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モントラ  作者: ゆう
1章
22/49

VSライバル⑧


6ターン目

空 ライフ5 手札2

大地 ライフ15 手札2

空のターン


「オレのターンドロー」


空は、バーチャル映像の手札に触れた。


「オレは呪文スライムキャノンを発動!」


空の場に、バーチャル映像の強大な大砲があらわれた


「この呪文は、手札のスライム族モンスター1体を墓地に捨てることによって、相手モンスター1体を破壊することができる」


真琴はその呪文の発動を見て歓喜する。


「よし、これならいくらアンデッドキングドラゴンのコピーが、レベルが高くても倒せる」

「そしてオレは、手札からカードスライムを捨てる。カードスライムは手札から墓地に捨てられた時、デッキからカードを1枚引くことができる。ドロー――!」


カード情報

カードスライム レベル2 属性 水 種族 スライム族 

超能力

カードスライムは相手に破壊された時、デッキからカードを一枚ドローできる

このカードが手札から墓地に捨てられた時、カードを1枚ドローできる。


巨大な大砲がアンデッドキングドラゴンのコピーに狙いをさだめる。


「スライムキャノン・・・・ターゲットロックオン。発射―――!」


ズガ―――――ン。


重い一撃が、アンデッドキングドラゴンのコピーを貫く。


「アンデッドキングドラゴン破壊!」

「無駄だ、呪文発動、竜の魂。場のドラゴン族モンスターが破壊された時、墓地にある、破壊されたモンスターのレベル以下のドラゴン族モンスターを一体、場に呪文召喚することができる」

「!」

「俺は墓地にある、レベル15以下のアンデッドキングドラゴンを呪文召喚」


大地の場に、アンデッドキングドラゴンが呪文召喚される。

その様子を、闘技場の外から見ていた、真琴とマリアは。


「うわっ!師匠がせっかく倒したのに・・・今度は、オリジナルのアンデッドキングドラゴンがでてきちゃった!」

「ふふ、呪文による、破壊対策は完璧のようだ・・・どう打ち破る・・・・空」


大地は、勝ち誇るように空を見ts。


「空・・・おまえはもう、何をやっても俺にジュリンされる未来しかねぇー・・あきらめな」

「いや、あるさ」

「どんなだ?」

「これから見つける」


空はバーチャル映像の手札に触れる。


「オレはナックルドラゴンを召喚」 

「!」

(あのカードは・・・・・・まさか!・・・・・・・あいつ・・・・・あのカードを、デッキに入れてやがったのか・・・・ふざけやがって、あの野郎・・・!)


大地はそのモンスターを見て怒りに震える。


「このモンスターは場に出た時、待機に状態になり、最初のターン攻撃にも合体素材にもすることはできない」


待機状態とは、攻撃も合体素材にできない状態。

攻撃に参加した場合も、モンスターはこの状態になる。

ターン終了時に回復する。

呪文や超能力により合体素材にすることは可能。


カード情報

ナックルドラゴン レベル6 種族ドラゴン族  属性風

超能力

このモンスターは場に出た時、待機状態になる。

このモンスターが相手モンスターを破壊したとき、ソレのモンスターのレベル分のダメージをあたえる。

このモンスターが場から墓地に落ちたターン相手からダメージを1度だけ無効にできる。



「オレのターンは終わりにする」

「空ァァ!」

「ん!なんだ大地?」

「テメェ・・・そのカードをデッキにいれて・・・俺に対する嫌がらせかよ・・・」

「いや・・・なんで、そう思うんだ?」

「そのカードは・・・・・・・・なんでもねぇ・・・」

(・・・・・・・・・・・チッ・・思い出したくもねぇことを・・・思い出しちまったぜ)


大地は、空と初めてあった3年前のことを思い出していた。


回想


「なあなあ大地、モンスタートランプやろうぜ、オレと」

「嫌だ・・・ついてこないでよ」

「はーい・・・みなさん、ちゅうも――く」

「!」

(あれは・・・・何かのイベント?)

