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モントラ  作者: ゆう
1章
25/49

VS元世界チャンピオン①

朝、学校の校門前で、空と真琴が出会う。


「あっ!おはようございます師匠」

「ああ、おはよう真琴」

「昨日はすごかったですねー」

「ああ、楽しいカードバトルだったな」


2人は昨日のワールドカップ大会、日本代表予選の話しで盛り上がる。


「いよいよ来週からワールドカップ大会ですね」

「ああ・・・どんな強敵と戦えるか、いまからワクワクするな」

「でも、師匠がボクをサポータに選んでくれたこと、うれしかったです。でも知らなかったです・・・代表選手は3名まで、ワールドカップ大会に呼べるなんて、昨日初めて知りましたよ・・・でも・・・いいんですか?・・・ボクなんて・・・師匠の家族は?」

「オヤジは世界中を武者修行の旅で、どこにいるのかわからないし、母さんと妹であと一人、あまるしな」

「ありがとうございますね、師匠」

「いいよ別に、それに真琴がいると心強いしな。デッキとかのアドバイスは、真琴は結構的確だし」

「そ・・そう言われると・・照れますぅ・・・・腕には自信はないですけど・・・・そういうのは得意ですから」

「ああ、期待しているぜ」

「はい」

「じゃあ、教室にいこうか」

「はい」


ガラッ。

空は教室のドアを開けた。

開けた瞬間、空が入ってくるのを確認したクラスメイト達が、一斉に声を上げる。


『おおーーーきたーーー!』

「?」


クラス中のみんなが、空のまわりに集まってくる。

その中には、みかんとマリアの姿はなかった。


「きたぞ!わが校の英雄!」

「すげぇーぜ、空!日本代表に選ばれたんだろ?」

「しかも、みかんと合わせて、うちのクラスから2人も」

「マリアさんなんて、日本モンスタートランプ協会の会長だなんだって」

「うちのクラスすげぇーー」


皆が、空たちを褒め称える。


「一体、このクラスどうなってんだ?」

「このクラスにいれてよかったー応援するからな、ワールドカップ大会」

「握手してよ、空くん」

「俺も」

「あたしも」


その様子を見て真琴は、空が褒められて嬉しい半面、どこか困惑していた。


「し・・師匠・・・す・・すごいですね・・・・師匠・・もう超有名人ですよ」

「う~~ん。こういうのあんまり、苦手だけどな・・」


空は頭を掻きどこか複雑そうだ。


「転校生!」

「!」


教室ドアの外から大声が聞こえる。

空たちが振り向くと、そこいたのは、3年の前田 勝だった。


「・・・勝クン・・・・?」


前田 勝。

はじめて空が転校して日に、絡んだ少年だ。

勝はズンズンと歩きながら、空に近づいてくる。


「話は聞いたぞ・・・転校生・・・日本代表のメンバーに選ばれたんだってな?」

「ああ」


(まさか・・・勝クン・・師匠に勝負を挑みに・・・)


真琴は、そのいつもの雰囲気と違う勝を見て、心配する。


「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」


2人は無言で見つめ合う。

そして、勝が床に手をついた。


「頼む転校生!サインくれェ!そして、前田 勝くんへって書いてくれ、頼む!」


(えええええェェェェェェ!)


真琴とクラス中のみんなが驚いた。

勝が空に、土下座してサインを頼んだのだ。


「ま・・勝クン、ど・・土下座まだ、しなくても・・・・」


勝は急に立ち上がると、空の両手を掴んで言った。


「ちなみに俺さ、この学校の日本代表メンバーの応援団、団長になったんだ。何か悩みがあったら、いつでも俺に相談してくれ。金のこと以外ならなんでものるぜ。わーはっはっはっはっはっは」

(ま・・勝クン・・・い・・いつのまにか、師匠の大ファンになっているし・・・)


真琴は、勝のその変貌ぶりに驚愕した。

その様子を見て、まわりの生徒たちが話し始める。


「知ってるか・・・アイツ、勝手に空の親友だって言いまわって、威張りちらしているらしいぜ・・・」

「調子のいい奴」

(あ・・あははっ、ま・・・勝クン・・なんかキャラ変わっちゃったなー・・前は、まわりから恐れられていたのに・・・いまじゃ。・・・・・これも師匠のおかげかな・・・)


