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転生大賢者の現代生活  作者: サクラ近衛将監
第一章 大賢者の学校生活

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9/10

1ー9 ストーカー、妖、海水浴?

 夏休みは7月25日から始まるようじゃ。

 儂は初めてのことなのでよく知らないのじゃが、北海道の学校の夏休みは北海道以外の他の都府県に比べると短いそうじゃ。


 何でも冬の寒さが厳しいので、冬休みを長くとる分、夏休みを短縮しているのだそうじゃ。

 従って、年間の休みをトータルすると他の都府県の高校生と左程の違いはないらしい。


 で、儂はその北海道の寒さと言うのを知らんのじゃが、・・・。

 いや、幸次郎の記憶にはあるから全く知らないわけでは無いな。


 ただ、儂の五感で経験したわけでは無いから、正直なところ良くわからん。

 夏場の暑さと言うのが、正直なところ自分では余り感じないのじゃよ。


 別に儂の五感が鈍っているわけでは無いぞよ。

 但し、同級生が暑いと言って汗を掻いている時に左程の暑さを感じておらんのじゃ。


 幸次郎の体質かとも思ったがどうも違うようじゃな。

 幸次郎の記憶でも夏は暑く、結構な汗を掻いていたのじゃ。


 まぁ、儂の場合、魔導を極めていたので、暑さ寒さに対応できるよう身体強化と同様に身体に魔力を流してその対策をとっていたから・・・。

 或いは、その(くせ)が無意識に出たのかもしれない。


 フム、この分だと、冬の()()()()寒さと言うものも左程苦にはならぬかもしれない。

 術者によっては周囲を凍り付かせるような広域魔導を放つ者もいたから、当然、そんな中でも自由に動けるよう対応策を取っていたのが前世の儂じゃ。


 これが魔導でなくば、単なる自然現象に過ぎぬじゃろうから、いくらでも対策はとれると考えているところじゃ。

 そんなことはともかく、かおりの周囲に現れると言うストーカーの対策を何とかせねばなるまい。


 色々調べてみると、ストーカーと言うのは、かなりシツコイ粘着質の(やから)が為す様であり、中には犯罪予備軍もいるらしい。

 幸次郎の幼馴染が困っているのなら、儂が何とか対策を取ってやるしかないじゃろう。


 結局のところ、儂の使い魔を呼び出し、当座の監視をさせたのじゃ。

 無論、かおりの身体に危険が迫る様な場合は、証拠を残さないように守護せよと指示もしている。


 三日間、四体の使い魔をかおりに張り付けた結果、取り敢えず、悪質な5人については、力づくでお引き取り願った。

 なんてことはないのじゃが、若干物理的にも痛い目を見てもらい、最終的に闇属性の魔導で、そ奴らの精神を操っただけの話じゃ。


 三人は、何もないところで、突然転んで、足の骨にひびが入った。

 二人は、よろけた拍子に手をついて肘関節を脱臼した。


 いずれも病院のお世話になったのじゃが、その夜、夢の中で(たた)りというものがあることをちょっと認識させてやっただけのことじゃ。

 いや、まぁ、正直に言えば、『ちょっと』というよりは、ストーカー並みにかなり執拗(しつよう)じゃったかも知れぬな。


 他にもまだ居るようじゃが、その辺は少し様子見だ。

 かおりの迷惑になる様なら、同様に排除することにしている。


 かおりには、北海道神宮のお守りと誕生石であるトパーズの原石を渡して、これを身に着けていれば守られるぞと闇属性魔導で半分信じ込ませた。

 正直なところ、人の心を操るのは好きではないが、必要に迫られたなら使うことに躊躇(ためら)いはない。


 夏休みに入る前には、かおりの周囲で悪質なストーカーは完全に姿を消して、平穏を取り戻していた。

 かおり曰く、俺が渡した二つのお守りのお陰だと言って大層喜んでおったのぉ。


 北海道神宮のお守りは別として、トパーズの原石はかおりが宝飾店に頼んでペンダントにしてもらったようじゃ。

 そのために若干原石を削ったようじゃが、儂の付与魔導はトパーズの中心部に集中させておるから、その効果については何ら問題はない。


 一応、物理防御と魔導防御ができる代物じゃが、おそらく魔導防御はこの世界では不要じゃろうと思ってはおる。

 物理防御に関しては、単純に言って米軍が保有する12.7ミリの対物ライフル弾程度ならばなんとか防御できるのではないかと思うのじゃ。


 但し、ミサイルや大口径の砲弾が直撃するような場合では流石に無理じゃろうな。

 爆発物については、近距離での爆発は無理でも、五階建てビルを完全に破壊するぐらいの爆発であっても、爆心地から20m以遠に居れば、おそらく大怪我はしても命は助かるはずじゃし、場合によっては無傷かも知れぬ。


 但し、実際にそのようなことが起きた場合、後始末が大変かも知れぬな。

 普通ならば絶対に起こり得ないことじゃろうからな。


 魔導の達人であれば魔導付与が見破れるかもしれぬが、この世界にはどうも魔導師や錬金術師は居ないようじゃから、魔導付与のトパーズについては余り心配する必要はないじゃろう。

