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モントラ  作者: ゆう
1章
40/49

空VSドイツ代表 マルド・マルク④


(ワタシが・・・・このワタシが・・カードバトル中に笑っているだと・・・?バカな・・・!カードバトルを・・・あいつとの戦いを楽しんでいるというのか?・・・・ありえない・・・・・・いやもしかしたら・・・・いや・・・・・そんなこと・・・)

「くっ・・・・・・・・・・ワタシのターンは終わりだ」


8ターン目

空 ライフ1 手札0

マルド ライフ1 手札1

空のターン


「オレのターンドロー・・・オレは呪文、スライムの宝石を発動!スライム族合体モンスター1体を墓地に送ることによって、デッキからカードを3枚引くことができる。オレはパラディンスライムを墓地に送り、デッキから3枚のカードをドローする」


空は呪文によって、パラディンスライムを墓地に送り、デッキからカードを3枚引いた。

そして手札に触れ召喚を発動させた。


「オレはランサースライムを召喚」


カード情報 

ランサースライム レベル1 種族スライム族 属性火 超能力????


「オレのターンを終わりにする・・・」


控室では真琴たちが、そのお互いライフ1という緊張感あるカードバトルを見守っていた。


「ううっ・・・緊張しますぅ・・・2人ともライフ1での攻防・・・手に汗を握りますぅ・・・・」

「ったく・・・・あんたが緊張してどうするのよ?戦ってるのはあんたじゃないでしょ?」

「そ・・そうですけど・・・そうなんですけど・・・ううっ・・・」

「まぁ・・・気持ちはわかるで・・・うちも空はんを見ているとドキドキしますから」


「あんたのそれは、違う緊張だから!」


赤らめた顔に扇子をあてる佐衛門に、みかんが突っ込む。

その緊張感なのやりとりに、横で見ていたクルトがあきれたような顔をしていた。


「まったく・・・こんな場面でよく騒げるね・・・・・・ホント・・・変わったチームだよね、このチーム・・・味方の大事なカードバトルだっていうのに、全体的に緊張感がない」


クルトは控室全体を見て、この状況で真琴以外、ほとんどのメンバーが顔色を変1つ変えず、空のカードバトルを見ていることを指摘する。

その言葉に姉、マリアが答える。


「みんな信じているのさ、空を・・・・」


そのマリアの表情は、弟のクルトでもドキッとくるものを感じた、クルトは空という人物がどれだけ姉に信頼されているのかわかった。


「信じる・・・・・か・・・・でも、信じても、結局裏切られるだけなのに・・・・・」


クルトはどこかさびしそうな顔をした。


「おまえもだろう・・・」

「え?」

「おもえも信じているのだろう?・・・空が勝つと・・・・・」

「・・・・・そうだね・・・わりと信じているかも・・・・」


姉とは目を合わせずクルトは答えた。


「ふっ・・そうか・・・・・・私はこのチームが好きだよ。できれば私も選手としてこの大会に参加したかった」

「姉さんは・・・・監督として、この大会に参加しないと意味がないんじゃなかったけ?」

「そうだったな・・・・一時の気の迷いだ・・・・許せ」

「許すもなにも・・・・・・・・いや何でもない・・・」


クルトは何かを言いかけたが、その先の言葉を飲みこんだ。


9ターン目

空 ライフ1 手札2

マルド ライフ1 手札1

マルドのターン


「ワタシのターンドロー・・・・」


ツー・・・・。


「!」


マルドは自分の額から、汗が流れ落ちるのを確認した。


(・・・・汗・・・・・だと?・・・・このワタシが?・・どんな時も冷静沈着で不動の精神を持つ・・・・このワタシが・・・・汗・・・だと・・・・・)


マルドはじっと、空を見た。


(なんなんだ・・・コイツは・・・・・コイツとやっているとワタシの感情が揺さぶられる・・・・ワタシはコイツに勝ちたいと思う、だがそれは国のためではない・・・・・・

自分のために勝ちたいと思ってしまう。自分の意思で、自分の力で・・・・・なんなんだ・・・この胸の高鳴りは・・・・これが・・・ワクワク・・・?)


「・・・・ワタシはガーゴイルクラスターでランススライムに攻撃!超高速爪(スーパースピィ―ディークロー)」


ガーゴイルクラスターの爪がランサースライムを裂いた。


「ランススライム破壊!」


空は呪文を発動させた。

「呪文発動スライムの回復薬!モンスター一体は、オレの墓地にあるスライム族モンスター数だけ、このターン再生することができる。オレの墓地には4体のスライム族モンスターよって、このターン、4回再生することができる」


「よしっ・・・これで師匠はこのターン、ガーゴイルクラスターの攻撃をすべて防ぎきることができます」


ここからガーゴイルクラスターの連続攻撃がランサ―スライムを襲った。


「ガーゴイルクラスター・・レベルを13に下げて、もう一度攻撃だ!超高速爪(スーパースピィ―ディークロー)・・・・・・ランサースライムを攻撃・・・・ランサースライム破壊!」