「・・・・今日は町内の特別な日ということで、プロのカードバトラー2人を呼んで、みなさんと戦ってもらいまーーす。試合形式は、2人一組のペアで戦うダブルス戦でーす。勝ちましたらなんと・・・超レアカード、ナックルドラゴンをプレゼントしちゃいまーす。

こぞって、ご参加くださーい」


『どうする?でてみるか・・・おい』

『いやいや、ぼくはいいよ・・あの2人・・素人に勝たせる気はないよ。いままでで100戦やって、100人全部に勝っているらしい・・・いや、ダブルだから200人か・・・まあ勝ってこないってことだよ・・・やっても負け負け、町内のいい恥さらしだよ』


(あのカードはたしか・・・・昔、欲しかったやつだ・・・・・・でも、いまは・・・・もういらない・・・・俺はすべて捨てたんだから・・・・何もかも・・・・全部・・・だから)


「はーいはーい、オレたちがやりまーす。大地と2人で」

「なっ!あ・・あんた・・何を勝手に・・・・」

「大地は、あのカードほしいんだろ?」

「うっ!・・・ほ・・・ほしくないよ!」

「そっか、じゃあやろうぜ」

「やめろ!・・・ひっ・・・ひっぱるな!お・・俺はもう・・・・モンスタートランプを捨てたんだ・・・だから・・・やらない」

「・・・・それって・・・おまえが、親に捨てられたことと・・・なにか関係あるのか?みんな噂してたぜ」

「!」

(こいつ・・・・いままで誰も、俺に直接言ってこなかったことを・・平然と)

「・・・・・・・・・そうだよ、悪いか・・・俺はいらない子なんだ・・・捨てられた子なんだ・・・・だからもう俺に関わるな!俺はもう何もいらない・・・・持っていた物も、ほしかった物も、全部捨てたんだ!・・・・だからもう・・・これ以上俺にかまわないでくれ・・・頼む」

「いやだ」

「なっ!」

「それって、かまわない理由になってないぜ?」

「なってる!俺は1人になりたいんだ・・・・」

「じゃあオレと一緒に、カードバトルやろうぜ」

「だから話を聞けェェ!」

「・・・親に捨てられたから、大地はモンスタートランプを捨てるのか」

「・・・・・・・ああ、悪いか・・・俺にはもう・・・何もかもどうでもいいんだ・・・・・あんなものいらない・・・」

「泣いてるぜ、カードが・・・」

「な・・何を言っているんだ・・・」

「おまえのカード達が、おまえとカードバトルやりたいって泣いてるぜ」

「頭がおかしいのか、あんた?・・・カードに気持ちなんて・・・・」

「じゃあ大地は泣いていないのか?」

「!」

「大地は本当は・・・モンスタートランプやりたいって、心の中で泣いてないのか」

「お・・俺は・・・・別に・・・・・」

「泣いてるよ、オレにはわかる!」

「ふっ・・ふざけるな!・・・あんたに何がわかる!俺の気持ちなんて、何もわからないくせに、いいけげんなこと言うな!」

「わかる!オレもモンスタートランプ大好きだから。同じ気持ちだからわかる」

「黙れェェェェェ!帰れよ・・・・・もう、帰れ帰れ帰れェーーーーーーーーーーーー!」

「いやだ。オレはおまえが、オレと一緒にモンスタートランプやるって言うまで、帰らない」

「な・・・なんで、そこまで俺にかまう・・・・・・」

「なんでかわからん。でも、一緒にモンスタートランプやりたいんだ・・・おまえと・・・理屈じゃない、心がそう思うんだ・・・だからオレと、モンスタートランプやろう。大地、おまえはどうなんだ?おまえの心は・・・・本当の気持ちは、どうなんだ・・・」

「俺の本当の気持ち・・・・・・・」

「おまえは親に捨てられた・・・それは事実だ。でも、だからといって、おまえまで大切な物を捨てる必要はないだろう・・・むしろ、おまえだけは絶対に捨てちゃダメだろ!」

「・・・・・・俺は・・・・俺は・・・・」

「ほら、泣くほどやりたかったんじゃないか・・・・モンスタートランプ」

「涙?・・・・・俺が・・・あのときからずっと・・・泣いたことはなかったのに・・・・涙も捨てたと思っていたのに・・・・な・・・・なんなんだよぉ・・これは・・・なんなんだよ・・・あんたは・・・・ううっ」

「一緒にやろうぜ、大地。モンスタートランプを・・・それでもし、何も楽しくなかったり、また捨てたいと思うなら、今日はもう誘わないからさ」

「・・・・あんた変な奴だな。俺は、あんたみたいなずうずうしい奴、嫌いだよ」

「そっか、ならこれからに好きになっていけばいいさ。モンスタートランプを通してさ」

「ああ・・・・俺は、あんたと一緒にモンスタートランプをやりたい。・・・・・・あんたと一緒に、また、モンスタートランプをあの頃のように楽しみたい・・・・・・俺に・・・できるかな?」

「ああ、できるさ、大地」

「・・・そういえば・・・・・あんたの名前・・・なんて言うんだ?いままでちゃんと聞いてなかった・・・教えてほしい・・・頼む」

「大空 空だ、よろしくな」

「俺は・・・山田大地。よろしく」


2人は握手した。

回想終了。


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