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第9話 異世界の君、最初の晩餐(3)

 ジンギスカン以外に取り出してきておいた、食後のアイスもみんなに振舞い、今後のことについて話しあう。

 これは自家製で、乳脂肪分いっぱい、甘みは和三盆を使って作ってあり、濃厚な味わいとなっている。

 カロリーは 気にしては いけない


「なんじゃこれはうまいなあ」


 魔女さんが一番喜んでくれている。


 みんなが満腹になったところで、片付けをしつつ、魔法の及ぼした範囲、及ばない範囲について今後の復興の参考として聞いておく。

 

 ・水、電力、火またはガスは魔導石というものがあり、それを国として供給していたため前の世界でいう水道と電気、ガスコンロや暖房のシステムは構築されている。

 ・時間がとまり、姿を失って凍結という名の()()化しているのは王と魔女さんと双子くん以外の人間すべて。

 ・新たにこの国に立ち入った人も何かしらの凍結魔法の影響を受けることが推察される。

 ・人間以外の動植物は凍結対象外。

 ・魔女さんが私の家を観測してみた結果、私が外出している間は家に張られている結界内まるごと時間が停止している。ゆえに、動物たちへの影響を考えると24時間単位で外出したほうが良い。何かしらの外的整備または、私が時間干渉の魔法を使いこなせるようになれば外出時の自宅の時間を動かすことが可能となると思われる。

 ・凍結魔法行使時に国内にいた人はもれなく本人認識としての名は失われている。他人からは認知されている場合はあるが、それを名前として認知することはできても、他者からその言葉を認識することはできない。なお、国の復興度合いにより随時その名前は解放され、認知可能となる。

 

 そして、魔女さんと双子くんは、国の辺境に住んでいたものの、この国が諸外国から認知外になっていること、移動に使用する魔力のコストを節約し、復興援助に使うことを目的として、暫く王城に住むとのこと。


「わたしの家は世界各国の辺境に目くらましをかけておいてあるので拠点としては20ぐらいあるぞ。例外もあるがの。おぬしがもうちっと成長したらお主の拠点として使えるように開放してやろう」

  

 復興を失敗すると、このまま世界から認知されないまま、人も戻らない。時間がかかりすぎた場合についてもおそらく同様となるだろう。

 そしてこれから何かしらの実績を解除するごとに復興がすすむ、復興がすすめば国が豊かになる。

 人の姿を失った人が人に戻り名を思い出せる。

 モヤ王が「こんな状態で来ていただいたのは本当に申し訳ないが、よろしく頼みたい」と言ってくる。

 

 ここまできて悲観的にならず、意外と前向きでいられるのはきっと、両親の心配がないことと(元の私、元の世界でがんばれ!)、愛犬ういも一緒にこっちに来てることだ。

 このもこもことしてあったかいものが一緒にいるいないでは日々の生活を送るにあたり大きな差がでてくる。


「今日はお主の家の動物たちの時間の乱れはまあ、仕方あるまい。今日は家にもどって休むがよい。アオ、またチーズについていってくれ」

「わかりました、■■様」

 魔女さんの名前をアオくんが口にしていたようだけれど、先ほど受けた説明のとおり、聞き取ることができなかった。

 

 そして「また朝ごはんで」といい残し魔女さんの転移魔法により城をあとにした。


 とっぷりと日が暮れ、玄関に電気もついていない家に帰宅する。

「この世界の事情に巻き込んでしまって、すみません」

「いいのいいの、あっちで私の人生もちゃんと進んでいるようだし、楽しむよ!」

 

 そう言い笑いかけたら、アオくんも微笑み返してくれた。


 まずは、この世界での生活力の向上とレベル上げを当面の目標としよう。


 実体験ができる魔法世界の復興ゲーム、スタートです。

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