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転生大賢者の現代生活  作者: サクラ近衛将監
第一章 大賢者の学校生活

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4/10

1ー4 身に降りかかる火の粉の避け方 その三

 その録画を見た直後、驚きの表情で教頭が叫んだ。


「なんだね、これはカツアゲの現場か?

 それに山岡は、座っている君を蹴ろうとして(かわ)された挙句(あげく)に自滅した?」


「別に()()()でもトリックでもありません。

 今日の昼休み、この学校の校庭の一角で起きた事件の一部始終です。

 僕は、彼らから何度か強請(ゆす)られていました。

 必要ならこれまでの被害金額を教えましょうか?

 それにこの休み中の三日の日の記憶がほとんどないんです。

 五月三日の日の午後16時ころに豊比良川の河川敷で目を覚ましましたが、衣服が泥で汚れ、顔や腕や足にも打撲傷がありました。

 僕の記憶に無いために証拠はありませんが、多分、彼らがやったのでしょう。

 僕の財布を盗ったと自ら言っていますからね。

 財布には二万以上のお小遣いが入っていたはずです。

 彼らが僕に対して傷害の申し立てをするならば、逆に僕も警察に被害届を出しますよ。

 三日の日の傷害については、念のため写真撮影をしています。(この部分は、はったりじゃが、まぁ魔法で再現して写真を撮るぐらい朝飯前じゃがな。)

 親には見せていませんけれどね。

 さて、教頭先生はどう判断されますか?

 僕は、加害者なんですか?

 それとも被害者なんですか?

 因みに申し上げておきますけれど、今朝のホームルームが始まる前にも、山岡達四人が僕のところに押しかけて来て脅迫めいたことをしています。

 必要ならばクラスの者に聞いてみたら如何でしょうか?

 (もっと)も、正直に話してくれるかどうかわかりませんけれどね。

 山岡達に逆らうと自分たちがいじめられると思っていますから・・・。

 担任の先生にも一応聞いてはどうでしょうね。

 こちらも知らんふりをされるかもしれませんけれど・・・。

 いずれにせよ、僕に火の粉が降りかかるようならば、自衛をしますよ。

 必要とあれば、警察若しくは検察に告訴も辞さない覚悟ですし、場合によってはマスコミにも公表します。

 僕の方からこれ以上の話はありません。

 教頭先生は為すべきことをしてください。

 僕の以後の行動はそれによって決まります。

 では、僕はこれで失礼します。」


 教頭が何か言う前にさっさと部屋を出た。

 あとは成り行き任せだが、場合によっては奥の手として闇属性魔導で自白をさせることも考えている。


 さて、教頭先生を含めて高校幹部の動き、それに九幌市の教育委員会やPTAがどう動くかだな。

 まぁ、一応監視の眼はつけておこうか。


 ◇◇◇◇


 儂は、密偵になる(ムシ)を複数動かして、対象となる人物たちに振り分けたのじゃった。

 最終的に、翌週の月曜日である10日には、昼休みに儂が校長室へ呼ばれ、山岡達の親と面会する羽目になった。


 のっけから親達六人(母親一人と父親一人が都合で来れなかった)に頭を下げられた。

 儂の方で何もせずとも四人の悪ガキどもが素直に全部吐いたようじゃ。


 やはり、スマホに録音録画されていたというのが効いているようじゃのぉ。

 教頭から突っ込まれて、志賀、岡島、沢村の三人がまず落ちた。


 次いでその三人の証言がでたことから、山岡も否定のしようが無くて落ちたのである。

 そのために、学校側で協議して土曜日に四人の保護者を呼び出して協議した結果が、幸次郎に対する陳謝と詫び状、それにカツアゲ被害の損害額の賠償ということになったのじゃ。

 

 山岡達との関係は、中学二年生の頃からであり、被害額は実に30万近くに上っていた。

 このため、賠償額は慰謝料を含めてキリの良い50万円になっていた。


 岡島の父親は、民事の弁護士(前世には無かった職じゃが、商業ギルドの法務部門に当たるのやも知れぬ。)をしており、賠償の際のノウハウを知っていたと言える。

 オチは、将来ある息子たちのために表沙汰にだけはしないでくれということじゃったな。


 まぁ、儂が甘いのかもしれぬが、儂が幸次郎になってからで云えば実害は殆ど無かったので、本人たちに今後は真面目に学校生活を送るという念書を書かせて一見落着としたのである。

 これ以降、幸次郎の顔を見ると山岡達はこそこそと逃げるようになったのぉ。


 ◇◇◇◇


 ところで幸次郎は部活には所属していないのじゃが、体力づくりを兼ねて何か武道をやってみようかとも思ったのじゃが、・・・。

 九幌城北高校の武道系部活は、剣道、弓道、空手、柔道・レスリングしかなく、実際に練習風景を見学すると何となく低調であるように思えた。


 一つには道内有数の進学校でもあることから、スポーツ系運動部は今一つ盛り上がりに欠けるようなのじゃ。

 人数の多いのは、空手、サッカー、テニス、バレー、水泳、陸上競技部辺りじゃろう。


 空手は『剛柔流』という流派のようだが、()()()と言って対戦相手の身体に当たらないようにする流派のために、実戦タイプではない。

 剣道も竹刀という打ち道具、面、籠手(こて)、胴具などの防具で怪我をしないように工夫されていることから、すっかり実戦から離れた武技となっているものじゃ。


 弓道も作法に重点を置いているので精神修養にはなるかもしれぬが、所謂武道からは離れている様な気がするのじゃ。

 サッカーなどは足を使ったボール遊びなので、それなりに楽しめるかもしれないが、身体を鍛えるという意味では若干ずれている様な気がするのぉ。


 同様にテニス、バレーも球技の一種でやはりルールで決められたゲームに過ぎない。

 水泳が全身の筋肉を鍛えるには一番バランスが取れているのじゃが、これも武道たり得ないじゃろう。


 陸上競技は、個人の記録のみを対象にした競争に過ぎない。

 儂の求める武道とは、個対個の戦いながら強さと精神力を高めるものでなければならず、単なる型を追い求めるものではあってはならないと思うのじゃ。


 色々検討した結果、最終的に部活に入ることは止めにした。

 身体全体を使う武術として、こちらの世界にある古武術が相応しいのではないかと思ったのじゃが、生憎と教える者が近隣には居ないので、次善の策として、古武術から派生した合気道を選んだ。