ガーゴイルクラスターはさらにレベルを10に下げてもう一度攻撃した。


「ランサースライムを攻撃・・・・破壊!」


ガーゴイルクラスターはレベルを7に下げてもう一度攻撃した。


「ライサースライムを攻撃・・・・破壊!」


いよいよランサースライムの再生回数が終りをつげた。


「これで最後ダ!もうこれで再生はできないゾ。ランススライムを破壊させてもらう!ガーゴイルクラスター、ランサースライムを攻撃!」


レベル4にまで下がったガーゴイルクラスターの攻撃が、レベル1のランサースライムを襲う。


「オレは呪文発動!リバイブファイヤー!」


空は攻撃が当たるまえに、呪文を発動させた。


「この呪文はこのターン、場のモンスターが再生を行った回数×3、相手にプレイヤーにダメージをあたえることができる」

「何ィィ!・・・再生回数×3のダメージだと!・・・・このターン行った再生回数は全4回・・・」

「ああ、マルド・・・あんたに12ポイントのダメージをあたえるぜ」

「くっ・・・だが・・・ワタシは呪文、ガーゴイルの鳴き声を2枚発動!この呪文は場にガーゴイルと名が付くモンスターがいる時に発動できる。ワタシはこの呪文が発動して、2ターンの間、自らが受けるダメージを10ポイントまで軽減することができる」


控室で見ていた真琴は、その呪文効果に驚愕した。


「2ターンの間、10ポイントも!」


「ワタシが発動させたのは2枚・・・よって2ターン間、受けるダメージを20ポイントまで軽減できる」


空のリバイブファイヤーが、マルドを直撃するが、その呪文は見えないバリヤーによってすべてのダメージを無効化された。


「師匠の12ポイントのダメージが、すべて無効化された!それにまであと2ターンの間、8ポイントのダメージを軽減できる」


「ワタシは、レベル4のガーゴイルクラスターでランススライムを攻撃!」


空はさらに手札に触れ、呪文を発動させた。


「オレは呪文発動!レベルダウンアップ!この呪文はモンスター1体のレベルを、場にいるすべてのモンスターのレベルが下がった分、プラスすることができる」

「なにっ!」

「ガーゴイルクラスターのレベルは16から4まで下がっている・・・・よって、レベル1のランサースライムのレベルは13にまで上昇」

「ぐッ・・・」

「ランススピア!」


ランサースライムの持つ槍が、ガーゴイルクラスターを貫いた。


「ガーゴイルクラスターを破壊!」


「くっ・・・だが、まだワタシは、負けたわけじゃない・・・」

「ああ・・まだオレの攻撃は続くぜ」

「!」

「ランススライムは相手モンスターを破壊した時、その破壊したモンスターの上回ったレベル分、相手にプレイヤーにダメージをあたえることができる」

「!・・・ランススライムのレベル13・・・破壊されたワタシのガーゴイルクラスターのレベルは4・・・・」

「ああ、上回ったレベルは9・・あんたに9ポイントダメージをあたえる!そして呪文ガーゴイル泣き声で軽減できるダメージは残り8・・・・あんたは1ポイントのダメージを受ける」


ランサースライムがマルドに槍を突き刺す、マルドの呪文によるバリヤーを貫き1ポイントのダメージをあたえた。

マルドのライフは0になった。


「くうううううっ!このワタシが負けた・・・・」


『空選手の勝利』


勝利者へのアナウンスが流れる。

その様子を見ていた控室では、喜びの声があふれた。


「やったーー!ワールドカップ第一試合に師匠が勝ちました!」

「うむっそうだな・・・・」

「やったわね、空」

「空はん、カッコいい・・・・(ポッ)」

(チッ・・・ハラハラさせやがって・・・・)

「ま ゲームよりずっと面白いカードバトルだったかな・・・・」

「まあ・・・この戦い、僕がでていたら、もっとスマートに勝てたけどね」

「お漏らしした奴が言う台詞じゃねェーだろ!ボケッ!」

「僕はお漏らしてない!」



(ま・・・負けた・・・・このワタシが負けた・・・あんな奴に・・・・・いや、あんな奴だからこそ負けたのか・・・・だが、悪くない・・負けるのも悪くない・・・・・負けることがこんな気持ちいいものだとは知らなかった・・・いや・・・・忘れていた・・・・死力を尽くし、戦い、負ける悔しさのなかにあるこの充実感・・・・・・すべてあいつのおかげか・・・・自分のために全力で戦う・・・この気持ちを思いださせてくれた・・・あいつの・・・・・)


マルドは空に向かって歩く。


「ありがとういい試合だった」


そしてマルドは、空に向かって握手を差し出す。

それを空は握った。


「ああ、楽しいカードバトルだったぜ、マルド・・・またやろうぜ」

「・・・・初めてだよ・・・・また同じ奴と戦いと思ったのは・・・」

「そうか・・じゃあまたやろう」


マルドは充実した顔で、闘技場を降り、チームの控え室に戻っていった。


ガチャッ。

空は控室のドアを開ける。

そこには、みんなが待っていてくれた。


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