は誰が出るんだ?」
「あたしよ!」
「うちどすな・・・」
空の言葉にみかんと佐衛門が名乗りをあげた。
「2人もか?」
その空の言葉に、みかんはあきれた顔をした。
「あんた・・・・ダブルスも知らないの?」
「ダブルス・・・?」
「2対2でカードバトルすることよ」
「へーそんなのあるのか・・・・・じゃあ二人ともがんばれよ」
「がんばるし、勝つしね」
佐衛門は空の言葉に、やる気をいっそう増した。
「空はんが見ているまえで・・・無様な醜態を見せるわけにはいきまへんな・・・」
ガチャ。
2人は控室を出て闘技場に向かっていく。
第二試合はダブルス、みかんと佐衛門のコンビバトルだ。
二人は闘技場向かう道中、何か話しをしている。
だがこれから組んで戦うというのに、二人の雰囲気はどこかギスギスしていた。
みかんは佐衛門にけん制するように言った。
「いっておくけど・・・あんた。あたしの足で纏いにはならないでよね・・・・オカマ」
「みかんはんこそ・・・うちの華麗なるカードバトルの邪魔せんといてな」
お互い闘技場に着くまで、顔も見ようともしなかった。
二人は控室の通路からバトルドーム内に入る。
中央に1つしかない闘技場の上で、相手選手二人が先に立っていた。
「あいつらが相手ね・・・」
「そうみたいやな・・・・」
みかんと佐衛門が、その二人を視認した。
相手の容姿はおよそ、カードゲームをするような者には見えなかった。
モヒカンとスキンヘッド、そして黒いジャケット、暴力的イメージを彷彿とさせた。
モヒカンが、みかんと佐衛門を見て相方のスキンヘッドに話す。
「おっ・・女じゃん・・女・・・結構かわいいかも、俺様あの着物の女、好み」
「おいアレ、男だゼ」
「マジかよ!隣の女よりかわいくね?逆ならよかったのになー」
ブチッ。
みかんの方から何かがブチ切れる音がした。
「アイツラ・・・ブッコロす・・・」
「みかんはん・・・ただの挑発どす。乗ってはいけまへんえ」
モヒカンの男がまたスキンヘッドの男に喋る。
「それにしてもよー・・・さっきのカードバトル・・ショボかったなー」
「!」
「ケケケっそうだな・・・マルドの奴も負けちまいやがってからに、ざまあねェ・・・ケケケっ。チームで一番強いからって、調子乗ってるからだよボケッが!負けてスッキリしたゼッケケケっ」
「ダハハハハハハハハッあいつ強いからって偉そうだったもんなー・・・負けていいきみだぜーダハハハハハハハハハッ」
それを聞いてみかんと佐衛門は、相手チームの選手のこととはいえ、自分達の仲間を貶している者たちに対し、怒りを感じていた。
「あいつら仲間を・・・・・」
「あまりいい品格をしているとはいえまへんな・・・」
さらに二人は、今度は相手選手である空を貶し始めた。
「それによー相手もメチャユルそうな奴でよーダハハハハハハッ」
「言えてるぅ何がワクワクだよ、バカじゃねェー・・ダセェ・・・・ケケケッ」
「よくそんな間抜けなことをこの場で言えたもんだ・・・気持ちわりィ!ダハハハハハハッ」
「できればあのバカとは、俺っち達が戦いたかったゼ。そしたら楽勝!ケケケケケケケケケケケっ」
二人の場違いな者たちの笑い声がバトルドーム内に響く。
「・・・・みかんはん・・・」
「何?・・佐衛門・・・」
「うちら・・・絶対勝つどす!」
「ええ・・・全力全開フルアクセルでぶっ潰す!」
二人はさきほどの険悪なムードから一転、ガシっと手を組み、お互いの勝利を誓いあうほどに友情が芽生えていた。
それを控室のモニターから見ていた空は、二人の仲のよさとやる気に感心していた。
「あいつら・・燃えてるなー」
その空の言葉を聞き真琴が言う。
「それはやはり、好きな人をバカにされたからではないでしょうか?」
「好きな人って?」
「いえ・・・・何でもありません」
(鈍感すぎますよ・・・・師匠)
闘技場の上でモヒカンとスキンヘッドは、みかんと佐衛門を挑発した。
「さあメス豚ども・・・かわいがってやるよ。かかってきなぁ」
「オスも混じってるがな・・ケケケッ」
その言葉にみかんと佐衛門は、怒りのボルテージはグングンあげていた。
「こいつらぁ・・・」
「まったく・・・下品で品格ゼロのおバカさん達どすな・・・・・」
「佐衛門!こいつらだけには絶対負けないわよ!」
「同感どす。みかんはん」
ガシっと、二人は、また腕を組んだ
『それでは第一回戦、第二試合、日本代表 愛媛みかん選手と明智 佐衛門選手VSドイツ代表 バーゲンダ・グロウ選手とグッド・ケニィッヒ選手のカードバトルを始めます。デッキスキャンをします。四者デッキを前に』