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モントラ  作者: ゆう
1章
31/49

VS犯罪集団 新撰組①


佐衛門は、隣の席で離陸してからずっと眠り続ける、空に話かける。


「空はん・・・・着きましたどす・・・空はん」


体をゆっくり揺らす。


「くーくー」


だが空は寝ていて、佐衛門の言葉は、届かなかった。


「寝ている・・・・・はぁ・・・かわいい寝顔やなぁ・・・・・」


佐衛門は顔を赤らめ、空の寝顔を覗きこむ。


「う・・・うちにもチャンスがあるんやな・・・・な・・・なら、ここで目覚めのキスくらいしてもええんやろう?空はん・・・・ふふっ」


佐衛門は、自分勝手ないい訳をしながら、空の顔に唇を近づける。


「チュ―――・・・・・・・ぎゃっ!」


ドガッ。


キスをしようとする佐衛門の後頭部に、蹴りが決まる。

そしてそのまま、その足で佐衛門の顔を床に押し付けた。


「ふぎゃっ!」

「・・・・何やっているんだ?・・・・・おまえは・・・・」


佐衛門は、後頭部を踏まれ床に押し付けられながらも、なんとか目線だけも、その踏みつけている者を見た。

そこにいたのは笑っているが笑っていないマリアだった。


「あへへっ・・・な・・・何どす・・・ま・・・・マリアはんどしたか・・・・・」

ギリッ。


「ぎゃうっ」

「おまえは何、犯罪行為にはしろうとしているんだ?と聞いているんだ・・・おまえにな・・・・」


ぐりぐりぐり。


「痛い!痛い!痛い!・・・・押し付けないでェェェえ・・・・はぅ!・・・・ご・・・ごめんなさい・・・もう犯罪行為はしまへんから、ゆる・・・・・・・ぎゃああああああああ、潰れるぅぅぅぅ!」


