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モントラ  作者: ゆう
1章
37/49

空VSドイツ代表 マルド・マルク

パン。パン。パン。パン。


ワールド大会の開会式が終わり、ハワイの青い空に、乾いた花火の音が鳴り響いた。

今日、ハワイのバトルドームで、日本チームの、第一回戦の試合が始まろうとしていた。


第一回戦の、日本チームの対戦相手はドイツチーム。

前回ベストエイトの強豪だ。

バトルドームの中央にある、闘技場の上で、一試合目に出る選手の2人が立っていた。

一人は日本チームの、大空 空。

そしてもう一人は、ドイツチームのマルド・マルク。

マルドは軍服と軍帽を着け、いかにも軍人といった感じの見た目だ。

ドーム内の観客席は、試合を見ようと、大勢の人があふれていた。

そのなかには、日本代表メンバーの家族達の姿もあった。


試合があと一分で開始される、その時空は、ドイツチーム代表、マルド・マルクに近づき、握手を求めた。


「よろしく」


その握手の手を、マルドは冷たい視線で見た。


「なぜ握手をする?」

「え?」

「モンスタートランプの戦いは真剣勝負・・・ましてはこの大会は、祖国を背負った大事な戦い。そのまえに敵と慣れあうつもりは一切ないっ!」


マルドはそう言って、切って捨てた。


「んー・・・固い奴だなー」



空の戦いを、日本メチームンバーと、日本モンスタートランプ協会の会長のマリアとサポーターである真琴は、控室の巨大なモニターで見守っていた。


真琴は胸に両手を置き、高鳴る胸のドキドキを抑えていた。


「・・・一回戦・・・第一試合・・・・師匠のカードバトルが始まりますね・・・」

「うむっ・・・・・そうだな」


その言葉をマリアは、モニターを見ながら答えた。


「たしか一回戦は、5回試合して先に3勝したほうが、トーナメントの2回戦に勝ち上がれるんですよね?」

「ああ・・そうだ・・・」

「でも・・・なんで、師匠が先鋒なんですか?・・一番強い選手は、最後の・・大将なんじゃ?たしか一回戦目は、出る順番を自由に決められるんですよね?」

「ジンクスがあってな・・・」

「ジンクス?」

「ワールドカップ一回戦、第一試合に負けたチームは、優勝できないというジンクスだ」


マリアの言葉に真琴は驚く。


「えっ!・・・そんなジンクスが・・だから師匠を?」

「そう・・・だからほとんどのチームも一回戦、第一試合にはそのチームの一番最強の選手を持ってくるのが習わしだな・・・・・・あのドイツ選手もそうだ・・・」

「知っているんですか?あの人を・・・」

「当然だ。私は会長であり、この日本チームの監督だからな・・・あいつはドイツの英雄マルド・マルク・・・・奴の実力は今大会でも上位、空も手こずるだろうな・・・・いや楽しむだろな・・・ふふっ」

「だ・・大丈夫でしょうか・・師匠は?」


その言葉を聞いて、大地が叫ぶ。


「チッ・・・おいテメェー!」

「は・・はい」

「グダグダ言ってんじゃねェーぞォ!黙って見てろ!あいつの試合を・・・あいつを信じてなッ」

「は・・はいィ!」

(そ・・そうだ、ボクができることは、師匠が勝つとことを・・信じて・・祈るだけ・・・)

「・・・・だ・・大地君は、師匠のコトを信じているんですね・・・絶対勝つって・・」

「べ・・別に信じてねェーよ・・・だが、俺以外の奴に負けてもらっちゃ、困るからな・・・信じてやるだけだよ・・」

「ふふっ・・」

(それが信じているって・・ことなんですけどね・・・・)


大地が叫ぶ。


「テメェー!何笑ってやがる!ジュリンするぞ!」

「は・・はい!・・ご・・ごめんなさい!」


空を応援しようと、皆、モニター前に集まっている。


「空ぁ!負けるんじゃないわよ!」

「空はんの勇姿・・・・また見られるんやな・・・・ポッ」

「ふん・・・・本当は日本チャンピオンの僕が出るところなのだが・・・仕方ない・・・・今回は譲ってあげよう・・・」

「ゴチャゴチャうるさいわよっお漏らしィ!・・・するなら外でしてよね」

「なっなんてことを言うんだ!き・・・君は・・・そ・・・そんなこと、僕はしてない!」

「いえ・・伊集院くんしてましたよね・・・・闘技場の上で・・・」

「あ・・あれは全力じゃない!だからしたうちに入らない!」

「なら、何が入るのよ・・・・」

「!」


真琴が横を見ると、さっきからずっと、携帯ゲーム機で遊んでいたクルトがいた。


「あれ!クルト君も見るんですか?・・・てっきり・・・ゲームして見ないものかと・・・・」


クルトは真琴のほうを見ず、空が移ったモニターを見ながら話す。


「・・・・・・・ま、お兄さんのカードバトルは面白いしね・・・・・・それに・・・ちゃんと、全試合見て感想文書けって姉さんが・・・・・・・」


真琴はクルトの様子がどこか怯えているような感じがして、尋ねてみた。


「か・・書かないと、な・・何かされるんですか?」


ガクガク。


「姉さんに殺される・・・」

(ええー!)


クルトの顔は青ざめ、ガタガタと震えていた。


(こ・・怖い姉をもつと大変だなー・・・・・ボクもなんとなく気持ちはわかりますけど・・・)



バトルドーム内にアナウンスが流れた。


『それでは第一回戦、第一試合、日本代表 大空 空選手VSドイツ代表 マルド・マルク選手のカードバトルを始めます。デッキスキャンをします。両者デッキを前に』


空とマルドはデッキを前に出した。

ドームの天井から、赤いスキャンビームが出て、お互いのデッキに当たる。


『デッキスキャン終了。カードバトルスタートします』


『先攻はマルド選手』


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