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モントラ  作者: ゆう
1章
32/49

VS犯罪集団 新撰組②


ダダダッ。


そのまま大地は何も言わず、屋上をでて、階段を駆け降りた。

「なんだ・・・知り合いでもいたのか?」


ガチャッ。


空は皆が集まっている部屋にもどった。


「あっ!師匠・・・大地君のところに行ったんじゃ・・・・大地君は?」

「ああ・・・何か・・・知り合いでも見つけたらしくてな・・・どっかいっちまった・・・」

「知り合い?このハワイで?」

「ああ・・・・新撰組とかなんとか・・・」

「!・・・新撰組!」


マリアはその言葉に過剰に反応した。


「知っているのかマリア?・・・その人物・・・?」

「・・・知っているのも何も・・・そいつらはカード盗賊団だ・・・」

「カード盗賊団?・・・なんだそれ?」

「・・・・・カード盗賊団というのは・・・めずらしく、貴重なカードを盗んだり、無理やりカードバトルを挑み、負けたらその者のカードをすべて奪ったり、闇の違法カードを勝手に作り、売りさばいたりしている、犯罪集団だ・・・・」

「へーそんな奴らがいるんだ」

「その中でも新撰組は、日本で結成されたグループで、元々、心強き選ばれし者の集団、心選組と世界中に声明していたが、いまでは漢字を変え読み方だけを同じに新撰組と名乗っている。世界最大のカード盗賊団で、危険な奴らだ・・・・・それにしてもよく屋上から、新撰組だと気づいたな・・・見間違いではないのか?」

「ん 大地は正義の味方志望で、それにカードポリスを目指しているからな・・・絶対に間違っていないさ」

「・・・・そうか・・・空がそう言うなら信じよう。私も行く・・・日本モンスタートランプ協会の会長として、盗賊団を見逃すわけにはいけないからな・・・空もきてくれるか?」

「ああ、もちろん」

「皆、この部屋で待機していてくれ。相手は犯罪集団だ、どんな危険な目に合うかわからないからな」


そのマリアの言葉に、即座に反対する者たちがいた。

それはみかんと佐衛門と真琴の3人だった。


「あたしもいくわ!」

「うちもや!」

「ぼ・・ボクもです!」


3人の表情から、意思の固さが伝わってくる。


「マリア・・あたしたちだって、日本代表メンバーの一員なんだからね・・・仲間を放って、自分だけ見ているだけなんて、できるわけないでしょ」

「ぼ・・ボクも・・・足でまといにならないよう・・頑張りますから・・・」

「うちもや、合気道のたしなみくらいはありますえ」

「そうか・・みな、ありがとう。クルトおまえもこい!」


マリアは、この緊急事態でもずっと、無関心に携帯ゲーム機で遊んでいる弟に命令した。


「えー!・・・ぼくも・・・・・なんで?」

「おまえはコンピューターのハッキングが得意だろ?その力を借りるかもしれないからな・・・」

「えーーー」

「ん?私に何か文句でもあるのか?」

「・・・・・・ありません・・・ごめんなさい」


クルトはがっくりうなだれ、皆と一緒に部屋をでた。


「では行こう」


部屋をでていく皆に、一郎が叫ぶ。


「待ちたまえ!」


軽く息を吐くと。


「ふぅ・・・・・まったく・・・仕方ない・・・このボクも一緒に・・・・あれ?・・・・いない・・・・」


一郎を残し、部屋からは誰もいなくなっていた。



大地は物陰から、新撰組と思わしき人物たちが、大きな建物から何かを運んでいるのを見張っていた。


「やっぱり新撰組か・・・こんなところで・・・何してやがる?」

「おーい大地」

「!」


物陰から見張っている大地に空たちが近づく。


「空・・・!どうしてここに?・・それにテメェーらまで・・・・」

「場所はマリアに聞いた。奴らが狙うのならここだろうって・・・」

「帰れェ・・・俺一人で十分だ」

「断る!おまえがオレの立場なら、オレを絶対に手伝おうとするだろ?」

「・・・・・・チッ・・勝手にしやがれ・・・・・どうなってもしらねェーぞ」

「ふむ・・・・やはりここを狙ってきたか・・・・」


マリアは新撰組のメンバーが、大きな建物から、小さい黒い箱のような物を運んでいるのを確認した。


「・・・・ここには一体、何があるんだ?奴らはここから、一体何を運び出しているんだ?」


大地の質問にマリアが答える。


「ここは、ワールドカップ大会開催と同時に行われるカード展覧会が開かれる場所だ。やつらはきっと、この場所に集められる、世界中の、貴重でめずらしいカードを盗んだのだろう・・・」