 極真空手の様なフルコンタクトの空手でも構わなかったのじゃが、おそらく一月もしないうちに相手が居なくなるのが目に見えていたし、そこで強者になると目立ちすぎるので止めたのじゃ。

 合気道も、おそらくは見極めさえつけば、道場通いを止めても良いかもしれないが、取り敢えずは様子見になるかな。


 合気道の道場は、豊比良区の体育館内にある格技室で日曜の18時から20時まで開かれる分を申し込んだ。

 入会金その他で初回1万5千円ほど、翌月から毎月3千円程かかるらしいのじゃが、臨時収入の50万円をその費用に充てることにした。


 賠償金の50万円の件は、別途加害者の両親や学校側から儂の両親にも謝罪の連絡が行くようじゃ。

 それがために、一応両親にも月曜の夕食時には話をしているのじゃが、被害額がこれまでかすめ取られた幸次郎の小遣いじゃったことから、親に言わなかったことを若干叱られたものの、そのまま全額を自由に使っても良い小遣いとなったのじゃ。


 儂の普段の身体訓練は、取り敢えず、家のすぐ近くにある公園内でシャドウ・コンバットじゃな。

 足裁き、体裁き、手及び腕の裁きは、空手の型が練習になるし、太極拳も重心移動の良い練習になる。

 

 体力の方は、走り込みと九幌市交通局南車両基地南側に広がる原生林がちょうどよい訓練場所になりそうじゃ。

 勉強の方は、これまでの状況から見る限りは多分大丈夫だろうと思うておる。


 転生後、最初の10日間で、高校一年生で学習すべき範囲の知識習得は、独学でほぼ終えている。

 現在は、参考書を購入して、二年生及び三年生の学習範囲を鋭意予習中だが、おそらく6月半ばまでには終えることができるんじゃないかと思うのじゃ。


 後は、左団扇(ひだりうちわ)で何をするかじゃが、魔導術の訓練、特に中規模以上の魔導は流石に周辺では難しい。

 ネットで調べてみると、北マリアナ諸島の最北域にファラリヨン・デ・パハロス島という火山性の無人島があるらしいので、そこまで行って練習場にできるかどうかを確認してみようと思う。


 北海道の近くでは千島列島というロシア領域があり、結構な数の無人島があることはあるのじゃが、ソ連軍が駐留している島があり、空軍の警戒が特に強い領域なので、正直なところ危険を冒したくはない場所なのじゃ。

 そんなこんなで北マリアナ諸島で滅多に人が訪れない島としてファラリヨン・デ・パハロス島を選んだわけじゃ。


 火山島じゃから噴火の危険性はゼロではない。

 しかしながら、火山の噴火の兆候があればすぐに転移魔法で避難できるので、むしろ、島へ一度行くための飛空の最中に航空機にぶつかる危険性の方がよほど高いのじゃ。


 儂の探査エリアである10キロ前後は、毎時1000キロで移動する航空機にとっては僅かに30秒足らずの距離である。

 こちらが航空機に気づいたにしても、その進路と速力を見定めている間に、向こうがぶつかってくる可能性も十分にあり得るのじゃ。


 因みに島までは、九幌の家から直線距離で2500キロ余り、少し遠いけれど行けない距離ではない。

 空間魔導の転移と飛空魔導を併用すれば、見える範囲での移動ができるので、数十キロ程度は簡単に移動できるのじゃ。


 まぁ、方位さえ間違えなければ大丈夫であろうと思うのじゃが、一応念のためにGPS測定装置と言うものを持って行くしかないじゃろうな。

 旅行用の磁針方位(コンパス)ではとても正確な方位を確認できそうにない。


 さらには人目を避ける都合上、カモフラージュが必要になりそうなのじゃ。

 この世界では衛星なるものが遥か大空の高みに在って地上を(のぞ)き見ているらしい。


 精度は、100キロもの高空からヒトの頭程度の大きさまで判別できると言うから凄いものじゃな。

 光属性や風属性の魔導等による範囲捜索で確認できるのは精々10キロ程度までなのじゃが、魔導にできぬことを偵察衛星ができるらしいので、それに引っかからぬように用心をしなければならない。


 光属性魔導により人の目から姿を隠すことは可能じゃが、電波等を当てられると看破されかねないのぉ。

 尤も、肉体などは電波が透過してしまうらしいので、ステルス戦闘機以上にレーダーでは感知できない筈ではあるのじゃが・・・・。


 さらには、儂が空に居る間、航空機なるものが結構飛び交っているからして、こいつにぶち当てられでもしたら生身の身体ではとても持ちそうにない。

 従って、こっちは只管(ひたすら)航空機なるものに注意してその進路を避けなければならない筈なのじゃ。


 そうは言いながらも、一度島に達してしまえば、以後は転移だけで飛空(ひくう)はせずとも済むので、取り敢えず、一度限りの冒険となるじゃろうな。

 予定外の時間がかかっても困るので、連休の続くときにやってみたいと考えている。


 取り敢えずは7月の夏休みまでは様子見になるじゃろうな。



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