マリアは佐衛門の許しの言葉を聞き流し、さらに頭を足で床に押し付ける。

その音で空が起きた。


「ん~~~~・・・よく寝たぁぁ・・・・ん!もう着いたのか・・・・ん?何やってるんだ、2人で?」

「この者が犯罪行為をしていたのでな、オシオキ中だ。どうやらこの男も、反省して踏まれるのを望んでいるらしくてな・・・」

「はうっ・・・ち・・・ちがっ・・・・ぎゃうううううっ!・・・ハア・・ハァ、は・・はい、踏んでください・・・オシオキ大好きですぅ・・・・」


否定しよとした言葉を言おうとした瞬間、その踏みつける強さを上げた。

そして無理やり肯定させた。


「そうか・・・ならいいんだ。楽しそうだな、なんか・・・じゃあオレは先に降りてるぜ」

「ええっ・・・こっちもすぐに終わる」


空は座席から立ち上がり、飛行機を出た。

マリアは飛行機内に、誰もいないのを確認すると、わざとらしく佐衛門のみに聞かせるために言った。


「みな、飛行機から10秒以内に降りろ・・・時間がないのでな・・・・・でないと・・・・オシオキで潰してしまうかもしれんぞ・・ふふっ」

「えええェェェ!そ・・それは・・・ほ・・ほんまにシャレなってまへんから!この状態でぇぇぇ!」


マリアは死にカウントダウンをした。


「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1・・・・」

「た・・たすけ・・・・・・」

「0」


ぶちゅっ。



ハワイ空港の外に、無事ハワイに生還して着いた、日本代表メンバーたちがいた。

真琴は初めての海外に顔を緩ませよろこんだ。


「わー・・ここがハワイですか・・・南国って感じですねーおおーーーナイショで来たかいがあります」

「ないしょ?」

「い・・いえ、師匠・・・なんでもありません・・・それより師匠、ハワイですよハワイ!熱い日差し、さわやかな風、きてよかったですね」

「ん?・・・・ああ、そうか・・・」


真琴とは対象的に、空はどこか上の空だった。


「じゃあホテルに行って、モンスタートランプでもやろうか」

「ええェ!・・・・・ハワイに来てまでですか?」

「ああ・・・いけないのか?」

「は・・・はい・・・・・いけないと思います・・・・・・・・・でも、師匠なら、いいかな・・・」


皆は、宿泊地であるホテルに向かう。


海。

ホテルについたあと、みかんの提案で、海にいくことになった。

開会式と一回戦は明日なので、その間にハワイを満喫したいからだそうだ。

そして、海に行くことになったメンバーは、空、マリア、みかん、佐衛門、真琴の5人だ。

大地、一郎、クルトは、ホテルに残った、理由は。

大地。

「興味ない」

一郎。

「ウプッ・・・まだ気持ち悪い・・・・寝ている・・・・」

クルト。

「ゲーム」

だそうだ。



砂浜のパラソルの下に、空と真琴がいた。

2人とも私服だった。


「師匠は泳がないですか」

「ああ、こうやって、あったかいところで寝ているほうが、しょうにあってるしな・・真琴は泳がないのか?」

「ぼ・・ボクは昔・・・・海でおぼれて、海が苦手なんです・・・・だから、こうやって見ているだけでいいです・・・・」

「そうか・・・じゃあ一緒に寝ようぜ」

「はい」

2人はパラソルの下で眠った。



水着に着替えた、マリアとみかんと佐衛門が、砂浜の上にいた。

マリアは、銀髪の長い髪に似合う、派手な水着を着ていた。


「ふふっ・・・どうだ・・・この水着は?みかん・・・」


マリアはその水着を、みかんに見せつけるようなポーズをした。


「くっ・・ずるいわよ、あんた!なんで中学生なのに、そんなにスタイル抜群なのよ!」


かわいいらしい、年相応の水着を着ているみかんは、そのマリアのスタイルのよさに目を奪われる。


「ふふっ・・どこかのアイドルも、かわいいぞ・・かわいさだけなら、アイドル級かもしれんぞ・・・かわいい子供アイドル」

「こ・・・この・・・ケンカ売っての?」


その皮肉たっぷりの言葉に、みかんを顔真っ赤にして怒る。

だが事実すぎて、怒るに怒れなかった。


「うちの、水着姿は、どうどす?」


佐衛門は、マリアに負けず劣らずの派手な水着を着ていた。

その姿を見てみかんは、本気であきれた。


「あ・・・あんた、男のクセになんで女の水着を着てんのよ?稽古のために、女らしい格好しているとか言ってたけど、本当は真正の変態でしょ?」

「そうやね・・・うちも稽古のために・・・最初はそう思っていたんやけど・・・最近・・・ある男の子を見ると、胸が張り裂けそうなくらいドキドキしてるんや、これが噂の・・・初恋っ!・・・・・」

(・・・・こいつダメだ・・・・なんとかしないと・・・・・)

「だがこの中で、私が一番水着が似合っているな・・・ふふっ」

「はァ!あたしよ!あたし!」

「ほほー、この私に勝てると?おまえはどれだけ、自分のスタイルに自信があるのだ・・・」

「あんたに言われたくない!ってか、あんた、本当に中学生?本当は高校生じゃないの?」

「ふむっ・・いい線いっているな・・・当たらずとも、とうからず・・・・っと、言ったところか?」

「はぁ?」

「そうだ・・・・こうしないか。どっちが水着が似合っているか、空に決めてもらう。空なら偽りなく、思ったままに答えるだろうからな・・・・」

「おもしろい!あんたみたいなスタイルより、あたしみたいな均衡のとれたスタイルのほうが、空はきっと好むはずよ」

「空に、変な特殊性癖をもたせるな・・・」

「どこが特殊性癖よ!あたしが一番中学生っぽいし」

「言ってて・・自慢になると思っているのか?」

「くっ・・う・・うるさい!」


その時、佐衛門が手を挙げ、この勝負に参加表明をした。


「じゃあうちも加わります・・・きっと空はんなら、うちを選んでくれます」

「いや・・・あんたの場合、特殊性癖すぎるから・・・・」



空と真琴は、パラソルの下で、寝息を立てて寝むっていた。


「くーくー・・・」

「空はん」

「空!起きなさい!」

「ん!」


その声に、寝ていた空が起きる。

一緒に寝ていた真琴も起きた。

空が起きると、目の前には、マリア、みかん、佐衛門の3人が、水着姿でいた。

マリアが空に尋ねる。


「空・・・あなたはこのなかで、誰が一番、水着が似合うと思う?正直に答えて欲しい」


その質問に空は、少し考えて答える。


「ん~~・・・・そんなこととよりさ・・カードバトルやろうぜ。このハワイのこの天気の中でやるのも、楽しそうだろ」

『・・・・・・・・・・・・・・・』


その能天気な笑顔に、3人は沈黙するほかなかった。


(さ・・さすが、師匠・・・水着より、カードゲームのことしか頭にない・・・さすがだ・・・)


真琴はあらためて、空のすごさを実感した。

そして5人で、ハワイの炎天下の中、モンスタートランプをした。

楽しかった。



その夜、ホテルの一室で、日本代表メンバーが集められ、明日の大会について、マリアから説明を受けていた。


「では説明は終わる。明日から開会式、そして1回戦だ。今日は各々休み、明日に備えてほしい」


説明が終わった直後、空たちはモンスタートランプを始めた。

彼らは、これが、自分たちにとって一番の休みだと、知っていたのだ。

始まって1時間ほど立つと、大地が部屋を出て、ホテルの屋上に向かった。


「ふぅ・・」


大地は屋上の星空の下で、星がきらめく夜空を見上げながら、息を吐いた。


「大地」

「!・・空」


一人で出ていった大地を追いかけ、屋上に空が現れる。


「大地・・・こんなこところでどうした?みんなでカードバトルやろうぜ・・・」

「・・・・・・・苦手なんだ・・・・ああいう雰囲気でやるのが」

「そうか・・・・昔から大地は、人見知りだからな」

「うるせェー・・・・」

「そうだ、ここでやろうぜ」

「2人でか?」

「ああ・・・昔みたいに」

「チッ・・・仕方ねェ・・・・ジュリンしてやるよ・・・・覚悟しな・・・」

「ああ、楽しみだ」

「・・・・・・・それにしても不思議だな・・・・おまえともうやれないと思っていたのに、またこうして・・・しかも同じ日本代表メンバーとして戦うなんてな・・・・・運命のいたずらって奴か・・くくっ」

「約束したろ・・・・・オレ達は2人で宇宙最強になろうって・・・その絆があるかぎり、どんなに離れていても、また出会い、また戦うことになるさ」

「・・・・・夢物語だな」

「ああ、オレ達の夢はまだまだ果てしなく続くんだ」

「ふん・・・・そうかい・・・・・そういことにしておいてやるよ」


「!」


大地がふと、屋上から下を見ると、あやしい人影を見つける。


「アレは!・・・・まさか・・・新撰組!」

「新撰組?」


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