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転生大賢者の現代生活  作者: サクラ近衛将監
第一章 大賢者の学校生活

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7/10

1ー7 魔導師の沈思黙考を妨げる奴? その三

 どうやら当たり具合から判断するに、幸次郎の幼馴染も順調に育っているらしい。

 因みにかおりは、いつものように髪をポニーテールにまとめ、ローズピンクのTシャツに帯風のベルトを蝶結びに結んだチェリーピンクのハイウエスト・ショートパンツ、足元は白にピンクが入ったバスケットシューズにまとめている。


 サングラスと肩から斜めにかけている白のポシェットがアクセントになっておるのぉ。

 左手には少し大きめのバスケットを下げている。


 全体的にラフなおしゃれ姿ではあるものの、結構なお値段がするものじゃ。

 因みに鑑定を掛けてみたら、Tシャツ1万2千円、ショートパンツは1万5千円、サングラスは某有名メーカーの2万7千円、ポシェットが1万8千円、バスケットシューズがJO◇DANのもので2万3千円也とかなりの金をかけている。


 まぁ、かおりは九幌市内大手の衣料品店の社長令嬢じゃから、それなりのお小遣いは貰っているのじゃろうし、衣類にも金をかけているのじゃろう。

 こちとらも医者の息子じゃから、左程経済的に困っているわけでもないが、お小遣いは毎月定額で決まっているし、幸次郎は衣類には興味がなかったようで、クローゼットに入っている衣類はさほど多くない。


 そんなわけで、同じく儂は、この世界で言うところのラフな格好でありながら『UCLA』と描かれた薄青のTシャツにブルージーンズ、足元は普通の白っぽいスニーカーじゃ。

 いずれも幸次郎が◇ニクロで買った廉売品(れんばいひん)なのじゃ。


 幸次郎は179センチの身長で同じ年齢の高校生の中でも結構高身長の方じゃろう。

 但し、儂から言わせると筋力不足で細すぎる。


 ここ二月ほどの鍛錬で多少は筋肉も増えてきたようじゃが、時に応じて魔導術により身体強化をしなければいけない状況はあまり変わっていない。

 少々の事でも耐えられるまでに鍛えるには、やはりまだ半年以上はかかるじゃろうと見ている。


 ところで、かおりの方じゃが中学の時からバスケット・クラブに入っており、身長は169,6センチと日本人女性にしてはかなり大柄じゃろう。

 伸び盛りは既に過ぎているようじゃが、未だに延びしろが有りそうで、或いは170センチの大台を超えるかもしれない。


 体重は57.2キロ、BWHはそれぞれ、82.2センチ、60.5センチ、84.4センチだ。

 どちらかというとやせ型なんじゃが、意外とおっぱいがデカいかな?


 別に測ったわけじゃないぞ。

 鑑定で調べただけじゃ。


 顔はうりざね顔、前世の儂の基準からすると平板な顔になってしまうが、幸次郎の美的感覚に依れば美人の部類に入る。

 儂自身も、自分の目で実物を見た範囲(九幌市内限定)内では間違いなく十位以内に入る美人さんじゃとは思うておる。


 まぁネットで氾濫している美人さん達には及ばないかもしれないけれが、それでも美人の部類には入るじゃろう。

 容貌については、未だ固まっていない少女期から脱し切れていないので、これからもう少し変化があるじゃろうけれど、美人になるのは間違いないと思う。


 それに小顔で、多分九頭身ぐらいのモデル体型であるように思う。

 おみ足も日本人にしては長いぞよ。


 何れにしろ、かおりが盛んに話しかけて来るのに対応してそれなりに駄弁(だべ)りつつ、かなり密接にくっついたままで、案内板に従って狩浜水族館への道を辿る二人じゃった。

 前浜駅から徒歩7分で水族館の入り口に達した。


 水族館の入場料は、儂が支払った。

 かおりが払おうとしていたのをわざわざ静止して、儂が支払ったのじゃが、これは幸次郎の記憶に残る()()()()なる感性(やせ我慢?それとも見栄?)がなせる業じゃ。


 儂自身は正直なところどちらが支払っても構わなかったのじゃが、本来の幸次郎であれば成したであろう行動をとっただけの話じゃ。

 自分が誘ったのだからという理由でかおりは支払うつもりだったようじゃが、儂が支払いを申し出ると素直に引き下がった。


 その際にかおりは何故かちょっと顔を赤らめつつ、「ありがとね。」と言っておった。

 入館するとすぐにカップルに一人ずつガイド役が付き、リクライニングシートの有るブースに案内された。


 カップル用の特製のリクライニングシートで、二人が並んで座れるタイプである。

 ガイドさん曰く、今回試験的に導入したものだそうで、これまでは全てが一人用シートだったそうだ。


 サイズ的には乗用車の運転席と助手席ぐらいの感じなのじゃが、シート同士の間隔は乗用車よりも若干狭い様な気がする。

 二人でシートに座り、あらかじめ準備されていたVRゴーグルとフック式のバングル(センサー付き)を装着すると、すぐにシートが倒れ始め、同時に足の部分が浮き上がり、頭部から足元にかけて10度ぐらいの傾きでほとんど寝たような状態になる。


