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モントラ  作者: ゆう
1章
14/49

VS関西チャンピオン③

3ターン目

空 ライフ15 手札4

佐衛門 ライフ10 手札4

佐衛門のターン


「うちのターン、ドロー」


佐衛門は閉じた扇子で、バーチャル手映像の手札に触れ、呪文を発動させる。


「うちは呪文、狐の嫁入りを発動や。この呪文は、デッキの上から7枚のカードを見て、その中に、狐と名が付くモンスターがいる場合、その中の1体を選らび、場に呪文召喚することができる。デッキはその後シャッフルされる」


佐衛門の前に、バーチャル映像のカードが、7枚映し出される。

その一枚を、佐衛門は扇子で触れ、選択する。

場にそのモンスターを呪文召喚した。


「うちは、三尾 魔狐を呪文召喚や。さらに、三尾 冥狐を召喚」


佐衛門の場に、2体の狐耳の、女性型妖怪族モンスターが召喚される。

魔狐は、メガネと着物を着て、洋風の杖を持っている。

冥狐は、長い黒髪に着物を着て、両手に水晶玉を持っていた。


カード情報

三尾 魔狐 レベル3 種族妖怪族 属性火 超能力????

三尾 冥狐 レベル3 獣族妖怪族 属性火 超能力????


佐衛門は、いまの現状を分析し、最良の行動選択を模索する。


(さて・・・うちはこの状況、どう行動したらええもんか・・・・相手は、前のターンに、ダブル召喚を使用してはる・・・よって、次の自分のターンまで、呪文は使用できない。その隙をついて、うちの全モンスターを攻撃し、それがすべて通れば、うちの勝ちや・・・でも・・何か仕掛けている・・・そんな気がしはるな・・・)


佐衛門は状況を分析し終え、行動の選択をした。


「うちは三尾 花狐で、プレイヤーに直接攻撃!」


三尾 花狐は、場と墓地に存在する、狐と名が付いたモンスターの数×1、レベルを上昇させる超能力を持っている。

その効果によって、三尾 花狐のレベルは6にまで上昇させていた。

三尾 花狐は、拳に気をこめ、オーラのように纏せると、その拳を空に放つため、正面から突っ込んだ。


「あの人!・・全モンスターを師匠に攻撃する気だ!このままじゃ空くんは、12ポイントの大ダメージを受けちゃう!」


(残念やが・・・それはハズレや。花狐にはもう一つの超能力がある。場にいる狐と名がつくモンスター1体を、墓地に送ることによって、相手プレイヤーに1ポイントのダメージをあたえる超能力がな・・・場には、自身を含め3体の狐モンスターがおる、やから、すべてを墓地に送れば3ポイントのダメージや。攻撃ダメージと合わせて、このターンにあたえるダメージ合計15ポイント。うちの勝ちや)


だが、佐衛門の勝利方程式は、空によって打ち破られる。


「オレは墓地にいる、パラディンスライムの超能力を発動!」

「!・・・・。超能力」

(しまたっ、呪文を使えずとも、超能力は使える・・・計算外や)


「パラディンスライムは、相手モンスターによって、自身が直接攻撃を受ける時、墓地にいるこのモンスターを、場に超能力召喚できる。この超能力を使い呪文召喚されたパラディンスライムは破壊後、墓地には送られず、デッキの一番下にいく」


(・・・そう・・きたどすか、うちのミスや・・・勝ちを汗ってしまったようやな・・・)


