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モントラ  作者: ゆう
1章
18/49

VSライバル④


「どうよ?これが、死よりずっと辛いって意味だ・・・わかったか?」

「あああっ・・・」


一郎は恐怖と屈辱のあまり声が出なかった。

そのバトルは見ていた真琴も、その圧倒的な暴力の前に恐怖し、震えていた。


「す・・・すごすぎる・・・あ・・・あの関東チャンピオンを・・・い・・・一瞬で・・・・」


そんな真琴と対象的に、空は歓喜に震えていた。


「す・・・すげぇ・・・つえぇ・・・はやく大地とやりてぇー」

「そ・・・空くん」


真琴はあきれたが、不思議と恐怖はおさまっていた。


「さて、俺のまえにたかるハエはジュリンしてやったぜ。次は・・・・テメェーだ、空!前に出な!」

「ああ」


2人の視線がぶつかる。

想いは違えど、両方とも、互いを欲していた。

最高の対戦者として、最高のライバルとして、互いに。


「それでは選んでもらおう。敗者復活トーナメントにでるか。それともいまこの闘技場にあがり、この男と戦うか、選択の時間だ」


闘技場にあがりマリアは、マイクで敗者復活戦にのぞむ者たちに尋ねた。

まわりには動揺の声が広がる。


「おいおい・・・・俺は嫌だよぉ、あんな化け物みたいに強い奴と戦うなんなんて・・・」

「あ・・ああ、あんな奴と戦う奴は、きっと大バカだけだ・・」

「お・・おれは・・・敗者復活戦トーナメントにでるよ・・」

「ぼ・・・ボクも」


皆が大地と戦うことをさけた。

ただ一人を除いては。


「空・・・・おまえはまさか・・俺から逃げたりはしねェーよな?」


その挑発を含む言葉に、空はにこやかに応える。


「ああ・・当然!」


空は闘技場に向かって歩いていく。


「し・・・師匠・・・・・頑張ってくださいね」

「ああ」

「空、絶対勝ってきなさいよ」

「ああ」


友からの声援をうけ、空は闘技場にあがる。

空は闘技場の上のマリアとすれ違う。


「私は立場上、どちらかに肩入れすることはできないのだが・・・・・健闘を祈る・・・・空、あなたの望む結果になるように・・・」

「ああ」


空はとうとう大地と対面する。

この闘技場の上で、モンスタートランプで戦うために。


「きたきたきた・・・やっとテメェーがきた・・・・この日を・・3年間待ったぜ。今日こそ、テメェーを超えて、俺は、過去を乗り越える」

「・・・大地、たのしくカードバトルをしようぜ」

「ああっ!だからそれは、無理だって言ったろ、前にも。それと空、おまえは1つ勘違いをしている。これはカードバトルじゃねェー・・俺がおまえのをュリンする、恐怖の時間だ。ぎゃははははははっ・・・おまえを、あそこにいるハエと同じ目にあわせてやるぜ」


一郎は、大会関係者に、どこかに連れていかれていた。

床のシミも、ワックスとモップで綺麗に拭きとられている。


「そうか、楽しみだ・・・それだけ俺と、全力でやってくれるんだろ?」

「ちィ・・テメェーは昔から変わらねェーな。カードバトルを楽しむことしか考えてねェ・・」

「ああ・・・オレは何も変わってない。3年前からずっとな・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・チィ・・・無駄話は終わりだ。ジュリンの時間だ恐怖しな」

「ああ、全力でいくぜ、大地」

「上等だぁ、俺を楽しませな、空」


2人は運命的に出会い、運命的に別れ、運命的に戦い合う。

2人のライバル同士のカードバトルが、いま始まろうとしていた。


「ふふっおもしろくなってきたな」


マリアが闘技場を降り、みかんと真琴の側に近づいてくる。

みかんはマリアに質問する。


「なんであんたが、日本モンスタートランプ協会の会長なのよ!」

「私の父が、世界モンスタートランプ協会の会長だからな・・・・その関係でちょとな・・・・」

「なんだ・・・親のコネか・・」

「・・・・・カッチ―ン・・ときたぞいまのは・・・なんだ、その人を差別するような言い方は?いちおう私が会長になってからは、日本でのモンスタートランプの事業は、かなり伸びている。親のコネという言葉で安易に片付けず、会著になってからの私の功績を見るべきじゃないか」

「何が、私が会長になってからは、かなり事業が伸びてる・・・よ、自画自賛して恥ずかしくない?」

「フン・・自らの功績を自らが褒めずどうする。積極的に自分をガンガンアピールすることは、消極的に自分をアピールすることよりも、100倍効果があるぞ」


真琴はその言葉に反応する。


「まあ・・・この世界は結構・・目立ったほうが勝ちっていう部分もありますからね・・・ボクは目だったりすることは苦手ですけど」

「それは、いい意味で目立つ場合だな・・・・誰かさんのように、ヘタな芝居でアイドルやって、悪い意味では目立つのは、ダメダメだがな」

「それってまさかあたしのこと?あたしのアイドルとしての仕事にケチつける気?」

「おまえだったのか、みかん・・・気づかなかった・・・・すまん。悪いことをした、すまん」

「ぶ・・ぶっ飛ばす」


2人はバチバチと睨みあっていた。


(・・・あ・・・あははっ・・マリアさん・・・・性格が変わっても、やってることは前と同じだ・・・みかんさんとケンカばかり・・・・・・)


「ってか、なによ、その気取ったキャラは!元に戻しなさいよ」

「ふっ・・これが私の元のキャラだ。むしろメガネのほうが作ったキャラだな」

「なんでそんなキャラで、あたしたちの前に現れたの?」

「乙女の秘密だ」

「はあ・・・・意味わかんないんですけど」

「乙女にしかわからない」

「ああッ!あたしが乙女じゃないって言うの!」

「それは自分の心に聞け。そして懺悔しろ」

「ぶ・・・ぶっ潰すゥ!」

「やってみろ、私はかなり強いぞ・・」


バチバチ。


(はあ・・・闘技場のうえだけじゃなく、場外でもバトルが始まっちゃいました・・・)


『それではデッキスキャン終了。カードバトルスタートします』


空と大地のデッキがスキャンされ、いよいよ2人の戦いが始まった。


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