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第8話 異世界の君、最初の晩餐(2)

 家の門の前の転移ポジションに至ったら、またあっという間にお城に到着。

 早速許可を得て、城の開けたテラスにガスボンベとガスコンロを設置する。テラスにあるテーブルに食材を並べ、準備を手際よく進める。


「これが私の世界の地元の食べ物のジンギスカンです。私が焼くので、ちょっと待っててくださいね」


 ガスコンロに着火し、鍋を温める。

 ジンギスカン鍋の周りに野菜を置き、真ん中に油をひき、肉を焼いていく。

 たれの効いた肉が焼ける良いにおいがあたりにだたよってくる。そして、 最高のタイミングを見計らい肉を皿にもり、まず、アオくんに渡す。

 王さまが食べれるか私は知らないため、アオくんがうまく配膳してくれるだろうという考えだ。

 

「冷める前に食べてくださいね~。」

「ありがとう、いただくよ」


 そう言うや否や、 なんと、モヤ王は肉を吸い込んだ。

 闇に吸い込まれ消える肉。


「うまっ」


 みんな当たり前のようにしているところをみると、慣れているのだろう。私はびっくりして凝視してしまったが、スルーしてくれて助かった。

 

 そして、魔女さん、イオくん、アオくんの順番で食べ始める。

 話してみるとアオくんのほうが兄らしい。弟に先に渡すとか弟想いか。


「おいっし~!!もうこの国貧困すぎて食べ物が終わっていたから久々のごちそうじゃな。」


 魔女もご満悦である。

 ジンギスカンは焦がさずきれいに焼いて、ジンギスカン鍋奉行を遂行。

 こればかりは経験がものをいうと思っているが、最後まで綺麗な鍋を維持できたときの気持ちはとてもいい。

 今回はタレつきラムを使ったけれども、在庫のなかった味なし冷凍ラムの蒸し焼きもおいしい。この世界に、代替肉はあるのだろうか。レベル1ではこの世界で生き残れないだろうから、ごはんが終わったらレベルアップの方法でもきいてみよう。本当はあわせてビールが飲みたかったのだけど、未成年と思しき双子くんがいるのでやめておいた。


「お主がもってきたこの『ガスコンロ』は面白いな。似たようなものがこちらの世界にもあるので今度使い方を教えるぞ。お主が持ってきたものは現状唯一無二じゃから、代替えできるものはしていこう」


 なに、便利なものがあるの。あとで教えてくれるとのことなので、楽しみにしておこう

   

「こんなに美味しいものが食べられるなんて、うれしいよ。貧困で暴動が起こるほど食生活が壊滅的だったから、正直日々の食生活については正直思い出したくもない」


 モヤ王は苦々しく言い放つ。

 本来であれば歓迎の宴でも開きたいところであったようなのだが、如何せんこんな状況であったがために困っていたところ、私から食事の提案があったために助かったとのこと。


「あ~…今の私の家にある備蓄でこの人数であれば大体自給自足はできるから、タイミングがあう時は私がごはん作りましょうか。」


 その言葉に、食事をほおばりながら、みんなそろって大いに頷いた。

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