「三尾 花狐!攻撃中止や」


佐衛門の命令により、レベル6の花子は、その攻撃を一旦やめ、佐衛門の場に戻ってくる。

三尾 花子は攻撃宣言されたことによって、もうこのターンに攻撃参加することはできない。


ルール説明。

攻撃中にあらたなモンスターがあらわれた時、攻撃中止または、そのモンスターを選択して攻撃することができる。


「あ・・あぶなかった・・」


相手による、全モンスターの攻撃を免れ、真琴は安堵する。


「どこがよ、アレくらいなら、空なら、全然大丈夫よ」

「そうですねぇ・・・ですがぁやっぱりぃ・・なんだかぁ空さん・・やりにくそうですねぇ」

「・・・まあね、相手のカード人生を終わらせちゃうのは、やっぱり気分悪いけど・・・だからって、この大会にすべてを賭けて戦う相手に、手加減なんてしたら失礼よ。真剣勝負を挑まれた以上、こちらも相手に対して、真剣で全力全開フルアクセルでやらないと、逆に相手を傷つけるわ」

「・・・・そ・・そうでしょうか」

「そうよ、あたしなら絶対そう思う」

「・・・・・・・・」


みかんその言葉に、真琴は言葉がでなかった。


「ふぅ・・・・」


佐衛門の手の中は、汗でびっしょりだった。


(強いな・・・・まだ数ターンしか戦ってへんけど、この手ごたえ・・プレッシャー・・・うちが戦ったなかでも、一番強いかもしれへんな・・・・やっぱり攻撃させず、3体合体をさせていれば・・・・・まあ、終わったことをいまさら言うても、遅いんやけど)


ルール説明

一度でも攻撃参加したモンスターは待機状態になる、待機状態になったモンスターは、このターンに、攻撃も合体素材にもできない。超能力や呪文を使用し、合体素材にすることは可能。


待機状態とは、攻撃も合体素材にできない状態。ターン終了時に回復する。


(まあ、うちにはまだ、奥の手があるさかい・・・そのためにもまだまだ・・準備せへんとな)


「あんた・・」

「!」


空は、対戦者の佐衛門に話しかける。


「なんや?」

「強いな・・あんた、ワクワクしてきた」


二カッとした表情を、佐衛門に向ける。


「そうどうすか・・・うちもワクワクしとります・・・こんな気持ちひさびさや」

「楽しいカードバトルにしようぜ」

「ええ、そうどすな・・たとえ、このカードバトルが最後になってとして、悔いの残らないくらいの、楽しいカードバトルにしましょう」


その佐衛門の言葉を聞いて、後ろから兄弟達のエ―ルが聞こえた。


「兄ちゃーん、最後なんて言うのなよ!」

「兄貴負けんな!」

「お兄様――」


空は尋ねた。


「そうだ!・・・あんた・・なんで女の格好して、女の言葉をしゃべっているんだ?」

「し・・・師匠・・・こ・・こんな時、に聞かなくても・・・」


佐衛門は口元をおさえ笑う。


「あははははっおもしろい子やな、あんた・・・そのことを、カードバトル中に聞いたんは、あんたが初めてや・・・うちはな、代々歌舞伎役者の一族なんや、歌舞伎のなかには、女の格好で芸を演じる者もおるんどす・・・・・それがうちや。この格好は、お母様に言い付けられてしとるんどす。舞台でより女らしく振る舞えよう、できるだけ普段から女の格好をしてるように・・・ってな」

「大変だな・・歌舞伎役者も」

「まあ、慣れれば苦にならへんよ。あんたもどうや?京都に来てくれれば、特別でタダで、うちの芸をみせてあげます」

「ああ、ありがとう。いつか行くよ」


空と佐衛門の仲のいい姿を見て、真琴はうろたえる。


「し・・師匠、な・・なんか・・佐衛門さんとフレンド―になっちゃってますよ・・・こ・・この状況、わかっているんでしょうか?師匠が決勝に行くためには、あの人から、モンスタートランプを奪わなくちゃいけないのに・・・あまり仲良くならないほうが・・・・・・・」


