第1話 オタクの日常は徹夜が当たり前だ
「オラァァァァァァァ! これでくたばれッ! ミラ○レアスぅぅぅぅ!」
俺の名前は『小鳥遊緋凪』高校二年生のオタクだ。
だがオタクと言っても様々な分野がある。アイドルやVtuber、鉄道などだ。俺はその内のラノベとゲームだ。有名どころのラノベは大体は網羅しているし、マイナーな物も結構読んでいたりする。もちろんグッズもたくさん揃えているぞ! ラノベの由来のキーホルダーからフィギュアまで開店待ちしたりネット通販をしたりしてちゃんと確保している。そのためにそこそこ大きめのアパート(2LDK)を借りて、その中の部屋を1個まるまる使ってオタク部屋を作っていたりするんだぞ?
ゲームの方に関しては有名タイトルは全て廃プレイしているし、特に某狩りゲーがすきだ。今だってどこぞの国を滅ぼした黒龍さんをマルチ体力、ソロプレイでタイムアタックをして自己最高スコアを叩き出したぞ! 他にもRPGやアクション系も好んでやっている。その影響で一時期、ツボを割ってみたいと思ったことがある。ツボを割ればお金やアイテムが手に入ると思っていたんだ。
「あぁ〜、疲れたぁ。流石に徹夜は堪えるものがあるな」
今の時刻は5時30分くらいだから……あと1時間半は寝れるな。なんで今日、学校があるんだよぉ〜。まぁ、いい。とりあえず歯磨きして寝よう。おやすみなさい。
◆ ◆ ◆
ブー、ブー、ブー
んあ、なんの音だ? うるさいなぁ。
「ふわぁ〜。なんだよ、スマホの音か……………6時40分!?」
やばい! 完全に寝坊した! あと20分で電車が出てしまう!
まず急いで制服を着て、カバンを背負って、冷蔵庫から『翼を授ける』赤い牛のエナドリとカロリーメートを取り出して走って家を出る。駅までおよそ25分のところを15分で行かないといけないため、全力で走らないと間に合わない。
そして全力で走ったわけだが結果だけ言えば、なんとかギリギリ間に合った。ただ全力で走ったせいで9月だってのにクソ暑い。でも電車の中はクーラーが効いてきて涼しいが人が多いので結局暑苦しい。
電車に乗って30分、ようやく学校がある駅に着いた。そして駅から20分歩くと学校に着くわけだが、クソ眠い。今日の一限目は移動教室じゃないし、教室に着いたら寝ていよう。
そんな感じで、眠気を堪えながら学校まで歩き、扉をガラガラと開き教室に入った。だがクラスメイト皆が話しかけるどころか挨拶すらしてこない。
なぜかというと、俺はクラスで孤立している。孤立しているというか陰キャで影が薄く、誰にも話しかけられないのだ。まぁ、自分から関わりに行っていないのも孤立した一つの原因だが。そして自分のオタク趣味があまり受け入れてもらえないのだ。
だが、俺的には煩わしい関係が生まれないし、遊びに誘われないから趣味に時間を注げるので意外と「これでいい」と感じてしまっている。
そして、俺の大体の教室に着いた後のルーティンは鞄を机の横にかけ、授業を確認した後に机に突っ伏して寝ることだ。大体の日がゲームか深夜アニメ、ラノベを徹夜して満喫し、寝不足になるので少しの時間でも睡眠に注ぐのだ。それなら徹夜するな、という話になるが、それは無理だ。俺は何処かのありふれた職業で最強になった人の家訓『趣味の合間に人生』をリスペクトしているからな!
そして今日も今日とて机で寝ようとしていると3人しかいない学校の友であり、オタク仲間である『高森蓮』が話しかけてきた。
「小鳥遊ぃ〜、昨日の深夜アニメ見たか?」
「もちろんだ! 今期のアニメでは大当たりと言っても過言ではない『お盆の勇者の成り上がり』だろ? 俺は昔から読んでいたからもちろん見たとも!」
俺が即答すると、なぜか高森の反応が悪い。
「あぁ〜、そっちね。じゃなくて俺が言っているのは『お隣の小悪魔様にいつの間にか真人間にされていた件』だよ」
「あぁー、あれか! いいよねぇ、隣の家に学校一の小悪魔系美少女がいるとか恵まれてるよなぁ。まっ、現実じゃ無理だろうけどな」
俺がそう言うと「チッチッチ、違うんだなぁ。現実で起きないからこそ良いんだよ」と少し……いや、大分ウザく高森が言ってきた。
まぁ、確かに俺もそう思う。
この時は他人事の様にそう思っていた。……この後どんなことが待っているかも知らずに。