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モントラ  作者: ゆう
1章
38/49

空VSドイツ代表 マルド・マルク②


1ターン目

空 ライフ15 手札5

マルド ライフ15 手札5

マルドのターン


「ワタシのターン、ドロー」


マルドは手を横に振るモーションで、バーチャル映像のカードを引いた。

そしてバーチャル映像の手札に触れ、召喚を発動させた。


「ワタシは手札から、ガーゴイルクイーンを召喚!」


マルドの場に、羽を持つ悪魔族モンスターが召喚された。


カード情報

ガーゴイルクイーン レベル3 種族悪魔族 属性 土 超能力????


「このモンスターが場に召喚された時、このターン、手札にあるガーゴイルと名が付くモンスターを好きなだけ場に出すことができる。私は手札にある、ガーゴイルハンター、ミストガーゴイル2体、キラ―ガーゴイルの4体を場に超能力召喚する」


マルドに場にさらに、羽を持つ悪魔族モンスターが4体超能力召喚された。

その5体のモンスターが揃う光景に、真琴は驚愕する。


「い・・・いきなり5体のモンスターを・・・」


「この超能力で召喚されたモンスターは、攻撃に参加できず、ターン終了時に破壊される。そしてワタシは場にある5体のガーゴイル達を合体させる!」


5体のガーゴイル達がくっつき、新たなるモンスターが生みだされる。


「疾風の王ガーゴイルクラスターを合体召喚!」


マルドの場に、機械的な羽と体を持つ、悪魔族モンスターが召喚された。


カード情報

疾風の王 ガーゴイルクラスター レベル16 種族悪魔 属性風 超能力????

合体条件 5体のガーゴイルと名が付くモンスター


「ご・・5体合体!1ターン目でいきなり・・・!し・・・しかもレベル16ぅ!」


驚きを隠せない真琴に、みかんが言った。


「これはちょっとした賭けよね・・・あのモンスターがすぐにやられたりしたら、手札をほぼ失った相手はかなりピンチ・・・逆に・・・生かしきれば、空がピンチね」

「で・・・でも・・・いきなりあんな大胆な戦術でくる人だったなんて・・」

「クールそうに見えて・・結構・・・熱い人みたいだね・・・・」


クルトは少し関心するように、マルドを見た。

空はそのモンスターを見て喜びを隠すことができなかった。


「おおー初っ端から5体合体か・・すげェーな・・・ワクワクしてきた」

「!・・・ワクワクだと?」


空の言葉を聞き、マルドは反応した。


「何を言っているのだ貴様は?カードバトルにおいてワクワクなど論外。存在しない言葉である。その心の緩み・・・それがカードバトルの勝敗を決めると知れ!ワタシに負けそれを学習するがいい」

「いやー・・・そう言われても・・・ワクワクは止められないしなー」

「止める必要はない。ワタシが貴様の息根を止める」

「おっ・・その台詞、なんかもっとワクワクしてきたぞ」

「貴様・・・ワタシを愚弄するか・・・・貴様に国を背負って戦う資格などない。この場に立って、相対しているだけでも不快だ」

「国って・・・たしかにそうかもしれないけど・・・・これはオレ達の戦いでもあるんだぜ・・・もっと楽しもうぜ」

「却下である!」

「やっぱ、頭固い奴・・」


大地は、控室のモニターから少し離れ、椅子に寄りかかりながら、空のカードバトルを見ていた。


(チッ・・・空・・・そんな野郎に、負けるんじゃねェーぞ・・・・)



マルドは、自分のターンにできることを終わらせた。


「ワタシのターンは終わりだ」


マルドの宣言とともに、ターンは空に移る。


2ターン目

空 ライフ 手札5

マルド ライフ 手札1

空のターン


「オレのターンドロー・・・オレはドックスライムを召喚!」


空の場に、犬型のスライム族モンスターが召喚された。


カード情報

ドックスライム レベル1 種族スライム族 属性土

超能力 1ターンに一度再生できる。


「オレはドックスライムで、疾風の王 ガーゴイルクラスターに攻撃!」

「!」


空はレベル1のドックスライムで、レベル16のガーゴイルクラスターに攻撃するよう、宣言した。

だが、ドックスライムの小さな体は、疾風の王ガーゴイルクラスターにはじかれ、破壊された。

その破壊された瞬間、空は自分の手札に触れ、呪文を発動。


「ドックスライムが破壊された瞬間!呪文、スライム連鎖爆弾を発動!」


クルトはその呪文をみて、新撰組とののカードバトルを思いだす。


「あの呪文は・・・・お兄さんが新撰組を倒した呪文だ」


「この呪文は、自分のモンスターがバトルで破壊された時に発動できる。場にいるモンスター1体を破壊することができる・・・・オレは、疾風の王 ガーゴイルクラスターを破壊」


呪文により、ドックスライムが大爆発。

疾風の王 ガーゴイルクラスターはそれに巻きこまれた。


ドカーーーン。


その光景を見て控室でモニターを見ていたみかんは喜んだ。


「やったわ!」

「まだだな・・・」

「え!」

「アレを見ろ・・・」


マリアは爆煙の中を指さす。

その中から、疾風の王 ガーゴイルクラスターが現れる。


「!・・・無傷・・・」



「ワタシは墓地からミストガーゴイルの超能力を発動させた。自分の場にモンスターが1体しかいない時にこの超能力は発動できる。ミストガーゴイルをデッキの一番下に戻すことによって、相手の呪文による破壊を無効にする」

「そうか・・・・その超能力によってオレの呪文を防いだのか・・・」

「そうだ」

「・・・・まだ墓地にはもう1枚のミストガーゴイルがいる・・・・呪文で倒すのはなかなかきつそうだな・・・・・・・・じゃあオレは、破壊されたドックスライムを再生する」