「き・・・貴重って、どれくらいの物なんですか?」


真琴のからの質問に、マリアが答えた。


「その総価値・・・数十億は軽く超えるな」

「す・・数十億!・・・で・・・ですか・・」


真琴はその額を聞いて驚愕した。


「チッ・・・そんなことさせるかよ!奪い返してやる!」

「さすがだな大地・・・カードポリスを目指すだけはあって、正義感が強い」

「う・・うるせェーよ・・だ・・黙れ・・・・そ・・・そんなことより、取り返すぞあの荷物・・・どうせ飛行場で、ヘリにでも乗せて、そのままアジトに運ぶんだろ」


大地は物陰から出て、黒い小さな箱を運ぶ、新撰組を追跡しようとする。


「俺が一人でいく」

「一人じゃ危ないですよ!世界最大のカード盗賊団ですよ!」


それを真琴は止めるが、大地は聞こうとしなかった。

大地の肩を空が掴む。


「いや・・・オレ一人で十分だ」

「し・・師匠!・・・そ・・そうか・・・師匠の戦闘能力なら、いくら相手が束になってもかないませんよ・・簡単に取り返せます」


その言葉にマリアが首を振って否定する。


「ダメだな・・・もう奴らは、カードを人質に取っている」

「カードを人質?」

「奴らは・・・何か黒い小さな箱を持っていただろう?」

「・・・・そういえば、たくさん持っていましたね・・・あの中に盗んだカードがあるのでしょうか?」

「だからもうとり返しても・・手遅れなんだ」

「なっ・・・なんでですか?」


「・・・あの黒い箱の名は、通称ダークボックスといってな・・・あの箱を開けるにはパスワードが必要なんだ・・・無理やり開けようとしたり、パスワード間違っていたりしたら、中のカードが爆発し燃え尽きてしまう仕組みなんだ・・・捕えて聞き出そうとしても、パスワードは実行犯たちには知らされていない、たぶん新撰組のボス・・・またはアジトのコンピューターにあるのだろう・・・アジトから遠隔で、爆破や開封をできるらしいからな」

「そ・・そんなぁ・・・」

「奴らは盗んだ物が時間どうりにアジトに付かない場合も、ダークボックスの中身をアジトから爆破する。だから、貴重なカードを守るためには、あいつらを無事ヘリで送りだし、盗んだものをアジトに届けさせないといけないわけだ」


大地は提案する。


「じゃあ・・・実行犯を捕まえて、罪を軽くするかわりに、裏切らせて、アジトまで案内させるのはどうだ?」

「無理だな・・・ヘリは直接アジトにはいかず、荷物に発信器を付け、浮くようにしてパラシュートで海の上に落とし、それをまわりに誰もいないのを確認にしたあと、別の新撰組のメンバーがヘリで回収する・・・追跡は不可能だ」

「それじゃあよ・・・荷物にこっちも発信器をつければいいじゃねェーか?そうすればアジトの場所がわかるだろ」

「残念だがそれは、一度新撰組のメンバーを捕まえてやったことがある。だが、途中バレて失敗に終わってしまった。もう同じ手は通じないだろう・・・」

「メンバーを捕まえて、そのアジトの場所を吐かせれば?」

「いや・・奴らは作戦のたびにアジトを変え、その場所も実行犯たちには教えていない。捕まっても無駄だ・・・時間どうりにアジトにつかず、貴重なカードがこの世から消えてしまうだけど」

「チッ・・・・手詰まりかよ」

「いや・・・方法はある・・・そのためには・・・・空、クルト、おまえたちの力を借りたい」

「!」


飛行場の大きなヘリコプター前に、この犯行の実行犯であるリーダーがいた。

彼は、新撰組7番隊長 ジョージ・マッカスという。

ジョージはボサボサの髪を掻きながらぼやく。


「ん~~かったるいね~・・・・はやく盗んだ荷物ぅ持ってこないかね~退屈でしょうがないよぉ~・・・・・・・・・おっ!きたきた・・やっときた・・・ん?」


バタバタバタ。


黒い小さい箱を持ってきた、新撰組メンバー達は、次々とヘリの前で倒れていく。


「んん~・・なんだいこりゃぁ・・一体・・・どうなってやがるんだい?」


ジョージの背後から声がした。


「やあ」

「んん~~!・・・誰だいあんた?」

「オレか?・・オレは大空 空だ。よろしく」

「ああ~よろしく・・・って・・・じゃないでしょ!何者でぇ~何をしにここに来たぁんだ~いって聞いてるの?~もしかしてこの倒れちゃった奴ら~あんたがやったのかぁい?どうやってやったのかは~知らないがね~」

「ああ・・・」

「ほうほう・・・すごいね~・・・こりゃぁ・・・やばいねぇ~おれ・・・・もしかして・・・カードポリスか~い?」

「いや」

「じゃ~横から~おれたちのもん、ぶんどりにきたのか~い?」

「それは、できない仕組みになっているんだろう?」

「ほ~ダークボックスのことを~知っているのか~い?なら~何しにきたんだ~い?」

「オレを・・・・おまえ達の仲間に入れてくれないか」

「は~~・・・ん~~~・・・・こりゃぁ~~・・かったるいことになってきたね~~~・・・」


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