真琴が心配するなか、マリアがとんでもないことを言った。


「もう、結果はぁ・・・わかりましたぁ・・わたしぃ」

「え?」

「はぁ?」


その言葉を聞いて、茫然とする真琴とみかんに、マリアはその答えを告げる。


「空くんはぁ、勝ちますよぉ絶対に・・信じてぇ応援しましょう」



4ターン目

空 ライフ15 手札4

佐衛門 ライフ 手札3

空のターン


空は手を大きく横に振るモーションで、バーチャル映像のカードを引く。


「オレのターンドロー・・ダブル召喚を使う」

「また!」


真琴は声をあげる、空は2ターン続けて、ダブル召喚を使用したのだ。


「オレはソードスライムとシールドスライムをダブル召喚!」


空の場に剣の形をしたスライム族モンスターと、盾の形をしたスライム族モンスター2体が、召喚される。


カード情報。

ソードスライム レベル1 種族スライム族 属性土 超能力????

シールドスライム レベル1 種族スライム族 属性土 超能力????


「オレは、2体のモンスターの超能力を発動させる。ソードスライムとシールドスライムは、場に存在するモンスターの武具になり、装着させることができる。オレはパラディンスライムに2体を装着」


パラディンスライムは、2体のモンスターを装着することによって、スライムの剣と楯を手に入れた。


「装着されたことによって、パラディンスライムは2つの超能力を得る。ソードスライムが装着されたことによって得て超能力は 自身のレベルを常時4アップさせる。そしてシールドスライムが装着することによって得た超能力は、装着後1度だけ破壊を無効にする。武具になり装着されたモンスターは、パラディンスライムが破壊された時、一緒に破壊され墓地に送られる」

「すごい師匠・・・一気に剣と楯を持つ、超強力なモンスターにパワーアップさせた」

「パラディンスライム 三尾 花狐を攻撃!パラディンスラッシュ」


レベル11のパラディンスライムが、レベル6の三尾 花子に斬りかかる。


「くっ・・うちは呪文発動、風遁 変わり身の術や。この術は、狐、狸、忍と名が付くモンスターが攻撃対象にされとき発動できる。1度だけ攻撃を無効化にする」


パラディンスライムの攻撃は三尾 花子を切り裂く。

だが、それは煙とともに、カカシとすり変わる。

呪文効果によって、攻撃を回避されたのだ。


そのカードバトルを見てみかんは、相手の強さを再確認した。


「やるわね・・あのオカマ、ほんと・・・・だってに、関西チャンピオンを名乗っているわけじゃないみたいね」

「そうですねぇ・・でもぉ空くん楽しそう・・」

「オレのターンは終わりだ」


空はこの状況で笑っていた。


5ターン目

空 ライフ15 手札3

佐衛門 ライフ 手札2

佐衛門のターン


「うちのターン、ドローや」


佐衛門は、場にいる狐達の、超能力を発動させようとしていた。


「ふふ、なかなか強力なモンスターやな・・でも、うちの子らも強いで・・・うちは三尾 冥狐の超能力を発動。この子の超能力は、モンスターの攻撃参加まえにしか発動できない。相手モンスター1体のレベルを、場に存在する狐と名が付くモンスターの数×3、ターン終了時まで下げることができる。この超能力を使用した場合、このモンスターは待機状態になる」


ルール説明

待機状態になったモンスターは、そのターンに、攻撃も合体素材にもできなくるなる。ターン終了時に回復する。呪文や超能力に使用により、合体素材にすることはは可能。

攻撃したときも、モンスターは待機状態になる。


「佐衛門さんの狐モンスターは3体・・・パラディンスライムのレベルが9も下げられる!」


三尾 冥狐の水晶玉が光ると、パラディンスライムのレベルが11から2に下げられる。


「そして今度はこの子や!三尾 魔狐の超能力を発動!このターン、相手モンスター1体の持つ超能力を1つ無効にする。この超能力を使用する場合、このモンスターは待機状態になる」