 仮に付与した魔導の発動があったような場合には、護られたかおりについては、またまたマスコミやらネットで評判になってしまうことは避けられないじゃろうな。


 それを考えると若干憂鬱(ゆううつ)なのじゃが、まぁ、やむを得ないと考えている。


 ◇◇◇◇


 この日本という国には伝承が多い。

 伝承に良く出て来るものに、(あやかし)や鬼などの人に(あら)ざるものがある。


 都市伝説と呼ばれるような単なる超常現象のデマではなく、妖魔が引き起こす現象があるのじゃ。

 それを知ったのはひょんなことじゃった。


 九幌の隣町、帆樽(ほたる)にある汀宮(ていみや)洞窟を高校の授業の一環として歴史探訪で訪れた際に、この洞窟内にある壁画(線刻壁画)に込められた妖を感じてしまったのじゃ。

 残念ながら、同級生たちでそれを感じ取った者は居らず、儂の魔導術師故の感性で受け取ったものかも知れぬが、少なくともこの現世には妖の存在する可能性がある様じゃ。


 壁画に込められた妖は、それだけで何かを顕現(けんげん)させるようなものではないのじゃが、何かのきっかけがあれば妖魔がこの世に発現する可能性を秘めていた。

 切っ掛けとなるのは、おそらくは濃い魔素若しくは魔力では無いかと思っている。


 洞窟内は過去において相当量の魔素が(こも)っていたような痕跡があるのじゃが、現在では洞窟の外と同じく平均的な量になっている。

 そう言えば、幸次郎のいる現世は、前世と異なって魔素が薄いのじゃ。


 魔導術が使えないほど薄いわけでは無いのじゃが、魔導を使って回復する時間が三割ほど遅いように感じておるから、恐らくは前世と比べて三割ほど魔素が少ないものと判断しておる。

 汀宮洞窟も或いは三割ほど魔素量を増やせば、壁画に込められた残滓(ざんし)のような妖が顕現するのかもしれない。


 儂が観るところでは、この妖は呪いのようなモノじゃろうと考えておる。

 何らかの(うら)みが込められたものと言っても良いじゃろう。


 但し、現世ではこの呪いが復活することは無いじゃろうな。

 図書館で調べたのじゃが、帆樽の西にある庸市(よういち)にも壁画のあるHUGO洞窟なるものがある様じゃし、周辺の山にはストーンサークルも有るらしい。


 暇な折にはそんな場所を探索してみるのも面白いかも知れぬな。

 いずれにしろ過去においては、この現世でも魔素を感知し、魔導を使っていたやもしれぬというのは大きな発見じゃ。


 ◇◇◇◇


 夏休みに入って直ぐに、儂の飛行術と転移術を連続して駆使することにより、例の北マリアナ諸島の最北にあるファラリヨン・デ・パハロス島を訪ねてみた。

 2500キロ余りを飛空魔導と転移魔導の連続行使により、20分ほどで踏破、無事にその無人島まで行き着けたので、そこに起点を置いて、いつでも転移できるようにしておいたのじゃ。


 未だ偵察衛星からの監視を免れているわけでは無いのじゃが、曇天などで天空からの視界を(さえぎ)られているような場合であれば、余程のことが無い限りは魔導の発動も可能じゃろうと思っている。

 取り敢えずは、転移場所の確認だけで第一日目は終わった。


 そうして儂の夏休みの計画は、またしても隣の幼馴染によりかき乱されることになった。

 第一日目の夕刻にメールが入ったのじゃ。


 内容は、またしても逢引き(デート)の話じゃった。

 北海道は緯度が高いので寒冷地ではあるのじゃが、昨今の温暖化により結構夏場は暑い日がある。


 そうして、その暑い夏の盛りは、九幌近郊の砂浜は海水浴客で賑わうのであるが、それも8月15日のお盆までの限定的な期間らしいのじゃ。

 かおりが行こうと言って来たのは、狩浜の西側にある大浜海岸での海水浴じゃった。


 狩浜ならば地下鉄で行けるので便利が良いのじゃが、大浜へは九幌駅から夏場しか運航しない臨時バスに乗るしかない。

 狩浜が地下鉄南北線の開通に伴って便利となり、大勢の海水浴客が訪れるようになったために、相対的に大浜は海水浴客が減少し、今では隠れスポット的な海水浴場になっているらしいのじゃ。


 無論、海の家も夏場の間だけ出店するが、狩浜ほどの混雑はしない場所のようじゃ。

 幸次郎の記憶でも小学生の頃に家族連れで行った狩浜海水浴場は、イモ洗い海岸とでも言いたくなるほどの大勢の人出じゃった。


 生憎とかおりと海水浴に行った記憶は無いな。

 しかし、なんで現世の女子(おなご)は裸を見せたがるのじゃろうか。


 幸次郎の記憶にはあったものの、初めてネットを見て、至る所に女の裸が溢れているのを見た時には、さしもの儂も分身が屹立(きつりつ)して(なだ)めるのに困ったものじゃ。

 幸次郎の記憶情報にある事物を単に認識しているのと、実際に体験する(単に観るだけ)のとでは受ける感じが全く違うのじゃ。


 (じじい)の意識のままの儂の中では、とうの昔に達観していたはずじゃが、生憎と若い身体はすぐに反応してしまうようじゃな。

 この状況では、かおりの半ば裸に近い水着姿なんぞを観れば大変なことになりかねない。


 何せ、前世では脚であればくるぶしまで、うなじであれば多少肩の一部だけ見えるだけでエロチシズムを感じる世界じゃった。

 しかしながら現世では、くるぶしどころか、普段からパンツが見えそうなミニスカートが氾濫(はんらん)しており、普段からおみ足を全開で見せており、夏場は二の腕どころか脇まで見えるノースリーブを着用しておる若い女子(おなご)が普通なのじゃ。


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