変わったしまった、以前のいじめっこ見て、真琴はどこか複雑な表情をしていた。

そして勝は、空にサインを断られ、泣きながらまた土下座して頼んでいた。


キ―ンコーンカーンコーン。


学校が終わり、チャイムが鳴る。


帰り道。

空と真琴、それと、あのあと遅れて来た、みかんとマリアが、一緒に歩いていた。


「それにしても・・・・・ったく、なんなの・・・たかが、日本代表に選ばれたくらいでサイン、サインって・・・めんどくさい」

「そ・・そのわりには、サイン書くの、メチャメチャ早かったですけどね・・・みかんさん」

「そりゃあね、いちおうアイドルだし」


そのすこし威張った態度にマリアが。


「3流のか?」

「1流よォ!テレビだった出ているんだからね!」

「たしかに・・・テレビに出ていると、すごいアイドルって感じはしますよね」

「でしょー」

「それはどうかな・・・テレビに出ているからといって、1、2年で消えるアイドルなんて、よくいると言う話だし・・・・あんがいそういうのが、近くにいるかもしれないぞ」

「いない!あたしの近くにはいない!」

「ふっ自分が見えていないというのは・・・哀れだな」

「ぶっ飛ばすわよ!」


マリアの皮肉めいた言葉に、みかんは激怒する。

あいかわらずマリアとみかんはケンカをしていた。

日常の微笑ましいシーンだ。


「師匠」

「ん?」

「これからバトル堂に行きませんか?店長に会って、師匠たちがワールドカップに出場することを伝えたいし・・・」

「そうだな・・・・行ったついでに、カードバトルでもするか」

「あんた・・・昨日、夜中まで4人でしたのに・・・まだする気?」

「ああ、いけないか?」

「いえ・・・ぜんぜんオケェーよ。今度こそあんたに勝つ!」

「じゃあいこうぜ」



4人はバトル堂の前にいた。

そこは空き地で、真ん中にはゲームのような、地下に続く洞窟があった。

そこがこの町にある、唯一のバトル―ドームだ。

バトルドームとは、モンスタートランプを、バーチャル映像でできる場所の総称である。

風変わりなその場所は、その街並みから浮いていた。

その空き地をまじまじ見て、みかんは思う。


「この店って・・・前から思ってたんだけど・・・変わってるわよねー地下にバトルドームがなるなんて・・」

「私はなぜ、こんな風に作ったかなんとなくわかるぞ・・・きっと来てくれるカードバトラー達に楽しんでもらいた・・その一心からだろう・・・・私もモンスタートランプ日本会長として、こういうところは見習わないとな・・・私の目標は日本中のみんなに、モンスタートランプの楽しさを知ってもらいたい・・・・それだけだからな」

「大層な夢ね・・・・」

「ここの店長も、本当にモンスタートランプが大好きな人なんです。でも・・・いままで一度も、モンスタートランプをやっているところを見たことがないんですよね・・・そういえば」

「それでなんで好きってわかるのよ?」。

「そ・・・それは・・・なんとなく・・・感じで・・・・・」

「感じね・・・・・まあ、こんな風に作るんだから・・・好きであることには違いないだろうけどさ」

「まぁ・・理由があるのだろう・・・・カードバトルができない」

「理由ね・・・・好きなことができない理由ってなんなのよ?・・・そんな理由あるのかしらね・・・・」


みかんの疑問に空が答える。


「じゃあ、ワールドカップ出場の連絡ついでに、店長に聞いてみようぜ。なんでカードバトルをやらないか」

「あ・・・あんたね・・・・軽いノリね・・・・もしかしたら、何か深刻な理由があるかもしれないでしょ?」

「じゃあいこうぜ」

「ちょっちょっと・・・話しを聞きなさいよ!」


空はみかんの話を聞かず、洞窟の地下階段を降りていく。


「いや・・・師匠に行っても無駄ですよ・・・一度こうと決めたら、絶対しますから」


その言葉にマリアが、少し顔を赤らめ。


「そこが、かわいいところだと思うがな」


みかんはその言葉に、難色をしめす。


「かわいい・・ってあんたね・・・・・・」

「おまえもかわいいぞ、みかん」

「はぁ!」


マリアに言葉にみかんは顔を真っ赤にする。


「バカなところが」

「この野郎ォ!」


真琴も2人を置いて、洞窟に入り地下階段を降りていった。


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