「!」


魔狐の洋風の杖から、黒い雷を含む霧が、パラディンスライムを覆う。

「無効にする超能力は、シールドスライムを装着することで得た、破壊を一度だけ無効にする超能力や」

「!・・・パラディンスライムが、ただのレベル2のモンスターに、変えられちゃった!」

「締めや、うちは三尾 花狐でパラディンスライムを攻撃、オーラナックル!」


気を纏った拳で、パラディンナイトを粉砕した。

レベル6の三尾 花狐は、レベル2のパラディンスライムを破壊した。


「パラディンスライム破壊や!」

「オレは超能力を発動!シールドスライムとソードスライムの2体が同時に墓地に送られた時、デッキからシールドまたはソードと名が付くカードを1枚、デッキから手札に加えることができる」


空は超能力により、あらたなる手札を手に入れた。


「ふふっ・・・タダではやられんってことやな・・・面白い。あんさん強いな・・・それに、こんなに楽しいカードバトル初めてどす。あんたと戦えてよかった、たとえこれが、最後のカードバトルになったとしても、悔いはのこらへん」


「2人とも楽しそうですね・・・・」


闘技場の外から見ていた真琴は、2人を見てそう感じた。


「それはそうでしょ・・・やっぱりモンスタートランプは、相手が強ければ強いほど、楽しいから」


みかんの言葉に真琴はうなずく。


「でも・・・・・・2人にとってこれは・・・絶対負けらないカードバトルなんですよ・・それなのになんで、あの2人は・・・あんなに楽しく、カードバトルができるでしょう?」

「・・・たぶん・・・負けられないからじゃないでしょうかぁ・・・負けられないからこそ・・・・お互い全力で楽しみ全力で戦う・・・モンスタートランプのぉ醍醐味のぉひとつですよぉ」

「・・・・・・なんか、うらやましいです」

「ん?なにが」

「どんな状況でも、本気で楽しんで・・本気でぶつかりあえる、あの2人が・・・・ボクも、いつかあんな風になれたらいいな・・・」

「あんたには無理でしょ」

「ひ・・・ひどい・・・・」


みかんの言葉に、真琴は本気でヘコむ。



6ターン目

空 ライフ15 手札4

佐衛門 ライフ10 手札3

空のターン


「オレのターンドロー・・・オレはブラックスライムを召喚」


空の場に、黒いスライム族モンスターが召喚される。


カード情報。

ブラックスライム レベル3 種族スライム族 属性土 

超能力????


[オレは呪文発動!ダブルスライムを発動!この呪文は、墓地にいるレベル1のスライム族モンスター2体を呪文召喚することができる。オレはソードスライムとシールドスライムスライムを場に呪文召喚する。そして、ブラックスライムとソードスライムとシールドスライムの3体のスライム族モンスターを合体!]


3体のスライム族モンスターが合体し、あらたなるモンスターが生みだされる。


「オレはスーパースライムを合体召喚!」


空の場にレベル10の、強力なスライム族モンスターが合体召喚される。


カード情報。

スーパースライム レベル10 種族スライム族 属性風 

超能力????

合体条件 スライム族モンスター3体


「そして墓地に、カードスライムとソードスライムが、同時に落ちたことによって、ソードまたはシールド名がつくカードを1枚、デッキから手札に加えることができる」


空はデッキからカードを手にれたあと、スーパースライムに攻撃宣言をした。


「オレはスーパースライムで、三尾 冥狐を攻撃!」


空の宣言と共に、スーパースライムはマントを羽ばたかせ、空高く飛びあがる。

そして一気に滑空し、三尾 冥狐を攻撃する。



「スーパーフライングアタック!」


その攻撃に対応して、佐衛門は墓地から呪文を発動させる。


「うちは墓地にある、風遁 変わり身の術を発動や。墓地にあるこの呪文と、手札にあるカード1枚を交換する。この効果はカードバトル中に1度しか使うことはできない。さらにうちは、交換した風遁 変わり身の術を発動。呪文効果によってスーパースライムの攻撃を回避」