破壊された、ドックスライムが再生されていく。


「・・・・オレのターンは終わりだ」


3ターン目

空 ライフ15 手札4

マルド ライフ15 手札1

マルドのターン


「ワタシのターン・・ドロー!・・・ワタシは疾風の王 ガーゴイルクラスターでドックスライムを攻撃!」


マルドを人差し指を、ドックスライムに向けた。

疾風の王 ガーゴイルクラスターは大きな機械的な羽をはばたかせ飛んだ、そしてジョット噴射のように羽から炎を噴射し、空に飛び上がった。

そしてぐるぐると空を回りながら、その勢いで、地面にいるドックスライムを攻撃した。


「超高速爪(スーパースピィ―ディークロー)」


ガーゴイルクラスターの超高速の爪で、ドックスライムは切り裂かれた。


「ドックスライムを破壊!」


「でもドックスライムには再生能力があります・・大丈夫です」


真琴の言葉どうり、ドックスライムは再生を行った。


「ドックスライムの超能力発動!ドックスライムは1ターンに一度再生できる」


「これなら、相手がどんなレベルが高くても・・倒せませんよ」


強敵からの攻撃を防ぎきり、真琴は安堵した。



「安心したか?」

「!」


マルドは空に向かって、言葉を投げかける。


「安心するのはまだ早い!ワタシの攻撃はまだ完了してはいない。ワタシは疾風の王 ガーゴイルクラスターの超能力を発動!ガーゴイルクラスターはこのターン、レベルを3下げることによって、もう一度攻撃を可能にする。この超能力は1ターンに5回まで発動可能!」


「なぁっ!5回ィ!じゃあ・・5回連続攻撃が・・・できるってことですか・・・!」


真琴はその恐るべき超能力に驚愕した。


「さすが世界大会やな・・・・日本大会とはレベルが一つも二つも違うどす・・・」


佐衛門は開いた扇子を顔に当て、あらためて、この大会のレベルの高さを認識した。



「ワタシはガーゴイルクラスターのレベルを、16から13に下げて、もう一度ドックスライムに攻撃!」


再度、ガーゴイルクラスターはドックスライムを攻撃した。


「超高速爪(スーパースピィ―ディークロー)」


さきほどと同じように、ドックスライムは超高速の爪により切り裂かれた。


「ドックスライム破壊・・・今度はもう再生はできないぞ。さらにガーゴイルクラスターのレベルを、13から10に下げて、相手プレイヤーに直接攻撃!」

「ッ・・・・!」


ガーゴイルクラスターの超高速の爪による攻撃が、空を直撃した。


空の残りライフ5。


「さらにレベルを7に下げて・・・4回目の攻撃!」


「ああっ!この一撃を師匠が受けたら負けちゃいます!」


攻撃が当たる前に空は呪文を発動させた。


「オレは手札のダメージスライムの超能力を発動!自分が相手モンスターに直接攻撃を受けた時、このモンスターを手札から場に超能力召喚することができる。オレはダメージスライムを超能力召喚!」


空の場に、傷だらけのスライム族モンスターが超能力召喚された。


カード情報

ダメージスライム レベル3 種族スライム族 属性土 

超能力 相手モンスターに直接攻撃を受けた時、このモンスターを手札から超能力召喚できる。


「フン・・・時間稼ぎ・・そんなもの、ワタシのまえでは無意味!ワタシはガーゴイルクラスターのレベルを10から7に下げて、ダメージスライムを攻撃」


ガーゴイルクラスターにより、ダメージスライムは破壊された。


「ダメージスライム破壊!さらにもう一度ガーゴイルクラスターのレベルを4に下げて、相手にプレイヤーに5回目の攻撃!」


ザン。


空はその攻撃を受けた。

空の残りライフ1。

「ああっ・・・し・・・師匠のライフがあと・・残り1に・・・・」


真琴は絶望した顔で、友人のカードバトルを見ていた。

マルドは冷たい視線で空を見た。


「わかっただろう貴様。これがカードバトルという真剣勝負を舐めた、貴様の結果だ。貴様は何もできず、絶望のまま負けろ・・・・だがこれは貴様にとってはいい学習なるだろう。カードバトルをワクワクしながらやるなどという、間違った気持ちでやらなくなるのだからな・・・」


空はこの状況で笑っていた。


「!・・・貴様ァ・・・・何を笑っている?」


クールな表情から一変、マルドは激怒した。


「いやな・・・・・ここからどう逆転するか考えただけで、ワクワクしてきてさ・・・・・・」

「愚か者がァ・・・・・アホウは死ななきゃわからないというのは、本当のようだな。いいだろう・・・・貴様に引導を渡してやる。覚悟する必要はない、もうワタシの勝ちは決まっているのだ、貴様はただそれを受け入れろ」

「やだね・・・・べーー・・」


空は舌を突き出した。


「最後までオレは、あきらめない」


空は、拳を顔のまえに持ってきて、それを、グッと握った。


「どう足掻こうと、このカードバトル・・・国を背負って戦うワタシに、貴様のような、ただ自分のため、楽しむためだけに戦う者が、敵うわけないのだ」

「・・・・あんたは、なんのためにモンスタートランプをやっているんだ?国のためか?それとも自分のためか?」

「黙れ!無駄口は終わりだ!・・・・ワタシのターンは終わりにする」


空からの質問にマルドは、まるでそれ以上の追及を恐れるかのように打ち切った。

シンプルの質問だが、その質問はマルドにとって考えさせられる、そして考えたくない質問であった。


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