 儂が右側、かおりが左側のシートなのじゃが、横になるとすぐにかおりが右手で儂の左手を握った。

 ここでもかと思いつつも、まぁ、手を払う理由も無いからかおりの好きなようにさせている。


 互いに軽く(てのひら)を握っている感覚じゃ。

 VRの方はすぐにナレーションと共に映像が目の前に広がる。


 驚いた事にバックミュージックのついたナレーションは、所謂(いわゆる)マルチ音源のステレオ以上の立体感を産み出していた。

 多分シート自体に音に共鳴する微細振動が付けられているのと、卵型に近いブースの造りとスピーカーの配置が、音の反響を理想的に制御している所為じゃろうと思う。


 従って、視覚と聴覚の両方がこの装置では左右されることになる。

 VRMMOの先進技術を利用したものかなとは思うのじゃが、魔導術若しくは錬金術で再現できるじゃろうかと考えてもいたりした。


 VRゴーグルによる水族館観察探訪は、概ね50分をワンセットとして、各10分間の休憩と12時から1時間弱の「昼食兼昼休み」を挟みながら4セットある。

 これまでは、4通りのコースから一つを選んで2時間ワンセットだけだったのだが、今回はカップルで全てのコースを経験できる試みなのだ。


 非常に微細な部分も鮮明に見られる画像にまず目を奪われるし、水中を自らの意志で自由に動けることも素晴らしい。

 VRなので水圧も水の抵抗も感じないのじゃが、それらを再現できるようになればより感覚的体験ができるじゃろうと思われる。


 進行方向については、シート外側にあるジョイスティックレバーで選べるし、速度もジョイスティックの傾きだけで任意に動かせる。

 取り敢えず儂の右側にあるジョイスティックを有効にして、かおりと相談しながら仮想空間の探訪を続けた。


 まぁ、形としては、かおりとお手々をつないで水中散歩を楽しんだことになる。

 面白いのはVR画面の中で水槽の詳細選択ができることだろう。


 例えば、1セット目は「磯」の場面なのだが、砂浜、岩場、礫場(れきば)の三種類と三通りの水深、それに寒帯、温帯、熱帯が選べるから全部で27通りが選択できることになり、この選択もジョイスティックで可能なのだ。

 同様に2セット目は「大洋」、3セット目は「淡水」、4セット目は「深海」がテーマである。


 それぞれのセットの合間である15分間の休憩時には、水分補給と要すればお手洗いに行くことになる。

 かおりのお花摘みに際しては、儂がボディガード役でその入り口まで付いて行くことにした。


 たまたま読んだ書籍に依れば、英国版の騎士道精神では、女性に対しては常に紳士的な振る舞いが要求されるとのことなので、「郷に入っては郷に従え」(前世では「異国の地では異国の掟がある」とされていた。)で、常にかおりのボディガード役を務めることにしたのじゃ。

 トイレは男性用と女性トイレの入り口がやや離れてはいるものの、待ち人のために長椅子様のベンチが間にあるので、儂はそこで待っていた。


 かおりが出てきたのを確認して、水分補給用としてオレンジ味のFA*TAを自販機で購入して手渡した。

 昔からかおりはこのオレンジ味を好んでいたからじゃ。


 まぁ、こんなところも幼馴染のゆえにできることじゃろう。

 お昼の軽食は、館内のフードコートにある席で、かおりの持参してきた手作り弁当を頂いた。


 ここは食べ物等持ち込み自由になっており、かおりが持って来ていたバスケットの中身は、手作り弁当だったのだ。

 中身は手巻き寿司と種々のお惣菜じゃった。


 儂も幸次郎も昔から好き嫌いは無い。

 かおりも概ね好き嫌いは無いのじゃが、どちらかというと小魚類の骨を苦手としているようじゃ。


 従って無難なところで、手巻き寿司と中華風のオードブルに近いお惣菜にしたのじゃろうが、結構なお味だった。

 将来的に、良いお嫁さんになれるよと褒めてあげるとすっかり照れていたのぉ。


 昼食を終えて暫し、その座席でお茶を飲みながら語らうのだが、正直なところ、かおりが話役で、儂は聞き役である。

 そうは言いながらも、かおりが遠慮会釈なく質問をぶつけてくるから、その際には無難な回答を心掛けている。


 前世での宮廷作法が身に沁みついているので、その間ずっと笑顔を張り付けたままじゃ。

 (はた)から見れば仲の良いカップルが談笑しているように見えたに違いない。


 午後の開始時間に近くなったので元のブースに戻り、3セット目及び4セット目の探訪を続けた。

 最後の「深海」ステージになると異形のモンスター紛いの怪魚が連続して出現するようになり、かおりの手に力が入って儂の手に伝わる。


 恐らくかなり怖いのだろうが必死に叫び声は押し殺しているようで、時折ビクッとしながらも、その分手に力が入るようじゃ。

 まぁ、その意味では可愛いものじゃ。


 造りモノと判っているから儂も対応できる。

 尤もこれが本物ならば、魔導術で即座に消し飛ばしているところじゃ。


 そうそう、面白いのは、VR画面の中に宝箱が隠されていたことじゃった。

 1セット目で、砂場の海底に宝箱が隠れているのを偶然に見つけてしまったのじゃ。


 本物の箱が砂に埋もれていたわけでは無く、あくまでVR上に出現するのだけれど、こいつは砂場を掘らないと実は見つけられない代物じゃった。

 偶々(たまたま)、砂場の海底を歩いていたら、箱に被さっていた砂が海水の流れで舞い上がり、偶然に見つけられたわけじゃ。


 かおりと相談の上、砂から掘り出して蓋を開けたら、VR画面に『100ポイント獲得』と出た。

 よくわからぬが、あるいはこれが景品を貰う為に有利に働くのかもしれない。


 午後2時55分には、予定されていた四つのステージ探訪が終わり、自動的にリクライニングが戻って座席が普通の角度になったが、VR画面上には『ゴーグルを外さず、そのままお待ちください。』という表示が出ている。

 そうして間もなく、『これより終演のセレモニーを開始します。』というテロップとアナウンスがあった。



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