スーパースライムの攻撃は、変わり身のカカシにあたり、攻撃は失敗に終わる。


「ああっ!師匠の攻撃が!」

「オレのターン終わりだ」


7ターン目

空 ライフ12 手札3

佐衛門 ライフ10 手札2

佐衛門のターン


「うちのターンドロー・・・そろそろ終わりにさせてもらいます。うちは、場にある3体のモンスターを合体させる。現れるんや、九尾 卑弥狐」


佐衛門の場の、3体の狐モンスター合体し、派手な着物と九本の尾を持つ、狐のボスが合体召喚される。


カード情報。

9尾 卑弥狐  レベル9 種族妖怪族 属性火

超能力????

合体条件三尾 花狐、三尾 冥狐、三尾 魔狐の3体


「この合体モンスターには、3つの超能力があります。今回はそのうちの2つだけを、使わせてもらうで」


佐衛門は扇子をバッと広げ、九尾 卑弥狐の超能力を発動させる。


「九尾卑弥狐の第1の超能力発動。1ターンに1度、手札にある遁と名が付く呪文カードと同じ名前のカードを1枚、手札に加えることができる。うちは、雷遁 イカズチを手札に加える」

(これで・・・うちの手札には雷遁イカヅチが3枚・・・・・あとは仕上げや)

「そして九尾 卑弥呼の、第2の超能力を発動。場に存在するモンスター1体のレベルを、このターン9上昇させる。この超能力を使用した場合、九尾 卑弥狐は、ダウン状態になる」


佐衛門は、扇子をスーパースライムに向けた。


「対象は・・・スーパースライムや」

「!」


スーパースライムは、九尾 火弥狐の超能力で、レベルを10から19に上昇させた。


「なっ・・なんで、わざわざ師匠の・・・相手のモンスターのレベルを・・・・?」

「う~ん、これはぁやばいですよぉ」


マリアが真琴の横でそうつぶやく。

さらにみかんも。


「たしかに・・・これは超大ダメージを狙っているのかもね・・・最初から呪文を集めていたみたいだけど、このためだったのかもしれないわね」

「そうですねぇ・・空くん、大ピンチですぅ」

「え?」


みかんとマリアには、何故佐衛門が、相手のモンスターのレベルを上げたのか、わかっている様子だった。


「うちは合体呪文を発動させます」

「合体呪文!」


真琴はその言葉に驚愕する。


ルール説明

合体呪文とは、決められた2枚以上の呪文を、墓地に捨てることによって、あらたな強力な呪文を、合体カードのなかから選び、発動させる方法である。


「うちは3枚の、雷遁 イカヅチを墓地に捨てて、合体デッキから合体呪文を発動させます」


闘技場の上空が、金色の雲に覆われていく。


「こ・・・これは・・・」


その異様な光景に真琴は動揺する。


「予想どうりぃ・・・合体呪文でしたかぁ・・・・」

「空は、コレをどうさばくか・・・ここが・・この試合の分岐点ね・・・」


マリアとみかんは、その戦況を冷静に分析していた。



「秘術 雷王遁 刹那雷神舞 発動どす!」


佐衛門の発動宣言により、黄金に輝く雷がスーパースライムを襲う。


「この呪文は、相手モンスター1体を破壊し、そのレベル分のダメージを、相手プレイヤーにあたえる」

「なっ・・・それじゃあ・・・・レベル19のスーパースライムが、破壊されたら・・・・師匠は一気に19ポイントのダメージを受けちゃう・・師匠が負けちゃう!」

「このためにぃスーパースライムのぉレベルをぉ上げたんですねぇ」

「空――どうにかしなさい!負けないでよね」


その声に、空が応える。


「ああ、わかってる・・・対策はもうできてる」


佐衛門は扇子を開き、口元に持ってきて、空に告げる。


「残念やけど・・・対策は不可能どす」

「え!」


空の言葉に安堵していた真琴の顔が、また不安に覆われる。


「この呪文が発動した際、相手は、呪文、超能力を発動させることはできない」

「そ・・・そんな・・防御不能!」

「そうや・・この呪文は無敵です」


黄金の雷が、スーパースライムを直撃する。


ズガガガーーーーーーーー――ン。


佐衛門は扇子を広げ、勝ちほこる。


「うちの勝ちどす・・・勘忍な」


だが、その言葉どうりには、ならなかった。


「なっ!」


黄金の雷が落ちた場所には、巨大なスライムの盾があった。

それが消え、なかからスーパースライムが出てくる。


「破壊されていない・・・・なんでや?・・・・この呪文は防御不能やで・・・」

「いや、1つだけ防ぐ方法がある」

「なんやと!」


空が佐衛門に告げる。


「呪文や超能力で防げないなら・・合体呪文で防げばいい・・」

「!・・・合体呪文を合体呪文で相殺やと・・・・」

「オレはあんたが、合体呪文を発動させた瞬間、オレの手札にあるスライムシールドを2枚墓地に捨てて、合体呪文ジャイアントスライムシールドを発動させていた。この呪文効果は、このターン相手による、すべての破壊、ダメージを無効にする。この呪文効果によってオレのスーパースライムは無傷!」

「た・・たしかに・・・超能力でも呪文でもない合体呪文なら防げる・・だけど、まるでうちがこの合体呪文を使うことを予期するように準備してたなんて・・・うちがこの呪文を使うことを・・読んでいたんか?」

「ああ・・・呪文を集めている時に、ピーンときた。だからオレも、それを防ぐための呪文を集めていた。いつでも相手からの合体呪文を防げるように・・」

「あははっかなわんな・・・ホンマ・・最高のカードバトルどす・・うちのモンスタートランプの腕は、日本一と思うていたのに・・・上には上がいたようどすな・・・・・だけど、まだうちは負けてまへんよ、最後の最後まで・・あきらめへん。うちのターンは終わりや」


8ターン目

空 ライフ12 手札1

佐衛門 ライフ10 手札0

空のターン


「オレのターンドロー・・オレは、九尾 卑弥狐にスーパースライムで攻撃!・・・そしてスーパースライムの超能力を発動!スライムバスターモード!」


スーパスライムがムキムキの筋肉状態になっていく。


「この超能力は、このターンにスーパースライムのレベルを、元のレベルの倍にする。

この効果を使用したターンの終了時に、スーパースライムは墓地に送られる。スーパースライムのレベルは20に上昇!スーパバスター―アタック!」


スーパースライムは上空に飛びあがり、一気に滑空。

超音速のスピードで、九尾 卑弥狐を貫く。


「九尾 卑弥狐破壊!そして墓地にある、ブラックスライムの超能力発動!このモンスターが合体素材に使われた時、その合体モンスターに超能力を付加することができる」


「ブラックスライム・・・たしかさっき、スーパースライムの合体素材になったはずや・・なら、スーパースライムに、その超能力が付加されるわけやな・・」


「その付加される超能力は、その合体モンスターが相手モンスターを攻撃で破壊した時、その合体モンスターを墓地に送ることによって、相手にその合体モンスターのレベルの半分のダメージをあたえる能力」


「・・・じゃあ、師匠の・・・・スーパースライムを墓地に送れば・・」

「わたしのぉいったとおりなりますねぇ」


「オレは、レベル20のスーパースライムを墓地に送ることによって、相手にプレイヤーに10ポイントのダメージをあたえる」


スーパースライムから、黒いオーラがあふれ、佐衛門を襲う。


「スライムの黒き波動!」

「・・・・・・・ッ」


佐衛門のライフ10は、空の攻撃によって0になった。


『勝者 空選手』


勝利者へのアナウンスが流れる。



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